人が沢山いる街
3人でしっかり朝ごはんを食べ街まで歩いた。
途中千景は疲れてしまって間宮さんがおんぶをしてくれたおかげで早くに着いた。
僕も疲れていないかと何度も聞かれたが、体力はある方だし大量増加と体力回復が付いてる指輪をしているから問題なかった。
街は車や自転車が通っている……久しぶりに色々な人を見るな。やっぱり間宮さんはイケメンだ!だって街にいる人達を見渡しても間宮さん程カッコイイ人いないもん!
「あれ?間宮ハンターだ!」という声を皮切りに間宮さんは街の人達に囲まれてしまった。
「兄さん、間宮さん囲まれちゃったね」
「そうだね。少しここで待ってよっか」と間宮さんを待つ事に決めたが、間宮さんはすぐ僕達がいるところに来た。
「あの人達のこと放っておいて大丈夫なんですか?」
「ああ。俺の見た目は優しそうって理由で近づいて来る者が多いんだが、知らない奴と喋るのはあまり好きじゃないんだ」
間宮さんに近づいて行った人は女性が多かった。そりゃ、高身長イケメンだったらお近づきになりたいよね。
僕も間宮さん程大きくなりたい。
街に着いてから千景は僕の手を離さなくなったけど、やっぱり人が怖いのかな?それとも人見知りかな?
間宮さんの後に続いて歩いて行くと1台の黒塗りの車が道路の端に止まっていた。
「あの車に乗って東京に行く。運転手は俺のギルドの仲間だ。お節介だが優しい奴だから心配は要らない」と僕達を気遣ってくれた。
間宮さんは後部席のドアを開けてくれて、僕と千景が乗るとドアを閉めてくれた。
「千尋君、千景君。初めまして、僕は蓮と同じギルドの来栖翔大です。歳は蓮と一緒だよ。東京まで僕が運転するからよろしくね」とにっこり微笑んで丁寧に自己紹介をしてくれた。
車は6人乗りの大型?車の為窮屈さは感じなかった。
来栖さんも僕達に凄く気を使ってくれたのもあって、車の中での居心地は良かった。
2時間程で山梨まで着いた。
「今日はここまでにしようか。ずっと車で疲れたと思うしホテルも取っておいたからさ」と来栖さんはホテルまで取っておいてくれたとか優秀過ぎると思う。
千景はいつの間にかぐっすりと眠っていた。人が多いところに行って疲れてしまったのかな?
間宮さんが寝ている千景を抱っこしてホテルの部屋まで連れてきてくれた。夜ご飯はどうしようか相談をしていると、間宮さんと来栖さんのスマホから「ビリリー!」とアラームのような音がなった。
「緊急要請だ。場所はここから近いな」
「10分くらいで着ける距離だね。僕らが1番近いかな。千尋君、ここの近くでモンスターが出たみたい。倒して来るからここで待ってて」
「あ、はい」
間宮さんも来栖さんも不思議な人だ。僕が強いことなんてわかっているのに守ってくれるなんて。
凄く優しい大人だな……。
2時間経っても2人は戻って来なかった。
また1時間とたち僕は間宮さんと来栖さんのことが心配になってきた。
「千景、起きて」
「んぅ、兄さん?どうしたの?」と千景が寝ぼけながら返事をしたので、「間宮さんと来栖さんがモンスターを倒しに行ってから戻って来ないからここで待っていられるね?」と聞いた。
「うん。大丈夫」
「すぐ戻って来るから指輪の結界を発動して待ってて」
「行ってらっしゃい」
「行ってくる」と言って僕は3階の窓から飛び降りた。
風魔法を使い近くの屋根に着地をした。
千景が持っている結界の指輪は問題無ければ通常5時間展開させていられるから、5時間いないに戻れば大丈夫。
「1番騒がしい所に行けば間宮さんと来栖さんはいるはず」
キョロキョロと見ていると人が逃げている反対の方で、沢山の人達がモンスターと戦っていた。
「あそこだ」
僕はフードをしっかり被りマスクもして顔を隠した。
顔を隠した理由は間宮さんがハンターとして活躍する時は、顔を隠した方がいいとアドバイスをくれたからだ。やっかみや囲まれとかあるからみたい。
僕は刀身が透明な刀を取り出し魔力を流した。この刀は魔道具で僕が制作した物だ。
使う魔法によってその属性に合った刀身になる。
風魔法を使うため、刀を握ると刀の周りに風が集中し始めた。
僕は一気に横に刀を振った。
すると、2足歩行の豚みたいなモンスターや、トカゲみたいなモンスターや、虫みたいなモンスター達が一気に倒れた。
周りにいたハンターは何事かと驚いていた。
ちゃんと人間には当たらないようセーブしたから大丈夫なはず。
間宮さんと来栖さんを探すと2人はドラゴンと戦っていた。僕は近づいて2人に声を掛けた。
「あの、大丈夫ですか?」
「え?!なんでここに?!」と来栖さんは凄くびっくりしていた。
急に僕の腕が引かれた。
「君!逃げ遅れたの?!ここは危ないから下がってて!」と女性が僕を逃がそうとしてくれたが、危ないのはそっちだよね??間宮さんより強そうに見えないんだけど?
「僕なら平気です。それに危ないのはそっちです」
僕がチビだからって舐めないでよね!!僕これでも強いから!
僕はまた刀を横に振った。そして、すぐにドラゴンは首を切り落とされ倒れた。