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第4話 冒険者ギルドへ、いざ
プロフィールでしっかり「エタらない」って大っぴらに宣言してたのに、エタりかけてる我は・・・
冒険者ギルドへの道では、今の俺には似合わない春の長閑さに散々付き纏われて、危うくうとうとしかけていると、馬の嗎で目を覚ます——そしてその馬は俺の乗る馬であったり俺の乗る馬の前の馬や二頭後ろの馬であったりする——、という循環に入っていて、それがいいことなのか悪いことなのかは、まったくわからなかった。
そしてその循環に、8周目だか、9周目だか、入り始めていた時に、「つきましたよ。……おーい」という声で目が覚めた。後ろで鞭を打つ男の人だった。
馬をなだめると、「降りてください」とだけ呟く。残る所持金は9ポコロドしかない。
冒険者ギルドへ登録する、という決心はすでにあった。というかそのためにここまで眠気と闘ってきたのである。
「冒険者ギルドへ、いざ!」
俺は呟いた。舗装が久しくされていさなそうな、コンクリートの道に、靴音が響く。
完結まで気長に待っていてください。