ダンジョン制作に取り掛かる前に国の偉い人に呼ばれました
千景が起きてきて遅めのお昼を一緒に食べている時に、もう1つのスマホから電話が掛かってきた。
このもう1つのスマホは国の偉い人用……なんか、僕の連絡先を知っときたいという理由で渡された。僕は嫌だ!いらない!って断ったのに無理やり渡された。
だってさ、ポストに入れられてるんだよ?何回も送り返したのに、送り返されたから諦めた。
「……もしもし」
「もしもし、私東京都知事の宮元と申します。相川千尋さんのお電話番号でお間違いないでしょうか?」と、何故か東京都知事から電話が掛かってきた。あれ?東京都知事って確か山本さんっていうおじさんじゃなかったっけ?でも、電話先の人は宮元って名乗ってるし女性だよね??
「……本当に東京都知事なんですか??確か山本さんっていう人じゃありませんでしたか?」
「前任の山本は体調不良により病院に長期入院することになり、後任として私宮元が引き継ぐ事となりました」
あー、山本さんガリガリだし病気になりそうだなって思っていたけど病気になっちゃったんだー。お大事に〜。
「で?宮元さん僕に何の用事で電話してきたんですか?」
「来年の4月に沖縄奪還作戦を行いたいと思っておりまして、その作戦に参加して下さいませんか?」
来年の4月?!今が10月だから、半年後かー……。というか!来年の4月って僕の高校入学の時じゃん!!僕が通ってる中学は中高一貫だから、準備はそんな忙しくないけども……。僕を柱として作戦考えたいならもっと僕のことを考えて欲しいんだけども、国の偉い人はそんなことも分からないのかな?
「え、嫌なんですけど」
「えっと、それは何故?」
「僕学生なんですけど?4月は入学式があるんですよ?参加させない気ですか?」
僕がNo.0だからって良いように使おうとしてこないで欲しい。そりゃ、僕だって早く沖縄がモンスターたちの手から取り戻せたら嬉しいよ?でもさー、時期を考えてよ!
「すみません。でも、4月が沖縄奪還作戦の最短日なんです……参加願えないでしょうか?」
「まず、僕にお願いするなら礼儀って物があると思うんですよ。電話でこんな大事なことお願いするって、可笑しくありませんか?僕が子どもだから舐めてます?ああ、僕が大人しくて従順だとでも思いました?言っておきますけど、僕が本気で隠れたら貴方達探し出せないと思いますよ」と捲し立てた。僕が子どもで言えば何でも言う事聞くとでも思ってるんだろうなー。
「ま、誠に申し訳ありません!確かにお電話では失礼でしたね……今すぐそちらに迎えを寄越します」と言われ、電話は切れてしまった。え?そっちが来るんじゃなくて僕に向かえと??え?舐めすぎじゃない??
「千景。ごめん。僕この後用事で家出なくちゃ行けないんだけど、1人でお留守番できる?」
「……僕も着いていっちゃダメ?」
そりゃ、あんなことがあったばかりだから1人になるのは怖いよね。幾ら千景がしっかりしているといってもまだ9歳だもんね。でも、大人達の腹の探り合いを見して千景の情操教育の悪影響にでもなったら嫌だからなー……。
「ごめん。連れていくのは出来ないんだ。なるべく早く帰るから待っていて」
千景が渋々うなづいて直ぐにピンポーンとインターホンが鳴った。え?来るの早すぎじゃない?今さっき電話切ったばかりだよね?
インターホンを出るとそこに居たのはなんと来栖さんだった。
「え?来栖さん??」
「あ、千尋君?鍵開けてもらってもいい?」
玄関の鍵を開け来栖さんを家に招き入れた。
「来栖さんどうしたんですか?」
「蓮から千尋君と千景君が亀裂に巻き込まれたって聞いて、心配で見に来たんだ。幾ら千尋君が強いからと言っても、まだ君は子どもだからね。無事っていうのは分かっていたけど、直接見ないと心配でさ」と来栖さんは、僕と千景の頭を撫でた。
ほんと来栖さんって良い人だなー。
「ありがとうございます。でも、巻き込まれたのは千景とその周りにいた人達だけなんです。僕は助けに行っただけなので」
「……蓮……言葉足らず過ぎるよ……。千景君大丈夫?」
「うん……大丈夫だよ」と千景は元気なさげに返事をした。まあ、この後この家で1人で留守番だもんね。
「あれ?千景君元気無いけどどうしたの?」
「あー、この後千景1人で留守番なんです」
「千尋君どっか行くの?」
僕はさっきまでの電話の話を来栖さんに言うと、なんと来栖さんが千景と一緒に留守番をしていてくれることになった。
「あの、本当にいいんですか?」
「全然いいよ!それに僕は千尋君と千景君の後見人だよ!保護者みたいなもんだしね。それに、千尋君も千景君を1人で残すのは心配だったでしょ?」
「あ、はい。ありがとうございます」
やっぱり来栖さんって良い人だなー。すごく頼りになるし優しいから、この人がいると安心する。あ、もちろん間宮さんもね!!
「来栖さんってお昼食べました?」
「実は食べ損ねちゃってさ、何か貰ってもいい?」
僕はカレーライスを大盛りにして来栖さんに渡した。ハンターは大食いの人が多いみたい。
「千尋君って本当に料理上手だよね。僕も料理はそこそこできるけど、ここまで美味しく出来る訳じゃないからさ。いつも食べられる千景君が羨ましい」
「うん!!兄さんの料理は世界一美味しいんだ!学校の給食より美味しい!!」
お、よかった!千景がニコニコし始めた。来栖さんのおかげで千景の期限も良くなって来たみたいだから良かった。
来栖さんもカレーライスを食べ終えて、僕がそのお皿を洗っているとまたもピンポーンとインターホンが鳴った。
僕は手が水で濡れているので来栖さんに出てもらうと、来たのは宮元さんの遣いの人だそうだ。
僕は軽く身支度をして、来栖さんに千景の事を頼み家から出た。
家の前には黒塗りの車が止まっており、その車に乗って宮元さんの所に行くみたい。
車に乗り込むと運転手以外はいなくてホッとした。
運転手の方は僕に必要最低限しか話しかけてこなかったので安心した。
40分ほど車に乗っていると東京都知事の宮元さんがいるであろう建物に着いた。
運転手の方には出る前にフードを被るのを忘れずにと言われた。
「相川様、あちらの入口に立っている者が案内致しますので」
「あ、はい。運転ありがとうございました」と言って僕は車から降りた。
僕が車から降りると建物の入口にいた男の人が駆け寄ってきた。
その人の案内で建物に入りエレベーターで25階まで上がった。案内の人について行き宮元さんがいるであろう部屋に案内された。
部屋に入るとそこには宮元さんと数人の人がいた。




