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裏切り少女のやり直し~200年後の再挑戦  作者: オリオン
第4章、異常なアンデッド達
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次の依頼

「いやぁ、やっと掃除終わったわ」

「遅いですよ、秒でこなしてくださいよ」

「それはほら、時間操作とかそう言うレベルの魔法じゃ無いと」


そ、そんな魔法あったかなぁ…聞いたこと無いし知らないよ。

流石にその規模で作用する魔法はある訳無いし。


「エルさんに言えば時間操作とかしてくれそうじゃないですか」

「あー、その手があったかー」

「私を何だと思ってるんですか…」

「何でも出来そうな魔法使いってね」

「何でも出来ませんよ! 何でも出来るなら怪我とかしませんよ!」


そ、そんなレベルで魔法が使えてたら

そもそもミルレールお姉様に苦戦してないし。

どう考えてもその規模は無理だよ。


「まー、世界の時間を止めても掃除は出来そうに無いけどねー」

「ま、掃除の為だけに世界の時間を止めるとか馬鹿過ぎますよね」

「そう言う能力が当たり前の人なら、掃除でも時間止めるんじゃないかな?」

「そんな人が居たら、魔王余裕で討伐しちゃいそうね」

「じ、時間を止めても魔王は倒せないんじゃ…攻撃力が足りなさそうです」

「それはほら、加速とか使って」

「それが出来るならわざわざ時間止める必要無いですよ…」

「まーね」


まぁ、時間を止めての攻撃なら確実に入りそうだけどね。

と言っても、そんな凄い速度の攻撃をお父様が回避出来るとは思えないけど。


「さてと、じゃあくだらない雑談はこれで終りにして」

「いやいや、雑談にくだらないとかは無いわよ?

 何をするにしても、交流をより深めるというのはプラスになるし」

「それは依頼を通してやってください、信頼関係はそうやって生まれます。

 話をするだけで信頼関係なんて出来ないんですよ。

 出来るのはただの友好関係だけで、信頼じゃありません。


 信頼を築くには結果を残すこと。結果を残せば残すほどに

 仲間からは信頼されますし、国からも信頼されます。

 今までのエルさんのように、結果を残すことが信頼を築くんですよ」

「結果だけで得た信頼ってのは果たして本人に取って有益なのかしら?

 望まない結果が信頼に繋がる事もある。その信頼は望まない信頼だと思うけど?」

「……」


リトさんの言葉を聞いたミザリーさんが少しだけ表情を歪めた。

私にはその理由が分かってる。だって、私はミザリーさんの過去を知ってるから。

ミザリーさんが今得ている信頼は自分が望まない結果で身についた

リトさんが言う、望まない信頼なんだから。


「…もしかして、知ってるんですか…?」

「ん? 何を?」


リトさんの返答を聞いたミザリーさんは少しホッとした表情を浮かべた。

普段は表には出さないって言ってたし、きっと気取られたくないんだ。

それを知られると、逆に私達に気を使わせてしまうことになる。


きっとミザリーさんは私にその話をしたことを覚えていない。

だから、誰にも知られてないって思ってるんだと思う。


「いえ、何でもありません…確かにリトさんの言うとおり

 望まない結果から信頼を得ることはあります。

 ですが、望む結果から生まれる信頼の方が多い。

 なので、結果を残してください。それは確かな物なのだから」

「……ま、あなたにも色々とあるんでしょうね、私達には分からない気苦労とか。

 そう言うの、ハッキリ言った方が楽よ? 経験者である私が語るんだから

 それは間違いない事よ。我慢してても、どうせその内バレるんだから

 さっさと楽になっちゃうのが1番よ?」

「……私に苦労を掛けたくないのなら、大人しく依頼を完全攻略してください。

 それが1番楽なんですよ…完璧な結果を残してください、それで良いんです」

「完全や完璧にこだわるのね」

「それが最高の結果なんですよ。完全で完璧。これが最高の結果」


リトさん達は少しだけ嫌そうな表情を見せたけど

私はこの言葉に対した反感は抱かなかった。

この言葉の裏にあるミザリーさんの素直になれない願望を知ってるから。


「…そうですね、完璧に完全にこなしましょう。誰1人欠けずに」

「な……そ、そう言う意味じゃ…」

「1人でも欠けちゃったら、完璧じゃありませんしね」


私の言葉を聞いたミザリーさんは動揺するけれど

リトさんはハッとした表情を見せた後、優しく微笑んだ。


「OK、理解したわ。確かにそれが完璧な仕事ね」

「い、良いから…今回の依頼の話をしますよ」

「はいはい、任せなさい。完璧にこなしてやるわ」

「よーし! 困ってる人が居るなら助けるんだ!

 所であの難しいお話しは何だったの?」

「深く考える必要は無いだろう。私達に出来る事は単純に完璧にこなす。

 誰1人死なずに依頼をこなせば良いだけだ。今まで通りな」

「おー! それは分かりやすいね! …そう言えば、ミリアのことも

 ミリア姉ちゃんって言った方が良いのかな?」

「好きに呼んでくれ」

「じゃあ、ミリアねーちゃん!」

「…そ、そうか」


あ、少し赤くなった…やっぱりこう言うの好きなのかな?

前も抱きついてきてたし、やっぱり妹って皆憧れるんだね。

ふふ、私は妹が居るから、妹が可愛いことは知ってるからね。


「楽しそうですね、本当に」

「やっぱり何かをするってなると楽しいから!

 じゃあ、そう言う訳だからミザリーねーちゃん! 依頼を!」

「あ、さらっと私の事もお姉ちゃんと言うんですね」

「それはほら、ミザリーだけ仲間外れだと可哀想だし!」

「私はそう言うの良いんで、呼びやすいように呼んでください」

「じゃあお姉ちゃんて呼ぼう!」

「お好きにどうぞ」

「いやぁ、リズもドンドン姉が増えて行くわね」

「全ての始まりはリト姉ちゃんだからね!」

「あー、そう言えば最初私が言ったんだっけ。ま、可愛いから良いけど」


あはは、本当にリズちゃんのお姉ちゃんはどれだけ増えるんだろうね。


「えっと、では依頼の話をします。はい、今度の依頼もアンデッドです」

「またゾンビ? 何よ、妙に活発じゃない」

「ゾンビではありませんが、アンデッドが妙に活発なのは確かです。

 最近は特に活動が活発化してきていますからね。

 魔物全体が活発になってきてはいますが、アンデッドだけは嫌に多い。


 そして、アンデッドはかなり危険度が高い魔物が多いと言うのも事実。

 厄介な能力を持っているのが多いですからね。なので本来であれば

 勇者候補に依頼するのは避けたいのですが…まぁ、あなた達だけです」

「私が居るから?」

「はい、対アンデッド戦において、最も頼りになる冒険者はあなたですから」

「そう…ま、その信頼も私からしてみれば望まない信頼と言えるのかしら?

 とは言え、私はアンデッドを殲滅したいという願いもある。そう考えれば

 私にしてみれば、そんなに悪くない信頼と言えるのかしらね」


だけど、リトさんはアンデッドを倒すことが好きだって訳じゃ無い。

アンデッドを倒して被害を少しでも減らしたい。

リトさんはそう言う思いで動いてる、評価されたいからじゃ無い。

私が思うに、そう言う人は最も信頼出来る。


「よし良いわ、巻き込んでしまってるというのはちょっと後ろめたいけど

 被害が出ている以上は必ず潰す。さぁ、依頼の内容を話しなさい」

「はい、今回の相手は…巨人族がアンデッドとなった姿です」

「は? 何を…そんなアンデッド、私は知らないわよ!」

「私も今まで知りませんでしたよ、そんなアンデッドが生まれるなんて。

 巨人がアンデッドになった事例は今回が初めてです。

 少なくとも私が認知した範囲では…」


巨人がアンデッドになる事は殆どない。巨人の再生能力は高いしね。

更に脳筋だし、アンデッドになる事は本当にほぼ無い。

怨みを抱く事が基本的に無いからアンデッドになる事は殆ど無い。

アンデッドは怨みの力で蘇る場合が多いからね。


まぁ、アンデッドに変化する経緯は複数あるから一概には言えない。

だから、幅広い範囲をアンデッドと呼称してるんだけど。


「それで…何処に? 異例でも被害が出るならやるしか無いわ」

「まだ被害は出てませんが、こちらです。ロックバード山脈の麓」

「結構遠いわね、徒歩で1週間以上掛るわね」

「移動手段は用意します。それでも1週間近く掛りますが」

「ふーん…でも、最接近は出来ないんでしょう? 危険だから」

「はい、最接近は困難です。ある程度接近した後は徒歩で移動になるでしょう。

 如何せん、今回は異例ですからね。

 巨人のアンデッドが確認されただけでも驚きなのに

 それが複数体…3体も存在を視認されています」

「は!? そんな馬鹿な…」

「私も驚きです。ですが、調査をしないわけには行かない。

 報酬はゾンビ討伐よりも多い、1万ビルドです」

「3倍以上だね…」

「危険度未知数なのでもっとあっても良いと思いますが

 情報次第では報酬額の増額もあり得ますので調査もお願いします」

「報酬額の増額って言葉で動くと思う?」


実際、私達はあまりお金に執着してるわけじゃ無いからね。

リトさんはアンデッド殲滅のために、リズちゃんは人助けのために

ミリアさんは親友を止める為の力を手に入れるために。

そして私は魔王を…お父様を倒すだけの力が欲しいから。


「思いませんね。ではこう言い換えましょう。

 次に出現した際に被害を抑えるための情報が欲しいので情報を集めてください

 こちらも偵察は送りましたが、未だに情報は来てませんからね。

 危険なのは間違いありません、ですからどうしても情報が欲しいのです」


うん、こう言う言い方ならリズちゃんは絶対に動くよね、優しいし。


「了解、言葉選びは大事ね。そう言う理由なら調査するわ」

「ありがとうございます、では、出発は後日と言う事で。

 私も移動手段の手配がありますので、皆様も準備を」

「分かったわ」

「…それともうひとつ、さっきも言いましたがこの相手はおかしい。

 ギルドの偵察からの報告がない…もしかしたら」

「……そう、身を隠すのは上手いけど、戦いは苦手だからね。

 でも、巨人のアンデッドに見付かるとは思わないけど」

「はい、ですが可能性は…とにかく最大の警戒をお願いします」

「分かったわ」

「それと分かっていると思いますが、あまり時間は掛けないでください。

 向こうも手は打つでしょうが、戦力は多いに越したことはないでしょう」

「了解、すぐに移動するとしましょうか」


アンデッドの活性化…少し不気味な部分もある。油断しないで動こう。

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