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地石  作者: 水嶋


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10/19

嬉しい再会

ちょっと酷い話が続いていたので、ホッとする回です。


「月光」のあの頃のタクミの見た目はこんな感じだったみたいです。

「へえ。クミちゃんの時は興奮したみたいだけど、この事は興奮しなかったの?」


「はい。全然ですね。今までの動物と変わらなかったです。何も感じません。」


「そうなんだ。」


「俺はクミちゃん以外にも、モエちゃんと、ミキちゃんと、ユナちゃんと、ヒロミちゃんを俺の中に入れてあげましたがその時はもう興奮して夜も眠れなくて、何回も自分で抜きました。」


「そうかあ。やっぱり皆何かしら理由はあったのかな?」


「そうですね。やはり段々大人になって来ると悪知恵が働いて俺の愛を試そうとして来ました。他の子を貶めて独り占めにしようとして来たり。純粋に真っ直ぐ愛してくれなくなった。」


「そうなんだ。悲しいね」


「はい。でもやっぱり俺は愛していたので、その要求に応えてあげました。」


「増田くんの言う、中に入れるってどう言う事なんだろう?」


「俺は男なんで、相手の中に入れて満たす事は出来ます。ただ、入れてもらう事は物理的に女の子からは無理です」


「そうだね」


「だから、俺の手でその子の命を貰って、愛と記憶を永遠に入れ込むんです。」


「成る程ね」


「殴ったり切り刻んだりはしません。道具は使わず俺の手だけでやるんです。」


「やっぱり増田くんの愛の形なんだね」


「そうなんです!分かって貰えて嬉しいです!」



やはり増田くんなりのルールがあるんだな。

ただ…手に掛けたこの中に知らない名前もある。

この辺りは警察に報告して早急に調べてもらわないとならないだろう。



「そう言えばさ、ナミとはどうなったのかな?」


少し話題を変えてみた。


確かファンタジーの世界では負傷して…

弟子を作ったりしていたが



「ナミとはあの後…」






○○○○○○○○○○





「前に一緒に働いてた熊田さん覚えてるか?今は独立して塾開いたらしいぞ。何人か講師引き抜いて自分は経営に回るらしい。」


「へー!腕は良かったのに、現場離れるの勿体無い気もするけど…」


「アイツは教育現場で人を導くより経営で金と名誉が欲しいみたいだな。まあ雇われてチマチマやってたんじゃ夢も叶わないだろうよ」


「まあ、人の価値基準はそれぞれ違うからな」


「まあ、これで熊田さんはお前のライバルだな。」


「馬鹿言え、俺一人でやってるような小さな学習塾じゃライバルなんて思われないさ」


こんな感じで色々関わってきた人から噂等も聞いて居る。一応経営者なんで人付き合いは絶やさない様にしていた。


前のナミの噂も昔の学生の時の友達から聞いた。


ナミがトラブルを起こして学校を辞めたらしいと噂で聞いてから1年以上経った頃、俺の経営する塾にふらっとやって来た。


「まっすー!久しぶり!」


「ナミ!どうしてた?噂で聞いて心配してた。連絡しようか迷ってたけど、迷惑かなって出来なかった。」


「色々あってなあ。ちょっと病んでた。ゴメンなあ。」


見た目も大分変わっていた。

教師をしていた頃に会った事はあるが、その頃はスーツも似合っていて出来る男って感じだったが今は…


大分痩せて顔色も青白く、髪も長めに伸ばし後ろでルーズに縛っている。黒いマニキュアと大きめなピアスもしていて見た感じ遊び人みたいになっていた。

その分、教師の頃よりは若くは見えた。


今も病んでるようにしか見えないが…


「お前が塾やってるって聞いて、昔のツテを頼ってここ教えてもらった」


「そうか。」


「それでな、今日はお願いと言うか相談が有ってな。」


何だろう…やっぱ金かな…

この感じだと相当困ってそうだよな…

まあ昔のよしみで多少は用意してやろう


と思っていた。


「実は、今なんか成り行きで16歳の男の子を家に預かってるんだ。」


「へえ?」


「でな、その子、中学もマトモに行けてなかったんだ。学校行きたかったって言うから勉強教えてやろうと思って。今中2辺りから始めてる」


「へー!」


「でな、俺はまあ、国語と歴史位なら高3までは行けると思うんだけど、英語とか理数の高2以上にちょっと不安あるから、参考書とかオススメ教えて欲しい。お前現役だろ?」


「分かった!色々用意してやる。」


何だかんだでやっぱりナミはナミだって嬉しくなった。




その後、ナミと少し話した。


「いやー、最初お前の身なり見て心配したぞ。」


「金の無心に来たかと思ったろ?」


「ギクっ」


「ははは、まあ仕方ないよな。俺な、事情あって学校辞めてマジでどん底落ちてたのよ。眠剤無いと寝れない位」


「そうだったのか…」


「でもな、今預かってる子も俺よりもっと酷い環境いた子でな、その子の為にって色々してる内に俺が癒されて来てるんだ。今は眠剤無くても寝れる日が多い。」


「そうかあ…愛だなあ…良かったなあ…」


「まあ愛って言っても16の子だしな。自分の子供みたいに思ってるから恋愛では無いな。」


俺はもっと下の子でも全然恋愛だがな…


「じゃあ、助かった!有難う!」


「おう!またいつでも頼ってくれ!」





ナミは学校と言う狭い世界で傷つき、怪我で腕をもがれようと、やっぱり根っからの教師だ。


本当に晴れ晴れとした気持ちになった。


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