騒がしすぎる
ん?1階が騒がしいな……千景はそんなに騒がしくする子じゃないのに何でだ?
とりあえず、フィノに部屋から出ても良いと言いに行かなきゃ。
「フィノー、もう部屋から出ていいよ。ただし、言ったことはちゃんと守れよ!」
「はい。畏まりました。あ、血を頂けませんか?」
「え、やだ。別に血を吸わなくても生きていけるでしょ」
何で毎回毎回断られるのを分かってるのに、血を飲みたいって言うのか分からない。
フィノと1階に行くとそこには千景とくるみちゃんと健太がいた。健太もう退院してたんだ……もうちょい入院するものかと思ってた。
「チビロ!お前起きるの遅すぎ!!」
「おい馬鹿、僕は千尋だ。何回言ったら覚えるんだ?というか、まずお礼が先だろ!」
「お、そうだった!!千尋俺と妹を助けてくれてありがとう。俺の親もさ千尋にすげー感謝してた!んで、これ千尋に渡してくれってさ」
健太から渡されたのは高級のマスカットだった。僕の好物はマスカットなのだ!!めちゃくちゃ美味しそう!
「え、ありがとう!あれ?僕お前にマスカット好きって言ったっけ?」
「いや?千景に聞いた。というか!!お前めちゃくちゃ強いんだな!!俺、てっきりお前めちゃくちゃ弱いのかと……。でも、ハンターなのが分かって時々お前から変な感じがしたのが納得だわ」
「はいはい。僕がチビだから弱いって固定概念が覆せて良かったよ。あと、僕がハンターであることは誰にも言うなよ?僕は静かに過ごしたいんだから」
チビだと弱いって思う奴多すぎで嫌すぎるんだけど!チビでもめちゃくちゃ強い人はいるから!
「チビロの順位ってどれくらいなんだ?あと、お前の後ろの人だれ??」
「さあ?教えるかよ。あとこいつは僕の下僕」
「千尋君!!お兄ちゃんとばっか話してないで「はぁ?!げ、下僕?!どういうこと?!」ちょっと!!お兄ちゃん!!今くるみが千尋君とお話してるの!邪魔しないで!」
相変わらず速水兄妹は騒がしいなー……でも、いつもの日常が戻ったみたいだ。このヴァンパイアさえいなければね!!!
「あの、兄さんこの人は?下僕っていうの聞こえたんだけど」
「あー……んー」
さて、3人にはどうやって説明しようかな。フィノをなんて説明するか考えていなかったな……ま、そのまんま話すかー。
「こいつはフィーノアルド・スコッティア、男、ヴァンパイアだ。押しかけ下僕。危険はないから安心していいよ」
「え?え?ヴァンパイア?押しかけ下僕?どういうことだよ?!」
まあ、こんなこと話しても普通の人は戸惑うよね〜。僕だって勝手に下僕になられた時は戸惑ったしね。
「こいつが勝手に下僕になったの。僕は断ったのに。まあ、こいつは皆が言うところのモンスターだけど大丈夫。僕がこいつに人間には手を出すなって命令してあるから」
「はあ?!?!」
「ご主人様この者達は?」
「友達と弟」と簡潔にフィノに説明すると、フィノはボソッと「不味そうですねえ」と言うのが聞こえた。
「フィノ、聞こえてるからな?分かっているよな?」
「分かっておりますとも」
こんな奴が傍にいたら僕はのんびり過ごせない気がしてきたよ……。
「とりあえず!フィノのことは他言無用でお願い。こいつの見た目は何とかするから!まあ、3人はフィノには近づかなように!分かったね?」
フィノに3人に近づかないよう言って置いたけど、3人が近づくかもしれないから注意しとかなきゃ。
「チビロ、やっぱお前普通じゃねーよ」
「あそ。僕お腹空いたからご飯食べる」と言ってキッチンに何か無いか確認しに行った。
菓子パンが3個置いてあったので、1つ取ってリビングに戻った。
「明日から学校来んのか?」
「行くよ。流石にもう休む気はないからね」
ソファに座りメロンパンをもぐもぐ食べながら思ったのは、やっぱ菓子パンって美味しいということだ。千景とだけで生活してる時は、こういうのは食べれなかったから今が幸せだ。
速水兄妹は夕方になったので、帰ることになった。亀裂に巻き込まれてからは門限が17時になったらしい。健太は抗議したらしいが、健太の母親が門限17時以外許さないと言ったらしい。
「んじゃ、また明日。あ、そうだ。これやるよ」
健太に僕お手製の結界石を渡した。所有者の身に危険が迫ると正方形の結界が張られる効果ある。ただし1日しか持たないし、1回しか使えないやつだけどね。そして、結界が発動すると僕に報せる機能付き!
「何これ?ただの石?」
「ただの石じゃないから。結界石で1回しか使えないから。1日しか持たないこと覚えてけよ?あと、それが使われたら僕に報せる機能付きだから悪用すんなよ?」
健太は「ははっ、サンキュ」と言って、くるみちゃんと手を繋いで家に帰って行った。
「あの、兄さんお願いがあるんだ」
「ん?何?」
「……モンスターと戦える魔道具が欲しい」
千景はモンスターと戦いのかな?でも、どうして?んー、弟なのに分からない!これは成長していっているからなのかな?
「どうして?」
「僕……ダンジョンで足でまといにしかならなかった。僕は兄さんの役に立ちたい。それで褒められたい」
「まだ千景は幼いからさそんなこと考えなくていいんだよ。足でまといなんかでもないしね。今、千景が考えることは学校を楽しむことだけだよ。僕に教えてよ、友達が増えたや勉強頑張ったとか聞きたいんだ」
まだまだ幼いと思っていたけど、千景も成長しているんだ。成長しているの嬉しいけど、何か少し寂しいなー……やっぱ僕ブラコンなのか。
「で、でも!!」
「千景、約束する。千景が中学生になったら自衛の仕方を教える。それまでは小学校を楽しんで。生きていたら父さんも母さんも学校を楽しんで欲しいって言うはずだよ」
父さんも母さんも千景には幼稚園にも行かせられなくて、小学校には必ず通わせてあげたいって言っていたから小学校ではめいいっぱい楽しんでほしい。
「……約束だよ?」
「うん。約束!」と千景と指切りげんまんをして約束をした。やっぱり僕の弟は世界一可愛いと思う!!
「ご主人様は弟さんと仲がいいのですね〜」
「そうだけど。フィノにも兄弟いるの?」
「愚妹がいますよ。仲は良くありませんが」
あ、何となくフィノとその妹が仲が悪いのが分かる。だって、妹の話した途端表情が苦虫を噛み潰したような表情しているんだもんなー。
「えっと、何で仲悪いの?」と千景が僕に隠れながらフィノに聞いた。
「ああ、それは何でかと言うと愚妹が私に見合い話をしつこく持って来るからです。勝手に見合い話を進めたりするので嫌いなのですよ」
フィノも大変そうだなー、下の子って無条件に好きになるかと思っていたけどそうでも無いんだ。
「今、妹とに見合い話を持ってこられても運命の相手が見つかったと断れるので良かったです。ああ!ご主人様に出会えて良かったです!!」
「千景ー、そいつは無視していいからね〜」とリモコンでテレビをつけ何かやっていないか確認しながら言った。
外が真っ暗になり夜ご飯はどうするか話をした結果、外食をすることになった。たまに外食にするのっていいよね!僕は帰ってきたばかりだけど外食っていうのもあり!
フィノには留守番を頼み千景と2人で回転寿司に行くことにした。回転寿司にした理由は行ったことなく、千景が小学校でワクワクするから行ってみなよと言われたからだ。




