5.起点
「やっと終わったぁ〜!」
終礼が終わり、クラスのみんなが教室を我先にと出て帰っていく。
私はぐ〜っと伸びをして固まった体をほぐす。マジで大変だったよ、今日。
種目決めはあの後神羅が司会をいい感じに務めてくれたおかげでサクッと終わった。細かい書類の記入や我がクラスの担任である早見先生への報告は日陰が担当していたようだ。
(役割分担はしっかりできているみたいだし、もう最初のようなことも起こらないはず…二人は大丈夫そうかな)
ここからは体育祭の準備と練習に本腰を入れていくことになるだろう。
(まぁ、ほどほどに頑張ろう。うん)
悲しいことに私は体育祭への関心が全くなかった。
そんな私に対し、日陰はかなり体育祭を意識しており、緊張しているようだった。
何故かというと、結局日陰はリレーに出場することになったからである。しかも男女混合リレー。見事なまでにフラグを回収していた。
男女混合リレーは男子二人女子二人の計四人でバトンをつなぐリレーで、体育祭の種目の中で最も配点が多く、盛り上がるものらしい。基本的には立候補者がいればその人が一番優先されるのだが、悲しいことにうちのクラスでは目立ちたがり屋なのであろう男子一人の手しか上がらなかった。
既定人数分の枠が埋まらなければ仕方ないので体育祭委員が枠を埋めることになる。
結果…神羅と日陰の体育祭委員が男女一枠ずつを埋め、唯一立候補した男子と日陰にお願いされた私で残りの男女一枠ずつを埋めることとなった。
私もリレーに出るつもりはあまりなかったのだが…日陰に「歩友ちゃんがいれば頑張れる!お願いっ!」と半ばゴリ押しだったもののお願いされてしまっては断れなかった。それに出る種目も男女混合リレーだけで済んだし。
まぁ、純粋に頼られて嬉しかったというのもあるけれど。
(さて、そろそろ帰ろうかな)
荷物を入れ終わったリュックをひょいと持ち上げて背負い、歩き出そうとした…その時だった。
「揣摩、少し話がある。ついてきてくれ」
(うわぁ…ぜっったい、めんどい話じゃん…)
普段誰とも関わりに行こうとしない神羅からのお話…嫌な予感しかしない。
(私は疲れた!もう帰るんだ!)
たとえ無視しても捕まったり、ついてこられたりしたら困る。ここはしっかりと断らなければ。
「だが、断る!私は帰らせてもらう」
「帰らせるのを断る」
「!?そんなのナシでしょ!」
てか何?帰らせるのを断るて。私には自由に帰る権利すらないのかな?
「ごちゃごちゃ言わずいいからついてこい。大事な話なんだ」
「あなたが良くても私は良くない」
「そうか、ついてきてくれるんだな。ありがとう」
「ほわいじゃぱにーずぴーぽー…」
どうして私の話を聞いてくれないんだ…。そして今の話をどう聞いたら私が承諾したように聞こえるのだろうか。
しかし、どうやらもう手遅れのようだった。私が神羅と騒いでいたせいで教室にまだ残っていたクラスメイト達からビシビシと視線を感じる。
(従うしかない、か…)
さらば私の平和な放課後…。
え〜はい。も、もちろんこの作品を読んでくださっている皆様の今頭に浮かんでいる疑問…分かっていますよ?
次回は濃くなるとは一体…?最後少し状況が動いたとはいえ文字数も少ないし、これで内容が濃いとは?
先に謝っておきます。「今回」内容が濃くなると言ったな…あれは嘘だ。……すみませんでした。
ですが少し言い訳もさせてください。内容は濃いんですよ!約9000字です。
もう一度言います。9000字です。長いですね。はい。しかも9000字もあれば場面転換も多く情報量過多で、何なら途中から視点変わります。だから9000字になったんだろうって?ぐうの音も出ません。でもカットとかしたくなかったので…許してください。ですがきちんと濃い話にはなりました。
というわけで今回は3回ぐらいに話を分けようかと思っております。
そして、今週はもう一話上げようとも思っております。そちらの方も見ていただけると私がとても喜びます。ぜひ見てください。
そして本編とは関係ありませんが最後に一つ。体調にはくれぐれもお気をつけ下さい。私は先週風邪をひきました。幸いコロナやインフルではありませんでしたが、熱・咳・鼻水のトリプルコンボが控えめに言ってエグかったです。やばいと感じたらすぐに休むのが大切ですね。
それではまた^ ^




