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魔女幼女アリスちゃん  作者: ねがぽじ
1/1

ささやかの願い

☆魔女幼女アリスちゃん☆


第1話



「この子はまた魔女の本を読んでいるのね」



お婆ちゃんは、私がまた魔女の本を読んでいるのを見て仕方がなさそうに苦笑いを浮かべた。



「だってすごいんだよ!


魔女はみんなの願いを叶えてくれるんだよ!


いつか魔女に出会って願いを叶えてもらうんだ!」



あたしは、興奮した様に息を荒くして魔女の事を知らせた。



「魔女に会えるといいね」



お婆ちゃんは、私の頭を優しく撫でた。



「うん」



あたしは、ニッコリと笑い返事をした。


それは無邪気な子供の願いだった。



〜ささやかな願い〜



「どうしよう、見つからないよ……


やっぱり噂だったのかな……?」



あたしは、二時間くらい森の中をさまよっていた。



「でもどうしても会わないといけないのに……」



そう私はあきらめるわけにはいけないのよ。


それに時間が無いしね。



「カ〜〜カ〜〜」



カラスが怪我をして苦しんでいた。



「大変、羽をカラスが怪我している!?」



あたしは、鞄から小さい携帯の救急箱をだしてカラスを抱きかかえて


ペットボトルの水で傷口を洗い流すと馬の油を傷口に塗り包帯を羽に巻いた。



「ごめんね、応急処置しかできなくて……


でもほっとくわけにはいかないよね。


連れて行った方がいいよね……?」



カラスを抱き上げると周りを見渡して


ふと前方に古い家があるのに気がついた。



「あれ?


さっきまでこんな家はなかったはずなのに……」



あたしは、家に近づきドアをノックするとドアがゆっくりと開いた。



「おじゃまします……」



あたしは、家の中に入り

椅子に頭から黒のロープをかぶった黒のワンピース着た9歳くらいの小さな女の子が座っていた



「本当は会うつもりはなかったんだよ。


でもキー君を治療してくれたお礼に会ってあげることにしたんだよ」



女の子は、腰に両手を当ててあたしを見上げた。


「キー君ってこの子のことなの?


飼い主さんに会えて良かったね」



あたしは、キー君を女の子に渡した。



「でアリスにどういう要件なの?」


アリスは、じっとあたしを見つめてどんな用事なのか質問をした。


「あの、失礼ですが魔女でしょうか?」



あたしは、魔女が女の子なのが戸惑い質問をした。



「うん、アリスは、魔女だよ」



アリスは、自慢をする様に自分の胸を叩いた。



「でしたらお願いします、助けてください!



お婆ちゃんがすい臓がんで半年の命と言われたんです!


お婆ちゃんは年で手術もできなくてガンの薬も使えない状況で

もう魔法しか頼ることしかできなくて!」



あたしは、泣きそうな表情でアリスを見つめた。



「ごめんね、お姉ちゃん。


魔法は万能ではないんだよ。


魔法で怪我や病気を治したり、命を蘇らしたり、人の心を操る事はタブーとされていてね。


必ずなんだかの災いがふりかかりしかも魔法も上手くいくことはめったにないんだよ。


それに死ぬ病気の場合は寿命がかかわっているだよ。


病気が治ってても死ぬ時期はのばせないんだよ」



アリスは、すまなそうに病気を治せない事を知らせた。


「そ、そんな……


それじゃあ、ここにきたのは無駄だったの……?


せめて歩きまわせるようにしてあげたかったのに……」



あたしは、魔法でも無理だと解りつらそうに俯いた。



「歩き回る事が出来る様にだったら叶えてあげられないことはないよ」



アリスは、私の顔を覗き込む様に見上げました。



「本当ですか!?


お願いします!!


それだけでいいですから動き回れるようにしてください!」



あたしは、頭を深々と下げた。



「そのかわりにお姉ちゃんが犠牲にならないよ。


その覚悟はあるの?」



アリスは、真剣な表情であたしを見つめました。



「あります!」



あたしは、アリスちゃんを真剣な表情で見つめ返した。



「わかったよ。

お姉ちゃんがそこまでいうのであればその魔法を使ってあげるね。


でもこの魔法は肢体不自由と体力を肩代わりする魔法だよ。


だからお姉ちゃんがそのお婆ちゃんと同じ症状になるんだよ。


覚悟できているの?」



アリスちゃんは、真剣な表情であたしを見つめ返して


覚悟があるのか質問をした。



「それくらいでよろしかったら喜んで肩代わりします!」



あたしは、覚悟がある事を知らせた。



「それでは願いを叶える代償をお姉ちゃんからいただくけれどもいいよね?」



アリスは、あたしに魔法を使う代償をもらう事を知らせた。



「はい、覚悟はできています」



あたしは、真剣な表情で代償の覚悟がある事を知らせた。



「では遠慮なくもらうね」



アリスがあたしの顔を触りアリスの手が十秒くらい輝くと手を離した。



「うん、これで終わりっと!」



アリスは、満足そうにニッコリと笑った。



「あの……代償はなんでしょうか?」



あたしは、代償がなんなのか気になり質問をした。



「それは後でわかるよ。


では今からそのお婆ちゃんの所に行こうよ。


お婆ちゃんは一緒に住んでいるんだよね」



アリスは六芒星のペンダントをポケットから出して私の両手でそれを握らせるとアリスも私の両手から上から握り締めた。



「ではお姉ちゃん、目を瞑ってね。


お姉ちゃんの家の前の場所を思い浮かべて


アリスがいいって言うまで目を瞑っててね」



アリスは、あたしを安心をさせる様にニッコリと笑った。


「は、はい……」



あたしは、目を瞑ると家の前の背景を思い浮かべて


一瞬変な感じがして直ぐにおさまった。



「いいよ、もう眼を開けてね!」



アリスは、元気良く目を開ける事を提案をした。



「えっ、ここって……?


あたしの家の前ですか……?」



あたしは、呆然といつのまにかついたあたしの家を見つめた。



「ではそのお婆ちゃんの所に案内してね」



アリスは、ニコニコ笑顔であたしを見上げて


お婆ちゃんのところに案内をしてほしい事をお願いをした。



「は、はい!」



あたしは、の家のドアを開けて中に入り


お婆ちゃんの靴しかないのに気がついた。



「良かった。


家には、お婆ちゃんしかいないんだ……」



あたしとアリスは、そのままお婆ちゃんがいるはずの和室に向かいました。



「お婆ちゃん、ただいま」



あたしは、和室にいるお婆ちゃんに挨拶をした。



「おかえりなさい」



お婆ちゃんは、あたしの両手をを掴む様に握り締めてくれました。


「手が冷たい……可哀そうに寒かったでしょうね……


でそちらの方は、誰なのかい?」



お婆ちゃんは、アリスに気がついてアリスが何者なのか質問をした。



「こちらの方は、病院の先生です」



あたしは、アリスを病院の先生だと誤魔化した。



「うん、そうなんだよ。


アリスは、お医者なんだよ。


お婆ちゃんの体を動きやすくしてあげるね」



アリスは、威張る様に腰に両手を当てた。



「うん、そうだよ。


先生が今より動けるようになるから安心してね」



あたしは、お婆ちゃんの両手を握り締めて治療を受けてほしい事をお願いをした。


「もう本当にこの子は優しんだから……


不自由の体なんか気にしてないのに……」



お婆ちゃんは、仕方がなさそうに苦笑いを浮かべた。



「でもすぐすむから一度でいいから先生の治療をうけてよ。


せっかく先生もきてくれたんだから……」



あたしは、お婆ちゃんを真剣な表情で見つめて


治療を受けてほしい事をお願いをした。



「そうね……


せっかくきてくれたものね……


それならば治療を受けてみるとするよ」



お婆ちゃんは、少しだけ口元を押さえて考え込んだ。



「ありがとう、お婆ちゃん!


じゃあ、先生、お願いします」



あたしは、お婆ちゃんが治療を受けてくれるって言葉を聞いて明るく微笑みました。



「うん、アリスにど〜〜んとまかせてね!


それじゃあ、この毛布の上で横になって目を瞑ってね、お婆ちゃん!」



アリスは、魔法陣が二つ書かれた大人が二人寝れるくらい大きな毛布を床に引いた。



「これで大丈夫かい?」



お婆ちゃんは、魔方陣が描かれている毛布の上に寝ました。



「うん、それでいいよ。


お姉ちゃんもお婆ちゃんの横に寝てね」



アリスは、お婆ちゃんが寝たのを見てニッコリと笑い


あたしも横になるのを命令をした。



「は、はい……」



あたしは、緊張しながら返事をして


魔方陣が描かれている毛布の上に横になった。



「それじゃあ、始めるよ!


体が少し暖かくなると思うよ。


でも絶対に動かないでね!」



アリスは、魔法をかけるから動かない事を命令をした。



「ん……!?」



『体が熱いです……


息も少し苦しくて……


体も重くて……


それに体全体が痛くて……


これがアリスちゃんの言っていたお婆ちゃんの肩代わりするってことなんだね……


でもこれくらいお婆ちゃんのことを思えばどうってことないです……』


と思えた。


そして二十分後、体の熱さがおさまった。



「お疲れ様、目を開けていいよ」



アリスは、ニッコリと笑い目を開けて良いことを知らせた、



『終わったんだね……


お婆ちゃんの体は、どうなったのかな……?』



あたしは、お婆ちゃんが心配で動きにくい体をどうにか起き上げてお婆ちゃんの方を向いた。



「お婆ちゃん、体の調子はどうなの?」



あたしは、心配そうにお婆ちゃんを見つめた。



お婆ちゃんは立ち上がって少し歩いてみせた。



「とてもいいよ。


先生に診てもらう前から比べると全然違うよ。


これだったらどこにでも出かけられるよ」



お婆ちゃんは、嬉しそうにニッコリと笑った。



「良かったね、お婆ちゃん。


これで鹿児島にも行けるね」



あたしは、お婆ちゃんが歩ける様になったのが嬉しくてニッコリと笑った。



「これも先生とこの子のおかげね。


でもこの子は、遠いところまで先生を迎えに行ってくれて本当に優しんだから……」



お婆ちゃんは、嬉しそうにニッコリと笑って私を優しく抱きしめてくれた。



「それじゃあ、お婆ちゃん、アリスは帰るね。


体の調子が悪くなったらアリスに知らせてね」



アリスは、魔方陣の描かれた毛布を鞄にしまい立ち上がりました。



「アリスちゃん、玄関まで送ります」



あたしは、慌てて立ち上がろうとした。



「見送りは、良いよ。


それに今のお姉ちゃんに無理をさせられないしね。


それじゃあ、お姉ちゃん、それにお婆ちゃんもまたね」



アリスは、ニッコリと笑い走って部屋を出て行った。


それからしばらくして出かけていたお母さんとお父さんが帰ってきた。


お婆ちゃんが普通の人と同じように歩き回れるのになっていたのを驚いていた。


でもすぐに喜んでくれてそれからまもなくして


お婆ちゃんと親族の鹿児島での食事会が決まり直ぐに出掛けて行った。


あたしは、この体のことを知られなくて鹿児島にはついていかなかった。


帰ってきたお婆ちゃんの話を聞いていると凄く楽しかったのが解った。


街の光祭りにもお婆ちゃんとあたしと家族の全員で歩いて


体が苦しくてつらかったけれどもお婆ちゃんが幸せならばそれで構わないって思った。


この幸せが続けばいいなと考えられずにはいられなかった


それから一月の終わりころに朝起きたら私の体の少し不調がおさまっていた。


それが少し不思議に思えてどうしてもはずせない用事があったために家から出掛けた。


それからしばらくしてから家から電話があってお婆ちゃんが

亡くなったのを聞かされた。


凄く悲しくて泣きたくてしゃがみこんだ。


でも涙が流れなかった……


これがアリスちゃんの言っていた代償だと気が付いて


お婆ちゃんが亡くなった事が悲しくてでも泣けないことが凄くつらくて気がどうにかなりそうだった。


それから葬式の時ももっとつらくて

それからしばらくして叔母さんの家族と私の家族と集まって食事会を開かれました


葬式でお婆ちゃんのために泣いてあげられなかったあたしは、申し訳なくて


でも実は叔母さん達がそんな私に気遣ってくれて開いてくれたのだと知った。


しかもお婆ちゃんがお母さんにあたしが本当に優しい子だって……


自分のために魔女と取引までしてこんなにも体が動けられるようにしてくれて……


自分入れ替えに体が不自由になるのを恐れないで、凄く感謝しているって……


ありがとうって言っていたんだと知りました。


すると胸が熱くなりお婆ちゃんの言葉と親族の心使いが嬉しくて嬉し泣きをした。


そしてアリスちゃんの優しい心使いに気が付いた。


あなたは、こんなにも皆に愛されているんだよって……


そしてその涙は悲しい時でなくて嬉しい時に涙を流すんだよって言っているようだった。




〜終わり〜




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