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<完結>「【連載版】フンドシを履いた魔法使い  「フンドシは魔力を高める必須アイテムなり」  作者: 井上 正太郎
第二章 先生とアキちゃんの旅路 ―人食いゴキブリ編―
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9.ベルガー領

ヤバことが、起きる前夜!

第9話

ベルガー領


 アキちゃん達は、王都の世界の綻びのあった箇所を見て回り、残っていたヒビ割れも修繕しました。


 そして、明日からは、東の街へ向けて出発する予定ですが、旅にはルッツ王子と部下も付いて来ると言っています。


「付いて来られても、お役に立つことは、ございませんよ」と、先生は断っています。


「そう言わずに、お二人の護衛ぐらいはさせて下さい」

「アキが目的なのでしょう?」

「イタコの技には興味ありますが、世界の綻びは、王国の大事でもあります」

「ご自由になさってくださいな」と、先生は答えました。


 どうやら、このときの会話が、王子様の婚約者のアンネマリー・ボーリンド嬢に歪んで伝わってしまいました。


 ここは、公爵邸です。

「お嬢様、王宮からの情報でございます」

「どうかしましたの?」

「ルッツ王子殿下のことです。何やら、アキとかいう平民の少女のことを気にかけておられる様です」

「平民? セバス、何の冗談ですの? 王子たるもの平民の少女を……」

「それが、申し上げにくいのですが、陛下もそれを支持されておられるとか」

「!!!」


「お、お父様には何と、陛下から、ご説明があったのですか?」

「『存ぜぬ』と」


 しばらくアンネマリーお嬢様は考え、

「ルッツ様のところに行きましょう」と、言いました。


 そして、アンネマリーお嬢様が王都に着いた時には、既にルッツ王子は、アキちゃん達と旅に出発して、数日が経っていました。


「ルッツ様、一体、どうしてしまったのですか? アンネマリーは、アンネマリーは悲しいです」

 執事のセバスも、お嬢様が不憫に思えてくるのでした。

『あのルッツ王子が、こんなことを……』



 さて、そんなことはつゆ知らず、アキちゃんと先生は東の街への旅を続けております。

 アキちゃんの馬車の他には、ルッツ王子様と部下数人が馬に乗り、王宮の馬車2台が荷物を運んでおりますよ。


 整備街道は、途中で2本に分かれ道になり、一つは、東の街まで大都市経由のメインルート。

 もう一つは、やや小さい街道で、田舎を経由して東の街へ着くサブルート。


 今回は世界の綻びが出たのは、サブルートですので、こちらに進みます。


 さて、サブルートでは、途中、ベルガー領があるのですよ。


 このベルガー領以外に、街道には泊まれそうもありませんので、この日はベルガー領に泊まることになりました。


 ベルガー領に着くと!


 領主邸が見えてきました。

 何やら、女の人の銅像があります。

「先生! あれはどなたですか?」

「あれは、マリーネ ツゥ ベルガーさんの銅像ですね。ルッツ王子様のお祖母様ですわ」

「王子様のお祖母様でしたか。でも、メイド服なのは、どうしてなのですか?」

「実は、あの方は、私が王宮でのメイドを退職したあと、女王陛下のお付きをされたのです」

「そうなんですか。でも、先生とは、随分と感じが違いますね」


 そうなのです。

 マリーネお祖母様の銅像は、メイド服にツインの三編み、両方の掌を上げている、あまり可愛くない小柄な女の子の像でした。

 王都にある巨大な女王陛下の白い像に比べると、とても小さく威厳を感じませんでした。


「アキ、まだマリーネさんは、お元気だから会っておいで」

「ワァオー! 本当ですか!」

「きっと、ルッツ王子もご挨拶に行かれるに違いないから、御一緒させてもらいましょう」



 マリーネとカロリーネが接触ですって!?


読んで頂き、ありがとうございます。

カロリーネとマリーネが50数年ぶりに再会!

ヤバイことにならないはずが無い!?

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