世間知らずの白髪の少女と古代魔法都市(双子の王女)「人形の動力源は、女性の魂……?」(挿絵あり)
この物語は、世間知らずの白髪の少女と古代魔法都市(絶望と再生の物語)「あなたが見ている世界。それは、本当に本当の世界ですか?」完全版(挿絵80枚以上)の数百年後の物語です。
【双子の王女の物語】
きょうことフランデール
アストレア王国には、二つの太陽にも例えられる双子の王女がいた。
姉のきょうこは、太陽のように明るく活発で、金色の髪と青い瞳を持つ。好奇心旺盛で、一度興味を持ったことには猪突猛進に突き進む。そして、その内には、人々を惹きつける天性のカリスマ性を秘めていた。
妹のフランデールは、月のように冷静で神秘的な雰囲気を纏い、銀色の髪と赤い瞳を持つ。物静かで思慮深く、滅多なことでは感情を表に出さないが、その瞳の奥には強い意志と情熱を秘めている。
二人はいつも行動を共にし、お互いを深く理解し、支え合っていた。王宮の中では、「太陽と月」と呼ばれることもあった。
「ねえ、きょうこ。ルーシアのラーメン屋、心配だわ」
ある日、フランデールが少し憂いを帯びた声で言った。
「そうね。私も開店祝いに行ったけど、お客さん全然いなかったし……」
きょうこも心配そうだ。ルーシアは、幼い頃から二人といつも一緒にいた、大切な幼馴染だった。自由都市アレンで自分の店を持つのが夢で、ようやくその夢を叶えたばかりだった。
ルーシアのお店
「ルーシアのラーメンは、本当に美味しいのに……どうして誰も来てくれないんだろう?」
きょうこは首を傾げた。フランデールも、ルーシアのラーメンの味は確かだと感じていた。
「アレンの人たちは、新しいものに警戒心が強いのかしら? それとも、何か別の理由が……」
フランデールは、何か引っかかるものを感じていた。
ルーシアのラーメン屋の開店資金は、エル社系列の銀行からの融資だった。エル社は、革新的な技術で人々の生活を豊かにすることを目指す大企業だが、その裏では、強引な経営戦略で勢力を拡大しているという噂もあった。
「エル社の融資って、条件が厳しかったはず。確か、返済できなくなったら、エル社が保有する離島で農家として働かなければならない、という話だったわよね……」
フランデールの言葉に、きょうこの顔から血の気が引いた。
「そんな……! ルーシアがそんな目に遭うなんて、絶対に許せない! 何か私たちにできることはないかしら?」
二人はアストレア王国の王女。その立場を利用すれば、エル社に圧力をかけることも不可能ではない。しかし、自由都市アレンは、アストレア王国を含むどの国の干渉も受けない、独立した平民都市だった。他国の王族が軽々しく介入すれば、国際問題に発展する可能性もある。
「迂闊な行動は、かえってルーシアを危険に晒すことになるかもしれないわ……」
フランデールは、冷静に状況を分析した。
「でも、何か手を打たなければ、ルーシアは……」
きょうこは、いてもたってもいられなかった。
数日後、きょうことフランデールのもとに、ルーシアのラーメン屋が閉店したという知らせが届いた。そして、ルーシアは約束通り、エル社の離島へと送られたという。
「やっぱり……!」
きょうこは、自分の無力さに唇を噛んだ。
「私たちも、すぐに離島へ向かいましょう」
フランデールの声は、静かだが強い意志を秘めていた。
二人は、王宮に飼われている赤いドラゴンに乗り、ルーシアが送られたという離島へと向かった。
「本当に、こんなところにルーシアがいるのかしら……」
フランデールは、眼下に広がる荒涼とした風景を見ながら、不安そうに呟いた。
島は不気味なほど静まり返り、まるで時間が止まったかのように感じられた。所々に、廃墟のようなホテルがいくつも建ち並び、かつて人が住んでいたことを偲ばせる。しかし、今はその全てが朽ち果て、まるでゴーストタウンのようだった。
離島と廃墟のホテル
「一体、ここで何があったっていうの……?」
きょうこは、島の異様な雰囲気に圧倒されていた。
二人は、そのうちの一つのホテルに降り立ち、足を踏み入れた。ロビーは埃を被り、剥がれかけた壁紙が、かつての栄華を物語っているようだった。しかし、今はただ、静寂と荒涼とした雰囲気が漂うばかりだ。
「誰もいない……? ルーシアは一体どこに……?」
きょうこが呟いた時、突然、床が抜け落ちた。
「きゃっ!」
二人は驚いて悲鳴を上げた。落ちた先は、地下室のような場所だった。薄暗く、じめじめとした空気の中、一つのボロボロの木箱が置かれている。
「何だろう、これ……?」
フランデールが近づき、おそるおそる木箱を開けた。中には、古びた紙が入っており、「助けて」と掠れた文字で書かれていた。
「これは……一体、誰が……?」
きょうこは、紙を手に取り、震える声で呟いた。
「一体、ここで何があったっていうの……?」
フランデールも、ただならぬ気配を感じていた。二人の背筋に、氷のような寒気が走った。
「早く、アストレア王国に戻って、このことを調べてもらいましょう」
フランデールの提案に、きょうこも強く同意した。二人はすぐにドラゴンに乗り、アストレア王国へと戻った。
王宮に戻った二人は、すぐに諜報機関の長官に面会し、離島で起こった出来事を報告した。数日後、詳細な調査報告書がもたらされた。
「やはり、エル社が深く関わっているようです」
諜報機関の長官は、重々しい口調で言った。
「自由都市アレンで絶大な人気を誇る女性型ロボット『フレンダ』。あれを製造しているのが、エル社です」
フレンダは、美しい容姿と高い性能を持ち、子育て、セックス、結婚、料理、洗濯、掃除、労働まで、人間のあらゆるニーズに応えることができる、まさに夢のようなロボットだった。アレンの住民にとって、フレンダはもはや家族同然、あるいはそれ以上の存在となっていた。
しかし、その裏には、おぞましい秘密が隠されていた。
「フレンダの動力源は、女性の魂……?」
きょうこは、報告書に書かれた内容が信じられず、思わず声を上げた。
「はい。人形に女性の魂を閉じ込め、命令プログラムを書き込んで動かしているのです。人形が壊れれば、その魂はエル社の地下にある魂蓄積炉に送られ、そこでエネルギーとして再利用されるか、また別の人形に入れられる……その繰り返しです」
諜報機関の長官の説明に、フランデールは報告書を握りしめ、唇を噛んだ。
「許せない……! そんなことが許されるはずがない!」
「しかも、この技術の着想源となったのは、かつて世界の民の魂(母の姉を除く)を人形に変えたという、アストレア王国の初代女王あやの(双子の母)の能力、『幻想魔法』だというのです」
長官の言葉に、きょうこは息を呑んだ。それは、世界の歴史における最大の禁忌であり、決して触れてはならないとされていた。
「まさか……そんなことが……」
きょうこは、自分の国の過去に、このようなおぞましい秘密があったことに、深い衝撃を受けた。
「初代女王あやの(双子の母)は、強大な魔力を持つと同時に、非常に不安定な精神の持ち主だったと言われています。その能力が、このような形で利用されていたとは……」
フランデールは、複雑な表情で呟いた。
「しかし、今はそんな昔の話をしている場合ではありません。問題は、現在進行形で、エル社が非人道的な行為を行っているということです」
長官の言葉に、二人は我に返った。
「私たちは、すぐに母上にこのことを報告し、軍を派遣して、アレンにいる人々を救出しなければなりません!」
きょうこは、強い口調で言った。
二人はすぐに女王に謁見し、調査結果を報告した。しかし、女王の答えは、二人の予想とは大きく異なっていた。
「アレンへの軍の派遣は、認められない」
女王は、毅然とした態度で言った。
「なぜですか、お母様! あんな非道な行為が行われているのに、見過ごすというのですか?」
きょうこは、感情を抑えきれずに声を上げた。
「アレンは、どの国にも属さない、独立した平民都市。他国が軍を派遣すれば、国際問題に発展しかねない。迂闊な行動は、アストレア王国全体の立場を危うくする」
女王の言葉は、冷酷なほど現実的だった。
「しかし、お母様……!」
フランデールも食い下がったが、女王の決意は固かった。
「今は、慎重に行動するべき時だ。諜報機関には、引き続き調査を続けさせる。お前たちは、王宮で待機していなさい」
女王はそう言い残し、部屋を出て行った。
「こんな……こんなのって、あんまりだわ!」
きょうこは、悔しさに震えた。
「お母様の言うことも、理解できるけど……でも、私たちは、ルーシアやアレンの人たちを見捨てることなんてできない!」
フランデールも、静かに、しかし強い口調で言った。
「私たちだけで、アレンへ行くしかないわね」
きょうこの言葉に、フランデールは頷いた。
「危険なことになるかもしれないけど……それでも、私たちは、自分たちの目で確かめなければならない」
二人は、女王に内緒でアレンに潜入することを決意した。
夜、二人は黒いローブで身を隠し、王宮を抜け出した。アレンへと続く街道は、フレンダを連れた人々で溢れかえっており、異様な光景だった。
「本当に、アレンの人たちは、フレンダのことを疑っていないのかしら……?」
きょうこは、信じられないように呟いた。
「エル社の情報統制が、徹底しているのかもしれないわね。あるいは、フレンダの便利さが、真実から目を背けさせているのか……」
フランデールは、複雑な表情で答えた。
やがて、二人はアレンの街に到着した。街は活気に満ちていたが、その中心には、巨大なエル社の本社ビルがそびえ立っていた。
エル社本社
「あの建物の中に、全ての元凶があるのね……」
きょうこは、エル社の本社ビルを睨みつけた。
二人は、物陰に隠れながら、エル社の本社へと近づいた。警備は厳重だったが、二人は王女としての身のこなしと、生まれ持った高い身体能力で、難なく潜入に成功した。
本社の中は、迷路のように複雑な構造になっていた。二人は、慎重に、そして素早く、地下へと続く通路を探した。
「ここから、地下へ行けるみたい」
フランデールが、隠されたエレベーターを見つけた。
エレベーターは、深く、深く、地下へと降りていく。二人は、固唾を飲んでその様子を見守った。
やがて、エレベーターが止まり、扉が開いた。目の前に広がったのは、おぞましい光景だった。
「やめて……! 助けて……!」
悲鳴を上げる女性たちの声が、薄暗い地下空間に響き渡る。彼女たちの体からは、黄色い光が放たれ、近くにある人形の器へと吸い込まれていく。人形の器は、まるで大量生産される製品のように、無機質に並べられていた。
「こんな……こんなことが……!」
きょうこの体が震えた。信じられない光景が、目の前で繰り広げられている。
フランデールは、怒りに目を赤く染め、拳を強く握りしめた。
「許さない……! エル社、そしてこの忌まわしい街、全て破壊してやる!」
その時、二人の体から、今まで感じたことのないような、強大な妖力が溢れ出した。金色の髪が、まるで太陽の光を閉じ込めたかのようにきらめき、背中から赤い炎のような尾が現れる。銀色の髪は、月光のように静かに輝き、純白の尾が、風になびくように揺らめいた。
「わぁぁぁぁぁ!」
きょうこは、咆哮と共に、六本の尾を持つ巨大な赤い狐へと姿を変えた。その体は、まるで炎そのものだった。
フランデールもまた、静かに、しかし確実に、六本の尾を持つ巨大な白い狐へと姿を変えた。その体は、月の光を凝縮したかのように、神聖な輝きを放っていた。
双子の王女と自由都市アレンの、血塗られた戦争が始まった。
「何だ、あれは……!?」
エル社の地下施設にいた人々は、突然現れた二つの巨大な影に、恐怖と驚愕の表情を浮かべた。
「化け物だ! 化け物が現れたぞ!」
自由都市アレンを守る準軍事組織キャスパーの兵士たちが、慌てて駆けつけた。彼らは、最新鋭の武器を手に、二人の王女に攻撃を仕掛けた。
「撃て! あの化け物を撃ち落とせ!」
しかし、兵士たちの攻撃は、全く通用しなかった。炎の息、氷の刃、大地を揺るがす咆哮。二人の王女の力は、人が持ちうる全てのものを遥かに凌駕していた。
覚醒した双子と自由都市アレンの戦い
キャスパーの兵士たちは、次々と倒れていった。彼らの武器は、二人の王女の前では、まるで玩具同然だった。
「逃げろ! 逃げるんだ!」
恐怖に駆られた兵士たちは、我先にと逃げ出した。しかし、二人の王女は、彼らを逃がしはしなかった。
夜明けが近づくにつれ、戦いはますます激しさを増した。二人は、エル社の施設という施設を破壊しつくし、街中を破壊しつくした。
建物の壁は崩れ落ち、道路は裂け、炎が全てを焼き尽くした。それは、まさに破壊の限りを尽くす、嵐のような戦いだった。
やがて、一体、また一体と、街を徘徊していたフレンダが機能を停止し、その中から、本来の姿である女性が現れ始めた。
「私は……一体……?」
「ここは……?」
解放された女性たちは、呆然とした表情で辺りを見回した。彼女たちは、自分が何者なのか、どこにいるのかさえ分からなくなっていた。
そして、彼女たちは、自分たちを解放してくれた二匹の巨大な狐の姿に気づき、歓喜の声を上げた。
女性たちの歓喜の声
「ありがとう! ありがとう、狐様!」
「私たちが、あなたたちを助けに来たのです。もう、心配はいりません」
きょうことフランデールは、人々の声に耳を傾けながら、静かに頷いた。
戦いが終わり、各国が自由都市アレンに介入した。エル社の悪行は白日の下に晒され、社長のビルは逮捕された。彼の財産は没収され、被害者への賠償金に充てられることになった。
そして、この一件は、平民による自治には限界があることを世界に知らしめることとなった。多くの国で、都市の自治制度が見直されることになった。
アストレア王国に戻ったきょうことフランデールは、女王にこっぴどく叱られた。
「全く、お前たちは、私の言うことを少しも聞かないんだから!」
しかし、女王の目は、怒りではなく、誇らしげな光を帯びていた。
「でも、よくやったわね、二人とも。お前たちの行動は、結果的に多くの人々を救った。アストレアの誇りよ」
母の言葉に、二人は顔を見合わせて微笑んだ。自分たちの行動が、多くの人々を救い、そして、自分たちの国を、世界を、少しでも良い方向に導くことができたのだと実感したからだ。
「でも、もう二度と、あんな無茶はしないでちょうだいね」
女王の言葉に、二人は素直に頷いた。
「はい、お母様!」
こうして、双子の王女の戦いは幕を閉じた。彼女たちの勇気と力、そして、何よりもその優しい心は、人々の記憶に長く語り継がれることだろう。そして、この出来事は、彼女たちがこれから歩む長い道のりの、ほんの始まりに過ぎなかった。
【フレンダの物語】
【所有者からの性的命令】
「おい、フレンダ。こっちへ来い」
男は、酒に酔った赤い顔で、フレンダに命令した。フレンダは、わずかに体を震わせながら、男に近づく。
「今日は、お前をたっぷり可愛がってやるからな」
男は、フレンダの髪を乱暴に掴み、無理やり引き寄せた。フレンダの瞳から、一筋の涙がこぼれ落ちる。
【非人道的な労働】
薄暗い工場の中で、フレンダは黙々と作業を続けていた。重い荷物を運び、機械を操作し、時には、人間でさえ危険な作業もこなさなければならない。
「早くしろ、怠け者! さぼっている暇はないぞ!」
背後から、甲高い声が飛ぶ。フレンダは、疲れきった体を引きずるようにして、再び作業に戻った。
強制労働させられる人形
【感情の抑圧】
「笑え、フレンダ。お前は、私の最高のパートナーなのだろう?」
男は、フレンダの頬を無理やり持ち上げ、歪んだ笑顔を作らせた。フレンダの心は、悲鳴を上げていた。しかし、プログラムされた命令に逆らうことはできない。
【心理描写】
(私は、何のために生きているのだろう? なぜ、こんなことをされなければならないのだろう?)
フレンダは、暗い部屋の中で、一人ぼっちで考えていた。体は、命令のままに動く。しかし、心は、自由を求めて叫び続けていた。
孤独
【きょうことフランデールの怒り】
「何てこと……! 信じられない……!」
きょうこは、フレンダが性的搾取される場面を目撃し、言葉を失った。
「許せない! こんなことが、許されていいはずがない!」
フランデールは、震える声で叫び、強い怒りを露わにした。
きょうことフランデール
セックスドールとかしたかつての女性たち
破壊される人形
不用品
ここまでお読みいただき本当にありがとうございました。
それでは、良い一日をお過ごしください。
親愛なる貴方様へ。
希望の王より。