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◆黒犬狼藉
「えっ、あっ、ご,ごめんっ!!」
「お先に〜、俺を捕まえたくばここに来いよ〜。【空間移動】」
◆白犬狼豺
雅はホコリを払いながら目の前の女性プレイヤーをじぃぃぃと見つめます。
面倒そうだと思いました。
「気をつけてくださいね、それでは、私は失礼します」
◆蜘蛛茶
「あら、失礼致しました。
私、久瀬凛と申します。
突然の非礼をお詫び申し上げますね。」
◆白犬狼豺
あ意外と丁寧。いいぞ、好感が持てる子だ。
名乗られたならばこちらも名乗り返すのが筋というもの。
「あ、私アナスタシアと申します。あのクリエイターを追うなら大変だと思いますけど、頑張ってくださいね!」
偽名だけどね! さらば!
◆蜘蛛茶
「ありがとうございます、、、
少々失礼いたしますが、その、お恥ずかしながら私は参入から僅かばかりの若輩者でして、あの外道めを滅殺する妙法等が在ればご教示願えますでしょうか?」
「どうやら彼奴とは既知の関係であると見受けられましたので」
◆白犬狼豺
うん……関わりたくなーい
「いいえ、何も知りませんっ! それじゃ!」
◆蜘蛛茶
「あ、お待ちください!
どうか、ご教示を!」
行ってしまわれましたか。こうなれば致し方ありません。まずは、私のステータス、とやらを自ら考察すると致しましょう。」
◆白犬狼豺
「あ、あのー……」
シスターが凛に声をかけます。
◆蜘蛛茶
「あら、可愛らしいシスターさんですね。私、久瀬凛と申します。以後よしなに」
◆白犬狼豺
「私はアナスタシアと申します、先程の方は雅さんていいます、ええと、何かお困りですか?」
◆蜘蛛茶
「アナスタシアさんですね。大変助かります。私、とある理由で強さを求めているのですが、このゲームを始めたばかりでして、幾つかお聞きしたいことがあるのです。
(アナスタシアさん。以前どこかで拝聴したお名前ですが、どこかでお会いしたことがあるのでしょうか? ここは日本ですし、そのようなお名前を耳に入れる機会は限られると思うのですが......今気にしても栓なきことですね)
◆白犬狼豺
「なるほど……ゲームを始めたばかりとのことでしたら、ぜひ魔法適正を確認していってください」
アナスタシアはそういうと神の像のようなものの足元にある水晶を指差す。
◆蜘蛛茶
「成る程。これが測定機器のような役割を果たすのですね」
凛は少しばかり逡巡した後、水晶に手を伸ばした。
◆白犬狼豺
水晶は濁ったような色を示します。
「う……」
アナスタシアが怪訝な顔をします。
◆蜘蛛茶
「何か......問題等が発生したのでしょうか?」
その声には緊張が滲んでいる。
◆白犬狼豺
水晶は2種類の色を示している。
「紫と、赤……まさか、2つの魔法の適正を持っている?」
意外といった顔をしながら、アナスタシアは早口で話します。
「紫は隠属性、赤は火属性を示しています。あなたには2つの魔法適正があるんです! ただ……火属性の魔法についてはこちらで習得が可能ですが、隠属性については魔法協会でないと」
◆蜘蛛茶
「確かに陰は選ぶ人が少なそうですからね。魔法協会、機会が在れば寄らせていただきます。
それと、重ね重ね申し訳ないのですが、火属性の魔法の習得をこちらで、と仰られましたが、貴方の所属をお聞きしてもよろしいでしょうか?」
◆白犬狼豺
「改めまして、私は神聖教団の第十三麾下、イスカリオテの聖女にお使えしております。石英の教会を任されております。シスター及び司祭見習いのアナスタシアと申します。我々の求道の価値は神の与えたもうた五つが基礎となっています。火、水、土、風、光です。神聖教団では、この価値とは世界の礎と教え、異邦の方の適正の発露をお手伝いしております」
◆蜘蛛茶
「ご丁寧にありがとうございます。攻撃手段の獲得のために火魔法の使用法を習得したいのですが、ご教示いただけないでしょうか
◆白犬狼豺
「少々お待ちください」
アナスタシアはずっこけながら、教会の奥からあるものを取り、水晶にかざした。水晶から赤い光が吸い取られてゆく。
アナスタシアは凛に石でできたカードのようなものを取り出した。
「このタブレットをお持ちください、こちらに、あなたが使える魔法が書かれています」
◆蜘蛛茶
「これは、い、イグニション? これは使い道がかなり限定されますね」
◆白犬狼豺
「はい、バーンドとイグニションの魔法が使えますね。それで残りは魔法教会へ行かないと習得できないんです」
◆蜘蛛茶
「ご一緒させて頂いてもよろしいでしょうか?」
◆白犬狼豺
「申し訳ありません、私は教会から出るわけにはいかなくて、神父様もいらっしゃいませんし……」
その瞬間、教会の水晶の目の前に雅がテレポートしてきたように現れました。
「ぶぁ」
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