表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
地石  作者: 水嶋


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

18/19

田所のソライシとは


俺にとっての「ソライシ」とは…




警察病院と言えど犯罪者だけを扱う訳ではなく一般の患者も診る。


ただ、警察病院で精神科医となると、犯罪者の精神鑑定も多かった。


精神鑑定なんて機械やレントゲンや内視鏡でこれは病気です、とハッキリ結果を出すのは難しい部類になると思う。


まあ、先天的な染色体異常なんかの部類だと分かりやすいが、後天的に発症した物は判定に中々難しい所もある。


この判定結果によって幾ら極悪人であろうと、野に放たれるケースもある。


やはり精神科医は他の科の医師に比べて変わった人間が多い。

御多聞に漏れず俺もそのお仲間だろう。


まあ普通の精神で異常者と日々向き合うのは精神が余程タフか鈍感でないとこちらが病むだろう。


俺は何方かに分けるとするなら後者かも知れない。

イマイチ人の気持ちを深く理解する、寄り添う、同調すると言った事は得意では無いと思う。

それで付き合っていた人に振られるケースも多い。


ただ観察するのは好きだった。

主観を入れずにフラットに考察するのも好きだ。


そんな俺が唯一心踊る事は…

「支配」だろう。

俺の物にする…に置き換えられるかも知れない。


何でもかんでも手当たり次第な訳ではない。

「これだ!」と思うモノだけにだ。


例えば…


俺は精神鑑定で怪しいなって思っても最終的に通らない事も何度か経験している。


大体有力者のパターンが多い。

あとは敏腕弁護士なんかの手腕のパターンもある。


コイツは野放しにしたらまたいつかやるだろうって思う人間もいる。

ある意味精神異常者だ。


そう言った加護にある人間の支配…

バックが大きいほど快感と達成感がある。


病院内で決行する事はほぼ無い。

足がつきやすい。調べられたら一発だろう。

大体始末には薬を使う。

扱い慣れているから比較的簡単だ。


入手ルートはやはり行き着く先は反社になるが、売人から買うので直接関わる事は無かった。


そして選ばれた獲物、ターゲットを始末する。

この時はさながら「最後の審判」を下す執行人…

悪人を始末するダークヒーローにでもなった気分になる。

まあ、そんな正義感も使命感も無いのだが。


獲物を仕留めた後は必ずソイツを犯す。

固まる前に俺の正義をぶち込んで中に吐き出す。

そこまでして俺の「支配」が完了する。


「支配」する相手の性別、年齢は問わない。

子供だろうが、おじさん、おばさんだろうがお爺さん、お婆さんだろうが構わない。


正直言うと生きた人間に余り欲情しないかも知れない。

なんの反応もない人形になった人間を犯していると無性に興奮する。

ただ死体なら何でも良い訳ではなく自分の手で人形にした物でないとダメだ。


自分を分類するならやはりサイコパスになるんだろうか。


余り意識はしていないが客観的に診るとそうなると思う。


サイコパスは精神異常と断定するのは難しいと思う。

現にその疑いの有る人間は世間では有力者が多い。

政治家、実業家、先生等上に立つ立場の人間も多い。


カリスマ性も高く、人を操ったり思う通りに動かすのが上手い人間も多い。

人当たりも良く、慕われている人も多い。

頭が回るので発覚せず周到な人も多い。


まあ俺はそんな立派な人間では無いが…

周到と言うのは当てはまると思う。


俺は「支配」が完了したら隠蔽は怠らない。

まず俺の痕跡は洗い流す。

その後集めた他人の精液を何種類か混ぜて入れておく。


集めるのは主にゲイからだ。

俺は別にゲイと言うわけでは無いが、男に抱かれるのも抱くのも大して抵抗はない。

死体にしか欲情しないから、仕事と割り切ってまるで風俗嬢の気分だ。


性交は必ずゴムの着用を相手に義務付けさせる。

使用後のゴムを回収して保存しておき、それを使う。

相手は行きずりの男で毎回変える。

なので、そう言う出会いの場では多少顔は知られていた。


増田くんの話に出て来ていたショウもナミも実は顔見知り程度に知っていた。

こちらも相手がタチの方が都合良いので身体の関係になる事は無かった。


正直相手からすれば俺は無実の罪を擦りつける死神だろうから関わらなくて良かっただろう。




そして…


増田三治はフラットに観察をさせてくれなかった唯一の人物だった。


そして増田三治は俺と同じだった。


いや、同じと言うのはおこがましいな。

崇拝すべき相手だった。

俺なんか足元にも及ばない。

知って行くうちにどんどん引き込まれて行った。


同じと言うのは増田くんが死体を相手にした時だ。

この話を聞いた時天上人と初めて同じ目線の世界を見れた気がして興奮した。


初めはこの崇拝する増田三治を世間の娯楽にしたくなくて、物語が終わったら美しく静かに誰の目にも触れさせないように幕を下ろさせたかった。


現に書き終わった報告書のデータは増田くんの希望を叶えた時に削除した。


まだ警察に提出していない。

犯罪の証拠が分かっている物は仕方ないが、ハッキリと分からない部分は内容を作り替えるつもりでいる。



ただあの…ヒロミの話を知ってから『支配』の欲望が出て来てしまった。

神を冒涜する背徳感…

この黒い欲望に抗えなくなってしまっていた。





これから『支配』決行…と言う所で



「何をしているんですか?」





と看護助手の三田が入って来た






○○○○○○○○○○





「それで、田所くんはどうしたのかな?」


「はい、ギルドにソライシ持って行っても余り高値で引き取って貰えなくて…もう少し強い魔物を倒すためウィザードの募集を始めました。」





「田所はどんな感じですか?」


「今はファンタジー世界に行っちゃってるかな…また日にち置かないとだな」


「そうですか…まあ、時間はたっぷりあるからね。気長に行きますよ」





あの増田三治の調書は消される前にバックアップしておいた。


荒木さんの事務所に犯罪スレスレな…優秀な仕事が出来るスタッフがいるので、念の為あらかじめスパイウェアを作って貰って入れておいた。


あの後、田所を取り押さえる時に自決を図って薬を飲んだ。


幸い命は取り留めたが脳に障害が残りあの様な状態になる。


マダラに現実世界に出てくるので、その時を狙って証言させて行くが、正にこの言葉通り気長にやって行く事になるだろう。


田所の場合は隠蔽が巧妙だったので、全てを明らかにするのは難航しそうだ。


バックに警察との癒着を噂されている高木組も絡んでいそうなので慎重な捜査になるだろう。


今回の事件でも刑事の広瀬と協力した。


広瀬の紹介で荒木探偵事務所を知ったが前回も今回もかなり調査などで助けられた。

元刑事で先輩の佐々木さんとは旧知の仲らしい。





折を見て広瀬と挨拶に行こう。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ