5 ダンジョン攻略(上)部分 2004字
◆ガスコンロ神父
「お見事です。そうそう、3人以上のパーティ相手にとどめを刺すと特別なアイテムが貰えますよ」
なんと、神父はそれを知ってMIYAVIにとどめを譲ったわけですね。
早速アイテムを確認してみましょう。
◆白犬狼豺
「あ、ありがとうござます……」
ドロップしたアイテムを拾いに行った神父を見送りながら、雅がそのアイテムを確認する。
アクセサリ:嵐の鷹の勲章
剣などの斬撃系近接武器に装着することで斬撃を飛ばせるようになる
◆ガスコンロ神父
神父が戻ってきました。
「おやおや、斬撃拡張のアクセサリですか。短剣のリーチの短さを補うにはちょうどいいですね」
MIYAVIはちょうどいい物を手に入れたようです。
痒いところに手が届くアイテムですね。
アイテムも一通り回収しましたので、2人はダンジョンにむかうことにしました。
◆白犬狼豺
「ここがダンジョンですか」
視界が狭まり、見える距離が短くなる。
突然傍から物音が鳴り、モンスターが現れた。
身長60cmほど、三角帽子を被った緑色の肌の小人が現れた。
コボルトだ。
◆ガスコンロ神父
「私は後方支援、あなたは前衛を頼みます。あなたに必要なのは実戦ですからね」
そういうと神父は神の加護を発動しました。
パーティーメンバーの体力を一定時間回復し続けるスキルですね。
さあ、これでMIYAVIは心置き無く戦えます。
◆白犬狼豺
「はいっ!」
しっかりと目の前の小人を見据えます。リアルだけど、これはゲームです。
「はっ!」
雅はナイフを刺そうと両手で持ちますが、少しナイフが重くなります。
片手で持つと軽くなりました。そちらの方が扱いやすくなるみたいです。
敵が先ほどのように無様に隙を晒している訳ではないので、雅は少し緊張しているようです。
◆ガスコンロ神父
「コボルトは聴覚探知型のエネミーです。スキがなさそうに見えますが、中遠距離攻撃は面白いように当たりますよ」
神父がアドバイスをくれました。
先程のアクセサリを装備して中距離からコボルトを活け造りにしてやりましょう。
◆白犬狼豺
なるほど、おあつらえむきです。
雅がアクセサリ:嵐の鷹の勲章をナイフに装着して振るうと、ナイフの軌跡が飛び、離れた場所にいるコボルトにダメージが入ります。
すかさず連続でナイフを振り、ダメージを重ねると、コボルトを倒せました。
◆ガスコンロ神父
「上達が早いですね。普段から運動している方の動きにみえます」
神父には何もかも見透かされているような気がするMIYAVIちゃん。
おっと、天井から人喰いスライムがMIYAVIちゃんめがけて落下してきました。
◆白犬狼豺
「ふげっ!」
情けない叫び声を上げながら背中に手を回しました。
少し力を入れると剥がれるようですが、すぐに引っ付いてきます。
「ちょと、これどうしたら」
◆ガスコンロ神父
「スライムに物理攻撃は通りづらいので、魔法か火で焼くと良いです。でも、マズイですね……」
どうやら神父のスキル〖神の加護〗は、効果終了から一定時間回復が出来なくなるようです。
さあ、雅ちゃんはどうするのでしょう。
◆白犬狼豺
「火ですか? 持ってな、い、で、すってちょっと! 痛い痛い!」
雅さんは炎系の技を持っているかどうかあまり把握していないようです。
「ダメ元だけど!」
ダークボールを放ちます。
ダークボール:MP×1の火力の魔法を放つ。
◆ガスコンロ神父
なんということでしょう。
先程までバックパック程度の大きさだったスライムが、5倍に膨れ上がりました。
「よく見たらダークスライムですね。スライム系モンスターは同属性の魔法を吸収すると巨大化します」
神父さんはうっかりさんですね。
それとも、これがライオンの子育てと言うやつでしょうか。
◆白犬狼豺
「ああああああああやだ!」
加護が切れてダメージを喰らい始め、視界が赤くなります。
とりあえず属性を変えます。
「サンドボール!」
◆ガスコンロ神父
シュウウウウ。
スライムは音をたてて縮みました。
背中から剥がれ、地面をのたうち回っています。
「まさか今の窮地を脱するとは。始めたばかりの私なら街に送り返されていたところですよ」
神父さんがスライムにやられる姿が想像できません。
おや?砂で縮んだスライムが結晶化してアイテムになりました。
◆白犬狼豺
「何ですか? これ」
スライムが特有で落とすアイテムのようです。
ダークスライムのクリスタル:同じ闇属性の魔法を吸収し、限界まで吸収すると破裂する。
「へー、いつ使うんだろう……」
初めて見たアイテムを不思議に思いますが、先を急ぐことにしました。