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エピローグ 二人目の仲間(乳児)

「ほ~ら、散歩の時間だ。天気が良くてよかったなぁ」

「うぅ……ば、ばぶぅ……です……」


 あれから数日、俺とニコはすっかり仲良くなっていた。

 才能の方向性の違い(笑)から争うことになった俺たちだが、異世界を救う(笑)という出歯亀女神の使命(笑)を知って心を入れ替えてくれた(笑)ようで、今日も神学校の中庭を一緒にお散歩(笑)している。

 う~ん、うららかな春の日差しが心地いいぜ。いや春か分かんねぇけど。

 ()()()()()()ニコも久しぶりに外に出られて嬉しいことだろう。

 いかに小柄な幼女といえど、さすがに乳幼児用の乳母車は小さいようでかなりきつそうで、小さな足を外に投げ出している。まあ、くそ中世の木の車輪のベビーカートなんて、いくら枕を敷き詰めても乗り心地は最悪だろう。なにやら、もじもじと苦しそうに小さな尻を揺すっている。ちゅばちゅばと口にしているおしゃぶりでみっともない音をさせながら、何か言いたげでもあった。

 どうしたんだろうなぁ、車酔いしちゃったのかなぁ。(棒読み)


「で、でる……でちゃうです……トイレぇ……!」

「ん~? 赤ちゃん語はよくわかんないでちゅね~」

「ふざけるなですっ……あ、あ、あ♥」

しゅー……っ


 くぐもったような水音が、日に照らされた中庭に流れた。可愛いあえぎ声と一緒に。

 ニコの股間をくるんでいた布おむつが膨らんでいき、表面には黄色くシミまで浮かんでいる。よっぽど我慢していたのだろう、小柄な体を身悶えさせながら野外で排尿を止めることはできないようだ。13歳にもなって自分の通う学び舎でおしっこを盛大に放出していた。おしゃぶりによだれかけ、シスターのフードではなく赤ちゃんがするようなフリフリレースの頭巾、裸に布おむつ一丁という誰が見ても変態的なプレイの格好だ。

 その恰好を、中庭の生徒たちに見られているのはどれだけ恥ずかしいか想像もつかない。


「うわぁ、またやってるわよ、あのガキ……」

「うぅ、くさい……食欲が……」

「やめてよね、神聖な教会の敷地で赤ちゃんプレイなんて」

「少しは我慢できないのかしら、おむつに漏らしてるのが丸見えよ」

「はあ、はあ、はあ(興奮で何も言えない神父)」


「うぅ、みるな、見るなです……頭の悪い……うぅ」


 なにか悪口雑言でも言おうとしたのだろうか。この場で誰よりも頭の弱い恰好をしていることに気がついたのかニコは途中で口を閉ざしてしまった。その間もしゅーしゅーとおむつは湿っていく。

 天才だの≪光雀蜂≫だの呼ばれて調子こいて生意気な口をきいていた金髪メスガキはもういない。彼女が毎晩おねしょをする赤ちゃん同然の膀胱を持っていることは、神学校の誰ひとりとして知らない者はない。それでもこうして、昼時の生徒が集まる時間におむつをさせている姿を見せるのは天より高かったプライドをぼっきりへし折るためだ。

 すでに尿道は2歳児同然に退行してしまったが、目だけは生意気ににらんでやがる。

 いいよ、いいよ。抗えば抗うほど恥ずかしい目にあうのにまだ気がつかないバカ女が。


「うぅ……なんでアタシまでこんな格好……」


 変態プレイをしているのはニコひとりだけではない。

 裸に首輪をつけて、四つん這いで歩かされている赤髪の筋肉質な女は目に涙を浮かべながら俺の横をついてきている。うちで飼っているわんちゃんのヴェルミ19歳です。犬だと高齢すぎる。

 張りのある胸を地面に垂らし、乳首は周囲の女生徒たちの蔑むような視線を感じてビンビンに屹立してやがる。好きだねぇ、こういうSMプレイも。下半身は金髪赤ちゃん魔導士とおそろいの布おむつ。まだまっさらな白さを白日の下に晒していた。


「いいからお前も早く漏らせや」

「はうっ♥ だめぇ、お、おむつに、みんなに見られてるのに出しちまうぅ……!」

じょぼぼぼぼぼ……


 野太い放尿音がおむつの中に炸裂。裸におむつ一枚の変態傭兵女が昨日から我慢していたおしっこを解き放つ。重力に引かれて下に垂れていく布は芸術的であった。やーねー、しつけのなってない犬で。

 さざ波が引くように、ドン引きして冷たい軽蔑の視線を投げかけドン引きするシスター見習いたち。真っ赤に紅潮した頬や肌は露出行為に興奮しているようにしか見えないのだから当然と言える。ヴェルミはA級傭兵として、女としてあり得ない姿を同性に見られて涙を浮かべていた。うれし泣きかな?


「ほーら、おむつ替えてやるよ、だらしないバカ女ども」

「うぅ……やだですぅ……こ、こんな人前で脱がすです……っ、ああっ!」


 べちょり、と生ぬるい湿気をたたえた布おむつが地面に落ちる。

 股間にあてられていた柔らかな布地の部分は、もはや無残な黄金の洪水の跡でぐちょぐちょに濡れそぼっていた。よくもまぁ外に漏れだしてこなかったものだと感心するレベルだ。ニコの陰毛ひとつない股間は太陽に照らされ、おしっこでてっかてかに輝いていた。

 ヴェルミの方も尻の穴のしわまで小便で湿っている様子を生徒たちに見せつけるように尻を突き出している。鍛えられた大殿筋は緊張で尻えくぼを浮かべていた。もちろん小水できらきら陽光を反射しているのだからこの上なく間抜けだ。

 てかヴェルミは今脱がす必要なかったな。お前はそのまま、ニコのおむつ替えるまで待機。


「は~育児って大変だわ。急にこんな大きな赤んぼできたらなぁ、育児手当くれよ誰か」

『誰に言ってるんですか……』

「うぅ、やだぁ、見るなぁ……です」


 どれだけ恥ずかしくても、小さな乳首も未成熟なアソコも隠せず天才魔導士は乳母車の中で裸身を晒すしかない。

 なぜなら筋弛緩剤を打っているから手足にろくに力が入らないのだ。非人道的だな、今更だけど。指から発射される≪灼光≫だけが怖いから仕方ないね。ちなみにお手手はミトン製の赤ちゃん手袋に包んで後ろ手に結束バンドで縛ってある。我ながら引くほど猟奇的でもあった。今更だけど。


『あっ、まだおしっこが出ますよ』

「うおっ。……お前、見通すのがそんな未来しかないのか」

『失礼な、おしめを替えるお手伝いをしてあげたというのに』


 ぴゅっ、と俺の顔面の横を飛び出た小水の残りが通過する。こいつ発射しても外れてばっかだな。

 アナトミアの特に役に立たなかった予言を聞き流して、俺は新しい布で金髪ロリの股間を優しくぽんぽんと拭ってやる。あくまで弱弱しい赤ちゃんとして接してやるのがティーンエイジャーのプライドを折るのに重要なのだ。


「あっ♥ はうっ♥」

「変な声出すな、赤ちゃんのくせに」


 びくびくと布が股間をこするたびに痙攣したように悶え、嬌声をあげるニコ。

 不覚にも興奮したことは見通されてねーだろうな。ふと、日が陰ったのを感じて振り返ると、すぐ近くまで女生徒たち、あの同級生のクラスメイトたちが嘲笑しながら見下ろしていた。常に蔑まれていた彼女たちにとって天才の凋落はたまらない背徳感を覚える娯楽であったので毎日のように見に来る。クラスの人気者じゃん。


「まぁ、ニコさん、またお外でおむつに出しちゃったんですか?」

「やだぁ恥ずかしい≪光雀蜂≫と呼ばれて期待されていたのに……」

「こんなのとクラスメイトだったなんてバレたらどう言われるのかしら」

「ざまみろざまみろざまみろ、あたしよりみっともなく漏らせクソガキ」

「はあ、はあ、うっ(なぜか中腰で帰っていく神父)」


「ぐううぅぅ……う、ひっく、ひぐっ、うえええぇぇ……!」


 やはり普段から見下していた相手たちからの罵倒はこたえるようだ。

 金髪の赤ちゃんは顔をくしゃくしゃにして、泣きべそをかくのを我慢できない。サルのような真っ赤な顔でびゃーびゃー泣き出してしまった。言葉は同情している感じなのがエグいよ女子のいじめ……。いいぞ、もっとやれ。

 失禁を再開したのか、俺の手の布に尿圧が加わるのを感じた。


「な、なんでぇ、なんで、こんなことになったんですかぁ……」

「てめぇが俺に喧嘩売ったからだよ」

「ひ、ぃ……」

じょぼぼぼぼ……


 俺がちょっとすごむと、恐怖でひきつって体をこわばらせたニコは乳母車のシーツまで汚すほどまた大量に小便をこぼした。あーあー、もう使えないなこれ。どうでもいいけど。

 俺は赤ちゃん魔導士の両足首をつかんで、尻を拭くために下半身を持ち上げた。クラスメイトの白魔導士候補生たちに茶褐色の尻穴が丸見えとなるみっともないポーズ、キャーッ、と悲鳴が上がった。これは喜びの悲鳴ですね、間違いない。


「あーっ! やだーっ、もういやですーっ! はなせーっ!」

「……アタシはいつまでこうしてればいいんだよ」


 ったくわがままな奴隷どもだ、好き勝手に要求しやがって。

 なんだかもう飽きてきた俺は、替えのおむつを最上級生の女子に渡して「替えてみる?」と任せることにした。彼女は「いいんですか?」と喜んでおむつの交換を請け負ってくれた。かわいいなぁ、自分もトイレを盗撮されているのに無邪気に喜んじゃって。


「や、やめろ、おまえらなんかにおむつを替えられたくないですっ、はなせぇ!」

「は~ほんと育児大変。よし、次はお金を稼いでこの世界に紙おむつを作るか」

『えぇ……なんですか、その方針決定』

「うるさいなぁ、世の中の主婦を救うためだろうが」


 まぁ布おむつの洗濯は教会の人にやってもらってるんですけどね。いやそうな顔してたなぁ彼女。

 現代になるような紙おむつを撮影するためには、やはりくそ中世では自分で作らなければならない。撮影のための衣装まで作るとか、どんだけ大変なんだ俺は。でも充実している気もする。やりがいのある仕事だぜ。

 俺はクラスメイトにお尻を拭かれてギャン泣きしているニコを盗撮しながらアナトミアに答える。


「それに、好き勝手やったから才能ある白魔導士(笑)を仲間にできたんだろうが」

『それはそうですけど……』

「順調に世界を救う準備が進んでんだろうが、黙ってみてろのぞき女神」

『私だって頑張って作戦を伝えたのに……』


 まぁなんとか女神さまも納得したところで、次の方針は決まった。お金をいっぱい稼いで紙おむつや利尿剤、最終的にはカメラの量産までいけるか試したいな。知識のスキルがあるとはいえ大変だ。

 そんなことを考えていると、ぎゅるるるる、という腸の蠕動音、そして女生徒の悲鳴が聞こえた。


「う、う、でるぅ、うんちがぁ、でちゃうですぅ……!」


 どうやらおむつの中のおしっこで腹が冷えて、ニコは便意まで覚えたようだ。キャーと悲鳴をあげて逃げていく生徒をかき分け、その苦しむ顔を撮影しに行く。おまえら、うんちのときはおむつ替えるのを嫌がる使えない旦那か。いや知らんけど。


「あーあー、せっかく替えてもらったのに、もううんちがしたくなっちゃったんでちゅかあ?」

「……殺す、ぜったいに、お前は殺してやるです……!」

「やってみろよ、そのときはてめぇの脱糞赤ちゃんプレイの写真が王国にまき散らされる時だ」


 今度は脅しでもハッタリでもない。写真という物があるんだ、その手の流通にでも流せばあっという間に広がって回収などできないだろう。俺の資金稼ぎの手段として考えているのもこれだ。


「お前の人生なんて、こっちもどうでもいいからな、絶対にバラまいてやるよ」

「……あ、ああ……やだ、やだです……まま、ママあああぁぁぁ!」

ぶりゅりゅ


 あ、やったな。

 おむつが歪に膨らむのを確認して撮影パシャリ。こいつがママを呼んで泣いて脱糞したら完全に心が折れた証拠だ。これを繰り返して、完全に俺に従うおむつ奴隷にしてやるよ。事実、失便までの時間が段々と短くなっているし、薬なしでおねしょもしている。体はすでに俺に屈服しているのだ。

 ざまぁみろよ、天才気取りのメスガキが。てめぇの人生台無しにしてやったぜ。

 まぁまだまだこれからよ、うんこたれのおねしょ癖をもっともっと撮影して、もっともっと効果的に使ってやるからな。それが世界を救うのにつながるらしいからよ、女神公認おむつプレイの旅だ。


「ほーら、この情けない恰好を神学校の生徒どもに見られるだけなのは飽きたろ? 王国の町に行って、みんなに見てもらおうな」

「びえええぇぇぇ、いやでずっ、ぞれは、ぞれだけがゆるしてくだしゃいですぅ!」

「あ、あ、アタシも!? やだっ、やだやだぁ!」


 こうして、俺の仲間に新たにニコ・N・フラーウゥスという心強い白魔導士(赤ちゃん)が加わった。

 13にもなっておねしょが治らず、おむつを常に身に着けていなければならないのが欠点だけどな。

 俺の世界を救う旅はまだまだ続く。

 ニコの腹が恐怖で震え、おむつの中にまた脱糞する音をBGMにして、俺は教会を出て町へと飛び出していった。

ひとまずまた一区切りということで。

次は来月ごろに女忍者とか出せる最終章を書けたらいいですね。

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