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休む暇は無い

激しい揺れが何度も何度も城を襲ってる。

とにかくどう言う状況なのか急いで確認しないと!

い、急いで城から出ないと!


「な! 勇者の!? 帰ってくるのが遅すぎる!

 貴様らがのろのろしてるせいで国は壊滅状態だ!

 全くふざけやがって! 権力も無い三下勇者の癖に!

 壁にもなれないのかお前らは!」

「何処の誰だか知らないけど、文句を言われる筋合いは無いわ!

 兵士なら城で籠もってないでさっさと戦いにいきなさいよ!」

「ふん! 俺を誰だと! な、うが!」

「うわ! 何!?」


兵士さんが立ってる後ろの壁が吹き飛んだ!

破壊力から考えて、これは魔法!?

それもかなりの破壊力がある魔法!


「ッ! 魔術師!」

「リング様を取り返しに来た」

「リング様って誰!?」

「教える必要は無い、カーミラ様のご命令だ!」


魔術師はすぐに魔法陣を展開して私達へ火炎を放ってきた。

展開量が多い、単体の破壊力は弱くてもあの数は脅威!


「だ、駄目! 避けられな!」

「魔法なら、私も得意なんですよ!」


すぐに全員を守るようにドレインフィールドを展開した。


「何!?」


私が展開したドレインフィールドは魔術師の火炎を全て吸い尽くす。

火炎が切れて、視界が開く。


「眠ってろ!」

「しま! うぁ!」


視界が開けると同時に、既に弓矢を構えて居たミリアさんが魔術師を撃ち抜く。

魔術師はその攻撃を避けることも防ぐ事も出来ず、喰らってしまい倒れた。


「み、ミリア…ど、どう言うこと? まるで分かってたみたいに…」

「私達にはエルが居るんだ、魔法は無力だ。エルから離れるなよ?」

「どう言うこと? エルちゃん」

「私はドレインフィールドって言う

 相手の魔法を吸収するエリアを展開できるの。

 エビルニアだった時、私はこの魔法を開発してね」

「そう言う事だ、普通であれば魔法は脅威ではあるが

 エルが居る限り、私達に取って魔法は脅威ですら無い」

「嘘…インチキ過ぎない?」

「魔法限定ですから、ミルレールお姉様には何も出来ないんですよ」


ミルレールお姉様は魔法を使わないからね。


「でも、魔法が相手なら、私は殆どを無効化出来ます」

「こりゃ、頼りになるってレベルじゃ無いわね」

「やっぱりエルちゃん凄く強いね! 私も頑張らないと!」

「攻め込め!」


私達が会話をしていると、さっき壊れた穴の方から沢山の魔術師が。


「敵だ! 撃退しろ! 一斉射撃!」

「はい!」


魔術師達の数は10人。全員、即座に魔法陣を無数に展開して

そこから何発もの攻撃を放ってくる。基礎魔法や属性魔法。

圧倒的な物量と圧倒的な巨大さを誇ってる。

普通ならこんな狭い道で避ける方法は無いほどの魔法。


「不味いってこれは! この細道じゃ避けれないって!」

「避ける必要は無い、構えるんだ」

「はい、任せてください!」


大量の魔法攻撃を私はドレインフィールドで防ぎ、吸収した。

ドレインフィールドの向こう側は色々な魔法が広がってて

何と言うか、前の状況が見えないほどになってる。

普通ならとてもじゃないけど避けられない、そんな物量だけど。


「よし、このまま突破し…な、に…」

「突破は不可能です! そしてあなた達の魔力、返します!」


攻撃が止んだと同時に、私もいくつの魔法陣を召喚して反撃した。

私の展開速度は魔法特化の魔術師よりも速い。

即座に展開された魔法陣からいくつものマジックアローを放った。


「ば、うがぁ!」


ちゃんと手加減はした。魔法陣の形状も中途半端に崩して

破壊力が最も無い状態でマジックアローを放った。

着弾しても、凄く痛いだけで死にはしないよ。


「う、うへぇ、こりゃ私達いらないんじゃ無いの?」

「魔力を吸収するからな、今のエルは継続戦だろうと余裕だろう」

「私の能力は魔術師特攻ですからね」


相手の魔法を無効化するだけじゃ無く、魔力を吸収も出来る。

つまり、魔術師が相手であれば、私の魔力は無尽蔵に等しいんだ。

完全に魔術師を倒す事に特化した能力と言える。


「しかし、魔術師が城まで攻め込むとはな」

「はぁ、はぁ…城の壁が突破されて焦ったが…運が良いな」

「お、お父さん!?」


魔術師達を倒して、少ししてお父さん達が

魔術師が入ってきた壁から顔を見せた。

お父さんの体はボロボロで、凄く消耗してる。


「こ、この数を倒したのか? ジェルさんの娘さんが…」

「あぁ、そうみたいだな。流石は俺の自慢の娘だ。

 …お帰り、エル。待ってたぞ。

 戻ってきてたんなら、すぐに声を書けてくれれば良いのに」

「あはは、今帰ってきたばかりなんだよ。ただいま、お父さん」

「今帰ってきたばかり? なら、どうして城内にいるんだ?」

「私は魔法が得意なんだよ? えへへ、お父さんと違ってね」

「…そうか、やっぱり凄いな、エル。

 ふぅ、お母さんもリンも無事だ。

 安心して城で待っててくれ…と、言いたいところだが

 お前達の事だ…戦線に出るんだろう?」

「勿論だよ!」

「うん! 私は勇者候補! おじさん! 戦いは任せて!」

「状況を詳しく聞きたいけど、今はそれどころじゃ無さそうよね。

 でも、軽い概要は教えてくれないかしら? ジェルさん」

「分かりました、簡単に言うと、魔術師達が攻め込んできました。

 魔術師達の目的は国の崩壊。ロッキード王国のアンデッド襲来

 それと合わせるようにしてここを攻め滅ぼすつもりでしょう」


さっきの人はリングって人を奪還しようとしてた感じだけど

それはあくまでおまけなのかな? 本命は国の崩壊。


「はぁ、なる程ね…休む暇なさ過ぎよ…休ませて欲しいんだけどね」

「とにかくお父さん、回復するね。兵士の皆さんも皆回復します」

「いや、エル。回復は魔力の消耗が激しいだろう? この数は」

「大丈夫だよ、お父さん。今の私なら全然平気だから。

 ちょっと待っててね、流石にちょっと時間掛るから。

 あ、移動しないでくださいね、皆さん。えっと…こうして…

 …………よし、出来た。ヒーリングゾーン!」


一定範囲の対象を一気に回復する範囲回復魔法。

私も色々と実験したけど、やっぱり範囲系は時間が掛るよ。

強いけど、どうしても時間が掛るから実戦だと使えないんだよね。


「は、範囲回復魔法…範囲魔法だけでも相当な技術が要るはずなのに

 更に範囲回復だって!? エル、お前は…」

「私、凄い魔法使いになるから」


今の私にある魔力はかなりの量になってるからね。

通常であれば、この範囲魔法での魔力消耗は大きいから

1度使えれば良いくらいの魔法だけど、今の私は魔力の塊。

テイルドールお姉様程じゃ無いにせよ、殆ど無尽蔵に近い魔力だよ。

相手が魔法を主力に戦うのであれば、私の魔力は底がない。


「…驚いたな、流石…勇者だな」

「勇者は私じゃ無いよ、お父さん。よし、この話はここまで!

 急いで魔術師達を倒そう!」

「あぁ…エル、今までの中で1番生き生きしてるな。

 何かあったのか?」

「うん、凄く嫌な事と、それ以上に嬉しいことがあったの」

「…そうか、なら安心だ。全員! 魔術師の掃討に戻るぞ!

 傷を癒やして貰ったんだ! 今まで以上の活躍をする!」

「はい! エリエルちゃん、ありがとな!」


お父さん達はすぐに魔術師達と戦闘をするためにその場を後にする。

よし、私達も急いで魔術師達を倒しに行かないと!

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