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<完結>「【連載版】フンドシを履いた魔法使い  「フンドシは魔力を高める必須アイテムなり」  作者: 井上 正太郎
フンドシを履いた魔法使い ―世界の綻び編―
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3.王都では!

怪しい娘だ!

第3話

王都では!


「ウッ、うおぉとに到着ぅ」

「アキ、何を言っているの?」

「先生、始めて王都に来ました。人がいっぱいです」

「そうよ! 人も物もいっぱいね。後でお買い物に行きましょうね」

「わーい、お買い物ッ!」


 何を買おうかなと、現金なアキちゃんです。

「あっ、先生は、昔、王都に住んでいたんですよね」

「そうですよ! 王宮で働いていたのよ」

「うわぁ、すごいや! どんな仕事をしていたのですか?」

「メイドですよ」

 ランランと眼を光らせるアキちゃんです。


「先生ッ、ボクもメイドになりたいなぁ」

「ふふふ、そうねぇ」


 カロリーネ先生は、王宮で女王陛下の専属メイドをしていたことを思い出していました。

 女王陛下は、白いドレスがよく似合っていたので、白を着ることが多かったのです。

 そして、女王陛下から、私にも「白いドレスを着て欲しい」とねだられた事があったことを思い出しました。


 そして、二人で白いドレスを着て、鏡の前で並び、「カロリーネと姉妹みたいで、嬉しい」と女王陛下は言ってくれたのです。

 そのまま、二人はお揃いの白いドレスで、王都にある女学園に訪問したのを、思い出しました。


 随分と昔の話に感じるなぁ。

 つい、50年と少々前の話なのに……


「先生、何か見えてきましたよ」

「あぁ、アキュリア陛下」

 王都の中心にある広場には、2代前の君主:アキュリア女王の白い像が建てられているのです。

「陛下、カロリーネが戻って参りましたよ。愛しの陛下」


 アキちゃんは、巨像に挨拶をしている先生は、『おかしいよなぁ』と思いながら、ニヤニヤしています。


 50年前に、カロリーネ先生とアキュリア女王との間に、何があったかは、アキちゃんは、知らなくても良いことなのですよ!


 ましてや、王宮内では、二人は百合の噂が耐えないなどは、もっと知らなくても良い事なのです。

 ましてや……などは、ゲフンゲフン!?


 久しぶりに王都に来た先生は、笑顔が絶えず、上機嫌でした。

 なので、アキちゃんも、先生につられて上機嫌なのです。



 さて、馬車を宿屋に停めて、二人は先程の広場にやって来ました。

 先生は、女王像の前で、何やら目を閉じて、ブツクサ言っています。


 しばらくすると、“ざわざわ”と、慌ただしくなりました。


 すると、王宮の方から、行列がやって来ます。

 これは、ルッツ王子様の行列です。

 領地へお出かけのようです。


 王子様は、馬に乗り、民衆に手を振りながら進んでいます。

「うぉぉ、王子様だ! カッコ良いなぁ」と、アキちゃんもみんなに混じり歓声を挙げています。


 すると、王子様がアキちゃんの前を通り過ぎようとした時に、好物のリンゴのジャムの瓶を落としてしまいました。


 コロコロ……


 なんと、王子様の馬の前に瓶が!?


 それに気づいた王子様は、馬を止めました。

 周りの兵士達も、それに気付き、足を止めました。

 ですが、アキちゃんは、無意識に瓶を追いかけてしまったのです。


 このままでは……


 王子様の行列に向かって、一歩、二歩と歩み出したところ、アキちゃんは不自然に止まりました。

 動きたくても動けない感じです。


「うっ、動けないッいッい」


 兵士達は、アキちゃんの周りに駆け寄りました。

「怪しい娘だ」

 

やっぱり、怪しい娘だ!

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