おまけ2 望月の願い
赤川さんの告白をこっそり見てた望月くん。
学校の帰り道。
1人の女の子が、不安や恐怖を乗り越えて男の子に愛を伝える。
友達を越えて、恋人に昇華する。
そうして、2人は結ばれて幸せになる。
赤川さんの強い覚悟が、2人を恋人として結ぶに至ったんだ。
いやあ、感動的な話だね。
それにしても、僕が書いた嘘の手紙であそこまで動いてくれるなんて、赤川さんの行動力には脱帽だね。
わざわざ女の子らしい字を練習した甲斐があったよ。
でも、残念。まだ終わりじゃないんだ。
どうやら、西口くんは今の告白を友達として受け取ってたみたいだね。僕の目からは間違い無いね。
ははっ、鈍感にも程があるって話だよね。赤川さんには同情するよ。
さあて、これから2人の関係はどうなってしまうのか。
一方は恋人だと思っていて、一方は友達としか思っていない。
西口くんからすると、『女友達が知らないうちに俺の彼女になっていた』って状況になるわけだ。
どこかですれ違うのは間違い無いよね。
そう、それこそが、彼らに訪れる避けようのない試練だ。
人間関係っていうのは、そういう試練を乗り越えてこそ、より強い信頼関係になる。
つまり、より強い『絆』で結ばれるんだ。
さて、君たちの『絆』はどうなるのかな。
どんな色を放つかな。
どんな風に絡み合うかな。
あるいは、どんな風に壊れるかな。
……ははっ、大丈夫。
僕は信じてるよ。君たちの『絆』の強さを。
君たちなら、きっと試練を乗り越えて、素晴らしい『絆』を手に出来るはずさ。
そうやって手に入れた強い『絆』は、これから先にどんな困難があっても2人を繋ぎ止めてくれるはずさ。
そして、2人の関係は永遠のものになるんだ。
僕は心からそう願っているよ。
僕は君たちの『絆』が、より良く輝く瞬間をこの目で見たいんだ。
それこそが、それだけが、僕の悦びなんだよ。
この話は本編に入れるか迷いました。
入れないと手紙の件が不明のままですからね。
でも、本編の雰囲気を壊しかねないので止めました。