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地石  作者: 水嶋


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13/19

刺客

先日の聴き取りまで話を聞いて、恐らくキーマンだろうミルハことハルミまでが登場した。


段々増田三治物語の終わりに近づいて来ていると実感していた。


「先生、一休みして下さい」


先日の看護助手がコーヒーを置いてくれた。


「有難う。」


「何だか元気無いですね」


「そうかな?」


無意識に態度に出ているのかな…




気分を変える為に先日の話の考察をする事にした。


ファンタジーの世界には出てこなかった高木組とのやり取りと依頼されていた仕事。此方の世界では数々の事件の中でも重要な内容だったが、マスターの中では大して意味は無かったのだろう。

あくまで重要だと思っているのは部外者の警察等だ。


あの仕事は主に高木組の敵対勢力に対してや、何かしらの事情のある人間を都合よく従わせる為に行われた脅しや拷問の為だ。


組の人間でも進んでやる人は少ないだろう。

しかもああいう実行犯は足がつきやすい。

もし何かで発覚した場合の高木組の部外者としてトカゲの尻尾切りに増田くんは利用されたのだろう。

現に証言などから増田くんの存在の発覚に役立っていた。


見た目が整っていて細身の、一見虫も殺せなさそうな増田くんが顔色一つ変えず無表情で数々の残虐行為をする姿を見た人の証言は死神みたいで不気味だったらしい。


あと、増田くんが愛、ソライシ集めを自覚したと言った原田教授。

彼とは俺も面識あった。講演などを聞きに行った事もある。

懐いていて仲良くしていた増田くんがこんな怪物だったと知ったらどうするだろう。

彼なら多分絶望よりワクワクして研究材料にするだろうなと思う。


次に再会したナミ。彼もこの物語には重要な存在だった。

この再会がきっかけで増田くんの存在がわかった。このナミも不思議な縁を沢山持ってる人物だった。


別事件で彼と麻薬取締官と前に交流があった。

二丁目で薬物のやり取りをしていたショウを逮捕した時に顧客だった増田くんも浮上して、その捜査官に調べられていた。

二丁目のバーで働いているナミに聴き取りした時に増田くんの所在が分かり、そこから捜査員が増田くんの塾に送り込まれた。

こうした囮捜査が出来るのはマトリの特権だ。


増田くんの薬物の取り引きの証拠を集めている内に数々の事件の実態も分かってきて、最終的に警察も介入する事となった。


警察にも知られる事になった調査員の話も聞いてみよう。


後は、個人的に気になるロヒとタオの殺害…



考察を纏めていると、もうすぐ物語が終わる事を実感した。





「こんにちは、増田くん。今日の気分はどうかな?」


「こんにちは、田所さん。まあ、まずまずです。」


「そうですか。今日はお話を聞かせてもらえますか?」


「大丈夫ですよ。どんな話が良いですか?」


「そうだな…増田くんの塾は働いていた人は増田くんだけだったのかな?」


「暫くは俺1人でした。でも、段々と手が回らなくなって来て、1人事務員を雇いました。」


「そうなんだ。どんな人だったんだろう?」


「それは…」





○○○○○○○○○○






「今日からお世話になります、三田と言います」


三田さんが俺の塾で事務員として働く事になった。


特に募集をかけた訳では無かったが、元を辿ればナミの知り合いの知り合いだった。

ナミの働く店でたまたま俺の塾の話題になって事務職で働きたい人が居るからって紹介された。


段々忙しくなって来て、雑務に手が回らなくなって来ていたので丁度良いので来てもらった。


ナミとはホトホト不思議な縁だ。


三田さんは29歳の女性だった。


落ち着いていて、無駄口もなく黙々と働いてくれていた。


頭も良い人で、教材とかの営業なんかに来る人の対応も俺は苦手だったけど、的確にこなしてくれて助かった。


おまけに薬や医療の知識も少しあった。

生徒や俺が調子悪いときとか素早く対応してくれて助かっていた。

独学らしい。

看護師とか薬剤師の勉強すれば良かったのにって思ったけど


「なんか短い人生難しい医療の勉強して終わるなんて馬鹿馬鹿しいじゃないですか」


らしい。

あっさりしていた。


こんな小さな塾に勿体無い人材だけどついてるなって思った。


無駄口が無いって言うのは…




「今日も三田さん、助かった。有難う」


「いえ、仕事ですから。外でカナハが待っていますが」


「うん、テストで良い点取れたからご褒美に遊んであげる約束してるの。」


「では、仕事も終わったので連れて来ますね。私はこれで失礼します。」


「ハイ、お疲れ様でした。明日もよろしくね」




俺と子供達との愛し合うのを知っていても何も口を挟んでこなかった。




「増田さん、薬がが増えてますよ…最近より強力な物になってきてます。大丈夫ですか?」


三田さんが心配していた。


俺が向精神薬を服用している事も知っていた。


薬の知識が有るので、察していたのだろう。



俺はこの頃仕事の疲れが溜まって来ていて落ち込む事が増えていた。


その事をショウに漏らしたら、この薬をくれた。


元々は鬱や躁鬱なんかの患者に処方されるので実際の俺の状態は病院に行って無かったので分からないが、近い状態だったのかも知れない。


ハッキリと診断されれば正規に病院から手に入れられたとも思うが、そうなると塾に影響する…

愛する子供達を放ってしまう事になるのを恐れて診察に行けなかった。


濫用成分のある薬だ。依存性も高い。

ある種危険薬物と同類だった。

医師から使用法の指示もなく勝手に使っていたので、三田さんの言う通りの状況になっていた。


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