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裏切り少女のやり直し~200年後の再挑戦  作者: オリオン
最終章、勇者達の意志と遺志
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無尽蔵の魔力の攻略

「吹き飛びなさい」


魔法陣から大量の火の魔法が飛んで来た。

私はすぐにドレインフィールドを出して攻撃を吸収した。


「ふ、さて、どうするの? あなた達は何が出来るの?」


テイルドールお姉様の無尽蔵な攻撃が飛んで来る。

大量の攻撃だから、私から離れることは出来ない。

無数の火属性魔法。普通なら防ぐ術が無い程の攻撃。


私のドレインフィールドから離れれば、一瞬で蜂の巣。

私が出来る事は、この状況で進む事、私はゆっくりと近付く。


「ふふ、近寄ってくるのね? 近寄って来るしか無いからね」

「そうだね…だから、近寄るの!」


魔法を防ぎながらゆっくりと近付く。

だけど、さっきよりも弾数が増えた。

私達の目の前は完全に炎に包まれる。


「そこよ!」


一定の距離に近付いた所でリトさんが攻撃する。

だけど、そこにはテイルドールお姉様の姿は無かった。


「まさか!」

「えぇ、後ろよ」


テイルドールお姉様が視線から消えると同時に、背後から声が聞える。

テレポート…そうだね、テイルドールお姉様だもん。


「死になさい」

「く!」

「いや、死んだりはしないよ!」

「ッ! うぐ!」


だけど、テイルドールお姉様の背後にいたリズちゃんが攻撃する。

リズちゃんの攻撃に驚き、テイルドールお姉様はその場から離れた。


「いつの間に背後に!」

「テイルドールお姉様が教えてくれたんだよ…

 この魔法を、私に教えてくれた」

「……まさか、テレポートで彼女を飛ばしたの!?」

「そうだよ、私はテレポートされてもすぐに動ける!」

「この…」

「私が得意とするのはテイルドールお姉様が教えてくれた魔法」

「……私が教えた魔法を、私以上に扱うだなんて…生意気な」

「長い時間を無駄に過ごしたのが悪いんだよ…強くなれた筈なのに

 あなたは強くなろうとしなかった…だから、こんな事になった」

「この…」


テイルドールお姉様の表情に怒りの色が見えた。


「本当に腹が立つわ…全く、あなたは…」

「絶対に乗り越える…そう決めた」

「エビルニア…やっぱりあなただけは…あなただけは!」

「負けない! 私達は負けないから!」

「ふん、あなた達には何も出来ない! それが現実よ!

 さぁ、エビルニア! この攻撃をあなたは防げる!?

 あなたは自分を保てる? あなたは仲間を守れる?

 これが、現実なのよ! 圧倒的な力の前では全て無意味よ!

 吹き飛びなさい! ワールド・エンド!」

「負けない! ドレインフィールド!」


周囲にドレインフィールドを展開して、攻撃を防いだ。

いくつも展開した備蓄用の魔法陣…絶対に守りきる!


「ふふ、あなたは果たして飲み込まれずに居られる!

 永遠に止まらない、私のこの魔法を! あなたは耐えられる?」

「耐えるよ…絶対に耐えてみせる。皆を守るために!」

「知ってるわよ? あなたには吸収限界があると言う事は。

 だけど、私の魔力に限界は無い。あなたに勝算はないわよ」

「私は私の力が色々な人の助けになる事を知った。

 だから、私は必死に努力した…沢山の人を助ける為に。

 だから、私は私の魔法を研究した…」


私は私の能力を必死に研究して、色々と努力した。

これが、私の努力だから…これが努力の方向性。

自分の弱点だって、私は理解した。


「そして、私は私の弱点を知ってる。

 私は何が出来て、何が出来ないのか…それ位分かってる。

 どうすれば自分の弱点を補えるのかを…知ってる」

「それで? 何が出来るの?」

「うん……今のあなたを拘束する事が出来る!」

「な!」


周囲に展開していた魔法陣が動き出し、

テイルドールお姉様を拘束した。


「何を!」

「テイルドールお姉様、やっぱり油断したね。

 テイルドールお姉様もミルレールお姉様も油断をする。

 魔力が無尽蔵にあるから何でも出来るわけじゃない。

 どうしても油断がある。そこに付け入る隙が出来る」

「く!」


テイルドールお姉様の魔力を吸収して魔法陣に魔力を流し込む。

そこから溜めた魔力を利用して、マジックチェーンを展開させた。

これが私が仕掛けたトラップ。


未来予知が出来るミルレールお姉様には効果はないけど

そんな事も無く、ただ無尽蔵の魔力にばかり頼る

テイルドールお姉様には十分効果がある罠だ。


「本当…お父様があなたを警戒してた理由が…分かるわ」

「…テイルドールお姉様、これで終りだね」


基礎魔法であるマジックランスを私は構える。


「エルちゃん! だ、駄目だよ!」

「ど、どうして…?」

「も、もう抵抗できないよ…だから」

「見逃すって言うの? 私を? 本当に無駄に甘いわね。

 そんな勇者が本当にお父様を倒せると思うの?

 あなた達が私に勝てたのも、ミルレールに勝てたのも。

 どうせ全て、エビルニアのお陰なんでしょう?

 あなた達は何も役に立ててない…足を引っ張ってるだけ」

「……そ、それは」

「何も出来ないあなた達に…何が出来るの?」


テイルドールお姉様の挑発…何が狙い何だろう。

何故、このタイミングでそんな事を…言うんだろう。


「エビルニア…もう止めなさい、これ以上先に進むべきじゃ無い。

 これ以上先に進めば、あなたは仲間達を殺す事になる」

「……ブレイズお姉様にも言われたよ。だけど、進む。 

 今度は殺さない…今度は絶対に…一緒に乗り越える」

「……そう、なら私を殺しなさい…どうせ、死ぬのだから」

「……いや、まだ…殺さないよ…リズちゃんに言われたから」

「……そう」


私達は進んだ…今度こそ、乗り越えてみせるよ。

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