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極烈VRMMO semi-edited版  作者: 黒犬狼藉/白犬狼豺/ガスコンロ神父/蜘蛛茶
6/15

3魔法習得と初戦闘部分 5750字

◆ガスコンロ神父

「どうですか。なかなか良い街でしょう」


この神父は何故か誇らしげにしている。


「この街の治安を守るのも大変だったのですよ。まあ、その話はまたの機会に」


さあ、こちらですと神父に案内されたのは魔法教会。


ここでは魔法の習得と鍛錬が行えるようだ。_


◆白犬狼豺

あの受付の方に聞けば私の闇魔法がどんなものなのかわかるかも。

あれ、神父様はまた外なのか。まあいいか。あまり建物の中には居たくないのかな。


「すみません、町の教会で魔法適正の診断を受けたのですが、私の魔法についてはこちらで聞くようにと」_


◆ガスコンロ神父

「はい!ここが魔法教会になります!ご要件は魔法の習得、魔法の鍛錬とありますがどちらでしょうか?」_


『日本語おかしいのはスルーしてくれ』


◆白犬狼豺

あ、そうか、適性があるってだけでまだ使えるわけじゃないのか。

変な日本語だなあ、殺していいかなあ。


「そうですね、魔法はまだ使えないので習得をお願いします」_


◆ガスコンロ神父

「魔法の習得ですね!あなたは闇属性に適性があるようなので闇属性の習得にはボーナスポイントがつきます」


どうやら魔法適性はあるものの他の魔法も覚えられなくはないそうだ。_


◆白犬狼豺

ついでだから、あの案内役の話を聞いていなかったわけではないが、一応聞いておきたいことがあった。


「魔法の属性って何ですか?」_


◆ガスコンロ神父

「魔法の属性とは」

:木火土金水の画像

「これです」


◆白犬狼豺

「闇は……?」


◆ガスコンロ神父

「この他には闇と聖がついをなす属性となります」


なるほど。属性によって能力の方向性が違ったり相性があるのか。


◆白犬狼豺

「わかりました。今って、私は魔法を使える状態なんですか?」

そう思って自分の手のひらを眺める。

別段何か出来そうな気配は無い。_


◆ガスコンロ神父

「習得後直ぐに使用可能ですが、他のプレイヤーに対しての攻撃系魔法は調和結界内で使用は出来ません」


プレイヤーには攻撃不可、か。

それならNPC相手にはどうなんだろう。_


◆黒犬狼藉

『とりあえず、講師のところに連れて行け

初心者用の魔法を教えちゃる』


◆ガスコンロ神父


「習得を請け負う講師はこちらです」


そう言われて奥の部屋へ通された。

なるほど。習得の様子は他のプレイヤーから分からないようになっているのか。


「貴方の習得できる魔法は以下の通りです」


魔導書ズラァー_


◆黒犬狼藉

『(連れて行く前に)五個ほど書かれたメモを見せろ』


◆ガスコンロ神父

「こちらが魔法の使い方のメモです。間違っていたらすみません」


そういうと講師NPCはボロきれのようなメモをよこしてきた。_


◆白犬狼豺

「ガスコンロさん、お待たせしましたー……」


またいない……しかし、この神父様はよく案内を頼まれるんだな。

やっぱりNPCってやつなのかな。_


◆ガスコンロ神父

「やあ、駆け出しの子羊さん」


背後からのっそりと神父が現れた。


「魔法の習得はできたようですね」


私はこくりと頷く。


「そうそう、こちらは私からの餞別です。あなたと出逢えたことも神の思し召しに違いありませんからね」


そういうと神父は懐から短剣を取り出した。

どうやらこれを買いに行っていたらしい。_


◆白犬狼豺

なんか何でもやってくれるな……案内役のNPCなのに。

既に持っているナイフは悟らせないように愛想良くもらうことにした。


「ありがとうございます。魔法の習得は一応できたんですけど、使えるようになるには講師のところへ行かないと行けないようなんです。受付の人には神父様に教えてもらってくれと言われまして、ご迷惑でなければお願いできますか?」_


◆ガスコンロ神父 「魔法を使いたいということですね。ここで使えないということは攻撃的な魔法を習得されたようで」


なんだかこの神父には全て見透かされているような気持ち悪さがあるな。


そうして、私は神父に街の外へ案内された。


◆白犬狼豺

どうして町の外に……

なんだか嫌な予感がするけど。


「あの、ガスコンロさん。ここって町の外じゃ……この先に講師の方がいるんですか?」


聞こえていないのか、返事が無い。少し不気味な感じがする。

『あ』

『外じゃねえと使えねえって言われたから来てんじゃん』

◆ガスコンロ神父

『せやで』


◆白犬狼豺

町の外は草原で、見晴らしのいいところだった。

時々そよ風に混じって光の粒が私の背後から神父様の方へ舞っていく。


緊張する。


「お願いします」


顔ひきつってないかな。


◆ガスコンロ神父

「さあ、到着しました」


神父に連れてこられたのは草原を縦断する川辺だった。


「あそこにうさぎ型モンスターがいますよね。チロチロと水を飲んでいます」


確かに、少し離れたところに親子と見られる兎のようなモンスターの群れがいた。


「あそこに向かって魔法を打ち込んでみなさい」_


◆白犬狼豺

かわいい、欲しいあれ……

いけない、集中しないと。


「やぁ!」


手のひら向けながらとりあえず叫んでみた。

美しい光の粒がそよ風と共に私の頬を撫でる。ああ世界はなんて美しいんだろう。私の小さな悩みなんてちっぽけな


うるさいな、わかってるよ。魔法出ませんでしたよ。えーえー、出ませんでしたとも。

文句あるか!


◆ガスコンロ神父

『なんで出ねぇんだよ!笑』

◆白犬狼豺

『出し方教えろ』

◆ガスコンロ神父

『「唱えよ」』


◆白犬狼豺

私の周囲に黒いたまご状の膜が現れて広がっていった。

それが兎のようなモンスターにかかった瞬間、兎のモンスターは苦しみ始め、無惨にも息絶えた。


「すごい!これが魔法ですか?!」_


◆ガスコンロ神父

「貴公、なかなか良い腕前ですな。狩りに優れ、残酷で、血に飢えている」


では、私が手本を見せましょうと、神父は袖を捲りあげた。


「あのモンスターは攻撃を察知すると右後ろに飛ぶ習性があります」


そういうと、神父は別の兎のむれの右後ろに照準を合わせるように掌を突き出した。


「アルティメイタムホーリーレイ」


高速の光の矢は、見事に群れで1番大きな兎の脇腹を抉った。


兎は腸を引きずりながら後方へ二、三度力なくはね、痙攣しながら絶命した。


「単発の魔法の場合、当てるコツはモンスターのクセを読むことです」_


◆白犬狼豺※白犬の読み違いにより、話が前後します


「なるほど」


とは言ったものの、あのメモ書きのやつで何を使えばいいのかわからない。


「あの、ガスコンロさん。私どれ使こたらええのでしょうか」_


◆ガスコンロ神父 「そうですね、経験の浅いうちに単発のボール系魔法を使いこなせるようになれば良いでしょう」


同じボール系の魔法でも、属性によって性質や速度も異なるようだ。


「なあに、まずは経験ですよ」_


◆白犬狼豺

とりあえず神父様が言っていたように撃ってみるか。ボールってついてるやつでいいんだろうか。


「ダークボール」


つぶやくように唱えながら、兎のすぐ右後ろを目掛けて手をかざした。

手のひらから黒い弾が発射されたが、すんでのところで兎は思ったよりも右後ろに飛んで逃げてしまった。


「ああ、惜しい」


習性がこんなにも難しいものだとは思わなかった。_


◆ガスコンロ神父

「様々なモンスターもプログラムによって動いています。パターンを覚えてしまえば難しいことはありませんよ」


では、もう少し強いモンスターにも挑んでみましょうと神父はいいながら草原のハズレにある森の中に歩みを進めた。_


◆白犬狼豺

私は兎の魔物達の死に際に、ある生命のこと切れる瞬間の美しさを見たのである。体から放出される輝く煙のようなものが風に流されていく。そうだ、あれは先程風に舞っていた光だったのだ。

その光のフラッシュバックを、仮想の網膜に焼き付けて、神父のについて行く。

森の中に入ると、鳥の魔物達が一斉に舞い上がる。


「こんな数……しかも高くて魔法が当たらない」


いくら鳥の魔物達を目掛けてダークボールを投げつけても、黒い球体は不気味な音を奏でて鳥の魔物達の間をすり抜けるか、届く前に空中で消えてしまうのである。_


◆ガスコンロ神父

「上空のモンスターに苦戦しているようですね」


そういうと神父は地面に落ちていた石をおもむろに拾いーーあ、投げた。


神父の手から放たれた礫は笛のような音をたて空気を切り裂き、そして上空のモンスターを二体砕いた。


霧散し落下する死体には、美しいエフェクトが尾を引き、流れ星のように輝き、そして消えた。


「上空や地上の離れた場所にいる素早いモンスターには、電光石火の一撃が有効です」


私がぽかんとしていると、神父は冗談ですよと微笑む。


「まずは範囲攻撃を試してください。威力は期待できませんがおおよその位置に放てば当てることは出来ます」_


◆白犬狼豺神父はそういうと私に微笑みかけた。

奇麗なエフェクトの残滓が風に舞う。

あの光はどこへ行くのだろう。そんなことを考えながら、私は神父の言うとおりにしてみることにした。


「範囲攻撃……えっとね、範囲攻撃ね」


ダークボールはさっき使ったやつだから違う、ウォーターボールとサンドボールも同じ感じかな。

あ、さっきウサギを倒したときに使ったやつ。


私は強く念じ、黒い卵状の幕を広げた。

たまたま低い場所を飛んでいた魔物が引っ掛り、ダメージを食らっていたようだが、すぐには倒れない。

しばらく空中を飛び回ってから、思い出したように倒れて落ちてくる。

あの光を伴って。


「できました!」


神父が笑いながら褒めてくれた。_


◆ガスコンロ神父 「攻撃さえ当てられるようになれば、あとは応用です。実戦あるのみ、と言うやつですよ」


物理攻撃の属性、相手の弱点、魔法の特殊効果……。


覚えることの多さや、この手探り感は、初めて社会に出た時のことを思い出す。


「あなたがよろしければダンジョンに行ってはみませんか」


ダンジョンーー。マップに点在している高密度エリアだ。

草原なんかよりもモンスターがうじゃうじゃいて、アイテムもじゃんじゃかドロップするらしい。


レベルの低いダンジョンであれば、初心者にはうってつけの場所だ。_


◆白犬狼豺

覚えることは多そうだけど、勉強よりよっぽどわくわくしてしまうのはゲームの魔法みたいなものだろうか。ダンジョンなら私の魔法も思う存分試せるだろう。ものは試しでとりあえず行ってみることに——


「——とすみません、」


「ええと、いま何時だったっけ……」とぼやきながら神父の前であたふたしてポーズ画面を開く。


そんな私を見かねた様子で神父が時間の見方を教えてくれた。_


◆ガスコンロ神父

「Hey、あどみん」


へ?


「ご要件をお伺い致します」


無機質な女性の声が頭の中に響いた。


「現在の時刻を知りたい。ああ、そちらの彼女の国の時刻だ。''あっち側''のね」


「はい。個人情報取り扱い規約に則し、雅様にのみリアルワールドの時刻を表示します」


無機質な音声が語り終えると、軽快なSEと共に目の前に18:23と表示された。


「ユーザー補助AI、アドミニストレータ。通称あどみんです」


なるほど。神父によると、いちいちメニューを開かなくても、基本的な情報は得られるようだ。


「もっとも、声に出さずとも念じるだけで良いのですがね」


ふふふ、と少女のように肩を震わせている彼は、どこか幼くも見えた。_


◆白犬狼豺

NPCなのに何でも知ってるなあ、町なかの道案内だけじゃなくて、ゲームのガイドもしてくれるのか。

あどみんの音声は機械的だけど、聞き覚えがあった。ログインして最初にキャラクターメイクをしたあの人の声だ。


「あどみん、っていうんだね」

「はい、私はユーザー補助AI、アドミニストレータ。通称あどみんです。素敵な髪色ですね。やっぱり似合っています」


驚いた。私のことを覚えていてくれたのか。もしかしてほかのプレイヤーも全員……?

ややあっけに取られて、本来の目的を思い出した。


「あっ、時間」

「現在時刻は18:24です」

「いけないっ!」


晩御飯の支度を手伝う時間だ、確認しておいてよかった。


「ガスコンロさん、ごめんなさい。私これから夕飯の支度をしてきます。8時半過ぎには戻ってきます!」


神父は軽くうなずいて、私を見送ってくれた。


夕飯を済ませ、風呂を上がり、髪を乾かし、スキンケアをして、戻って来たのは20:45だった。

戻ってきたはいいものの、神父の影が見当たらない。

それどころか、少し耳鳴りのような、どこか遠くで大きな音が鳴っているけど、遠すぎて小さく聞こえるような音が聞こえてくる気がしていた。


同じ場所なのにさっきとはまるで違って不穏だった。そして、ゲームの時間も過ぎ、これから正午に差し掛かるころだった。

そんな警戒心が少し高めの私が、背後から神父に声をかけられて激ビビりするまで3秒前。_


◆ガスコンロ神父

激ビビりした私はと言うと、反射的に神父さんに貰った短剣で神父さんの喉を掻ききった。


「ああ!神父さんごめんなさいごめんなさいごめんなさい!」


申し訳なさが込み上げると共に、このNPCが消える瞬間を見たいという気持ちも同時に湧き上がった。


しかし、仰け反った神父が倒れることは無く体制を立て直した。


彼は私の方を向くと、無表情に私を見つめたと思えば背中の武器に手をかけた。


「え、ちょっと待っーー」


私の頬すれすれを神父の巨大なメイスが掠め、後方で何かが潰れるような鈍い音がした。


「雅さん。どうやら彼らも、我々と仲良くダンジョン攻略がしたいようですね」


鈍い音がした方を振り返ると、パーティと思しき集団が私たちに剣を、弓を、魔法を向けていた。_

最初に出てくるガイドのNPCを、白犬は始めブルーとしましたが、ガスコンロ神父さんによりあどみんになり、黒犬さんに両方とも却下されました。

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