馬鹿は馬鹿
家に帰ってる最中に来栖さんと出会った、どうやら僕の家に向かってる最中だったみたい。
「学校どう?」
「良いクラスメイト達ですかね。あ、1人だけ喧嘩売ってきた馬鹿がいたので買いました」と何事もなく答えたら来栖さんはなんでかびっくりしている。
「喧嘩売られて買ったの?!」
「え?あ、はい。来栖さんが僕にどんなイメージ持ってるのかは分からないですけど、僕だってまだ15歳ですよ?喧嘩くらい買いますよ」
なんかこの人僕のこと聖人君子が何かかと思ってない??境遇は普通とは言えないけど僕だって普通の15歳なんだけど。
「僕のことはいいんです。問題は千景が大丈夫かです。あの子は同い年の子と会話をしたことがないんです。大人は間宮さんや来栖さんで多少は慣れてはきたのですが、同い年は……何も問題が無いといいけど」
「多分大丈夫だよ」
僕の弟だからか僕と性格似てるから喧嘩買ってそうだなー……。まあ、男の子だしやんちゃでもいっか!
家についてドアを開けると玄関には千景の靴があったが、千景以外の靴もあった。間宮さんのではなく、大きさ的に小さい子どもの靴だ。
「あれ?千景君の靴こんなにあったっけ?」
「いえ。ないです。千景に友だちができて早速連れてきたのかもです」
もしかして、千景ってコミュニケーション能力めちゃくちゃ高い?!さすが僕の弟!!
リビングに行くと千景に話しかけている男の子2人と女の子1人、それを無視して本を読んでいる千景がいた。
「千景?その子達は?」
千景はパッと笑顔になり「兄さん!おかえりなさい!」と返事をしてきたが、未だに周りの子達をフルシカトしている。
「え、うん。ただいま。で、その子達は?」
「無理やり着いてきた。君たちいい加減帰ってよ」
「えー!やだ!!」や「家の探検したい!!」や「もうちょっといたいー」と千景の友だち?はブーブー言っている。
「この人達は友達でもなんでもないから」
「千景君酷いよー!………千景君のお兄ちゃん?!え!イケメン!!」
「俺たち友だちだろー!」
これはまた千景とはタイプの違う子達だなー……うん。そして、なんでこの女の子は僕に抱きついてくるの?!
「えっと、君離れてくれるかな?」
いや、まじ離れてくれない?!僕ロリコンじゃないから!来栖さんも笑ってないで助けてよーー!!
「千景君のお兄ちゃん!私速水くるみです!私と結婚して!!」
え?今の小学3年生の女の子ってこんな感じなの??!というか、求婚されても困るんだよね。さて、千景の友だちだから無下にも出来ないし……。
「ねぇ、兄さんに引っ付くのやめて。兄さんが困ってる!あと、兄さんは君みたいな子どもと結婚するはずないでしょ!」
「えー??私クラスで1番かわいいんだもん!私とお兄さんはぴったりだよ!!」
僕をそっちのけで千景と速水くるみちゃんは喧嘩をし始めた。
「千尋君モテモテだね」とくすくす笑いながら来栖さんは僕に言ってきたが、笑ってないで助けて欲しいんだけど?!
「とりあえず、2人とも落ち着こうか。くるみちゃんだっけ?僕は君と結婚はできないよ」
「えー!!!!お兄さんはくるみと結婚するの!!!」
どうしたもんか……千景もイライラし始めてるし。まじどうしよー!
「くるみー、もう俺たちは帰るけどどうするー?」と男の子2人は帰るようだ。くるみちゃんも帰ってくれ!頼む!
「2人は帰ってて!くるみはもうちょいいる!」と、帰ってはくれないようだ。
男の子2人は家に帰った。
けど!!!!くるみちゃんは帰っていない。いつ帰るのさー……。
「くるみちゃん、もう18時だしさ家族の人が心配してるんじゃないのかな?」
「大丈夫!ここにいるって連絡してあるから大丈夫!」
どうしたもんかと考えているとピンポーンとインターホンがなった。
僕はこの状況で出れないので来栖さんに出てもらった。どうやらくるみちゃんのお兄さんが迎えに来たみたい。
来栖さんがくるみちゃんのお兄さんを連れて入ってきた。
「げ!!ここ、チビロの家かよ」
こいつまた僕のことチビロって言いやがった。こいつが来たってことはくるみちゃんの兄……しつこさが似てるな。
「お前学習しないの?やっぱり馬鹿は馬鹿なんだな」
「お兄ちゃん!!千景君のお兄ちゃんと仲良いの?!なら、くるみの良さと魅力を教えてあげて!!」
「は?!お前何言ってんの?馬鹿なこと言ってないで家帰るぞ!母さんも家で夜ご飯作って待ってんだから」
おや??馬鹿も意外と常識は持っているのか。しかもちゃんとお兄ちゃんをしてる……ふむ、学校とは違うな。
「やーだー!!!くるみ今日ここ泊まるの!!!やだやだ!!!!」とくるみちゃんは僕から離れてくれない。まじ、いい加減離れて。くるみちゃんと千景が同い年には見えない……あれ?千景が大人っぽいだけ??
「チビロに迷惑だろ!!わがまま言ってないで帰るぞ!」
「やーだー!!!!」
「速水さん、帰って。兄さんが迷惑がってんでしょ。兄さんが好きなタイプは聞き分けがいい人だよ」と千景が言うとくるみちゃんはぱたっと「帰る」と言って落ち着いてくれた。でも、別に僕聞き分けがいい人がタイプな訳では無いから千景が適当に言ってくれて助かった。
「おい、馬鹿。早くくるみちゃん連れて帰ってよ。ご飯作らなきゃいけないんだから」
「そんなの親に頼めばいいだろ」
「両親もう死んでるから無理。さ、帰って!」と言うと馬鹿はえ?!っと驚いている。別に今の時代親が死んじゃってるのなんてざらにいるでしょ。
「え、ごめ「気にしなくていいから。気にするとしたらチビロって言うな」……」
やっと馬鹿とその妹のくるみちゃんが帰ってくれた。
「千尋くんも普通の15歳なんだね。あの子とあんな感じに話してるの見て安心したよ」
「あ、それは僕も思った!」
「え??」
2人ともなんでそんな感じに言うんだろ??
「兄さんは僕のせいで色々我慢してると思ってたんだ。僕なんもできない……モンスターも倒せないし料理もできない足でまといしかならないから」
「千景、それは違うよ。僕は千景がいなければ何度死のうと思ったことか。村にいた時もそうだし、父さんと母さんが死んだ時……僕も死のうと思ったけど千景がいたから踏みとどまれたんだよ」
僕は最初から強かった訳では無い……内面的にも力的にも強くなれたのは千景がいたから。
僕を庇って父さんと母さんが死んだ時千景が「兄さんもいなくならなくて良かった。僕から離れていかないで」と、言ってくれたから僕は今この世にいる。
守るべき大事な家族がいるから僕はこれからも強くなれる。千景を守るって父さんと母さんに約束したしね。
「よし!ご飯にしよう!!来栖さんも食べて行きますか?」
「いいの?」
「はい!多い方が楽しいですし、千景も来栖さんに懐いているみたいなので、是非!」
これからも千景の為に動こう……僕の世界一可愛い弟の為なら何でもできる!
ミートパスタを作って3人で和気あいあいと喋りながらご飯を食べた。
ご飯を食べている最中に喧嘩売ってきた馬鹿を成敗してチビらせたことを話すと来栖さんと千景までも驚いていた。
え??千景も僕をなんだと思ってたの??兄としてお手本になるようしてたけど、僕だってやる時はやるよ?
チビらせたことを言ったのは失敗だったかも……馬鹿に可哀想なことしたかも。ま、いっか!




