200の字連載小説「好きになってもいいですか？～青春篇～」

よく頑張ったよ

　部屋を片付けていると本棚に収められたアルバムが目に入った。

「ちょっと休憩しようかな」

　アルバムを手に取りめくっていく。

　１年の時の体育祭の写真。最後のリレーで１年２組は優勝したのだけれど、２年生がバトンミスで最下位となり総合優勝はあっけなく夢と消えた。

「よく頑張ったよ」

　そう自分に言い聞かせる。文化祭では彼の一言でバンドをやる羽目になった。

「これもまあ、よくやったよ」

　この春、父が転勤することになった…。