始まり
男は、本を読み耽っている。別に、読書が趣味というわけではないだが、男にとってその本は人生の“道標”であった。
⚠️この後、世界観の設定をだらだら書きます。読みたい方はどうぞ。
本の名は、「アニマの存在証明」。この世界では禁忌とされていた書である。禁忌の理由は、ガランド帝国の起源に関わるからである。
ガランド帝国とは、世界のすべてを支配していた大帝国であり、その歴史は3000年以上に及ぶ。そしてその頂点に立つガランド帝国の初代皇帝は世界を創造した神イルマの子孫とされ、絶大的な力を有していた。その出自を脅かす恐れを秘めた可能性を持っていたのがこの書であった。
書の内容は、神イルマが創造した世界とは違うもう一つの世界がありそれをアニマと名付けたことや著者であるエイブラハム・フォルトがアニマの存在を知った経緯やその存在を確かなものとする証拠が書かれていた。この書の内容は、瞬く間に世界中に広まり、唯一の神イルマの子孫とされていた時の皇帝は自分の地位が危ぶまれることになるのではと危惧していた。
そして、皇帝はこの書を書いたエイブラハムを神イルマへの冒涜と糾弾し、生きたまま書と共に火炙りにすることにより、恐怖を与えて事態の収束を計ろうとしたしたが、それが裏目となり、書の内容を信じた者や今までの圧政に不満を持っていた者たちが一斉に蜂起したことで、後の百年大戦に繋がることになる。