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裏切り少女のやり直し~200年後の再挑戦  作者: オリオン
エピローグ、夢へ向けて
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歩み出す険しい道

200年振りの団欒を過ごして、しばらく経った後

私達は国に戻り、リンカ女王に今回の事を全て話した。

勿論、魔王の娘であるブレイズお姉様達は皆恐れられたけど

それでも、リンカ女王の尽力もあり、私達は街を歩ける程になった。


「いやぁ、ここまで来るのにちょっと時間掛ったね」

「いくつも疑問があるのだけど…何故あなたは私達に手を貸したの?

 勇者一行からのお願いと言うだけなのかしら?」

「それが理由の殆どをしめてるけど、勿論それだけじゃないよ。

 私があなた達に協力した理由は私自身の目的の為でもある」


リンカ女王が少しだけ不敵に笑いブレイズお姉様の問いに答えた。

仮にも相手は魔王の娘の長女だというのに

リンカ女王は全く動揺すること無く質問に答えるのは凄いね。


「私達の目的は色々とあるんだよ。国が栄えるのは勿論。

 人々が手を取り合う未来を作るのだって勿論ある。

 だけど、魔物達とも手を取り合いたいと思ってる。

 だから、サモナー育成に力も入れてるし

 あなた達を受入れさせるために国民を説得したんだ」

「そんな理由で?」

「人ってのは、可能性があれば努力をする物なんだよ。

 努力をしない人も居るけど、少なくとも私は努力するタイプ。

 折角王様になったんだ、私は私の夢を叶える努力をするよ」


だから、魔王の娘である私の姉妹達を国民全員に受入れさせた。

魔王の娘達とも手を取り合う事が出来るんだと印象付ける為に。

そこをきっかけにして、魔物と人類を繋げる気なんだ。


「それで私達を利用しようって事なのね」

「そう言う事だよ。利用というと嫌な印象を受けるから

 私は協力して貰おうと言い換えることにするよ」

「そうね、確かに利用は好印象じゃ無いわね」


そう言い、お互いに不敵に笑った。この2人、意外と似てる?


「それで? 協力してくれるかな?」

「えぇ、協力してあげるわ。それが償いになるのなら

 私達はあなた達に協力しましょう。

 しかし、それは大変な道のりへの第一歩になるわよ?」

「大変な方がやる気も出るからね。私は平気だよ」

「そう、なら付き合ってあげるわ」

「そうしてくれると助かるよ」


2人が笑顔を見せて、力強く握手をした。

お互いににやりと笑い、それぞれの思惑がありそうな雰囲気だった。

だけど、私達には何も言えない。あの2人が内心で

何を考えているのか、私達には分からないんだから。


だけど、とても大変な道に歩み出す覚悟をお互いがしてる。

その事だけは分かった。それだけ分かれば、きっと十分だ。


「じゃあ、行こうか」

「えぇ、未来へ」


私達はその場で解散して、再びいつも通りの日常へ戻った。

私は何だか申し訳無い気持ちと共にお家に戻る。

家にはお父さんは居ないで、お母さんとリンの2人だけが居た。


「ただいま」

「エル、やっと戻ってきてくれたのね…心配したんだから」

「あはは、大丈夫って事はお父さんから聞いたんじゃ無いの?」

「それでも心配な物は心配なのよ!」

「お姉ちゃん!」


リンが私に抱き付いてきた、凄く嬉しそうにしてる。


「……お、お姉様は私の!」

「え!? 誰!? 誰この子!」

「えっと、確かあなたの昔の妹だっけ?」

「うん、レイラード。お父さんから聞いたんだよね?」

「えぇ、あなたの事も聞いてるからね」

「それで…ショックだった?」

「まさか、あなたの前世というのが何だったとしても

 私に取って、あなたは私がお腹を痛めて生んだ大事な子よ。

 あなたは私とあの人の間に生まれた、とてもとても素敵な少女。

 あなたの前世が何であろうとも、私達には関係が無いのよ」

「……お母さん」

「お姉ちゃんは私のお姉ちゃんなんだから!」

「エビルニアお姉様は私のお姉様なんだから!」

「このぉ!」

「やったなぁ!」


レイラードとリンがお互いにほっぺを引っ張り合ってる。


「ちょ、ちょっと喧嘩しないでよ!」

「おねえひゃまはわらひのぉ!」

「わらひのおねえひゃん!」

「ちょ、ちょっとぉ! 喧嘩しないでよぉ!

 落ち着いてって!」

「だってこいつが!」

「落ち着きなさいよリン!」

「だ、だってこの子が!」

「エビルニアお姉様は私のお姉様なんだぁ!」

「わぁ!」

「あぁー! お姉ちゃんは私のお姉ちゃんなんだからぁ!」

「ひゃぁ!」


前後から抱き付かれて、中々バランスが!


「ぐにゅにゅぅう!」

「ぐぬぅうう!」

「お、落ち着いてぇ!」


それからしばらくの間、私は2人に揉みくちゃにされた。

うぅ、なんでこんな事に…どれだけ喧嘩すれば気が済むのぉ…


「はぁ、はぁ…うぅ! エビルニアお姉様は私のお姉様!」

「はぁ、はぁ、え、エリエルお姉ちゃんは私のお姉ちゃんなんだから!」

「私の!」

「私の!」

「落ち着きなさいよ2人とも! あなた達が取り合ってる間に

 エルがボロボロになってるんだから!」

「え!? わぁ! お姉ちゃんごめんなさい!」

「いつの間にか踏んでたぁ!」

「…あ、あはは……も、もう喧嘩は…止めてね…」


うぅ、2人に何度も踏み付けられちゃった…あまり痛くはないけど

全然止まってくれないんだもんなぁ…この2人、結構力あるし…


「もう…エル、あなたは本当…小さい子に好かれるわね…」

「い、妹限定だけどね…」


あはは、まさかレイラードとリンに挟まれてこんな事になるなんてね。

私も魔法ばかりじゃ無くて、もっと体も鍛えないと!

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― 新着の感想 ―
[気になる点] >>とてもとても素敵な少女。 母親がこんな表現するんだろうか?と疑問に思ったので、気になりました。「子」・「女の子」のどちらかくらいかと思うのですが、どうでしょうか? [一言] >>、…
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