62.メタモルフォシス
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ドラゴンの前に立ち、万物流転を行使しようとしてはたと思い立つ。
『ナーガ。ゲームや小説のように、収納魔法とかない? 経年劣化のない、保存に長けた魔法』
『うーん……あるにはあるよ。時の狭間に空間を作って、そこに収納すれば時間経過は起こらない。誰も試したことはないけどね』
『そんな便利なもの使わないなんて勿体ないな』
『ナーガたち魔素や神様は必要ないし、そもそも異空間に物を収納しようという発想そのものがこの世界の人間にはないから』
『まあそうだろうな。地球で最初に考えついた人物の想像力の豊かさに感謝だな』
頭に神界言語が浮かぶ。収納魔法の理念そのものはなくとも、概念としては成り立つということらしい。
では早速。
「ラング カスティーリア ダウツィエ」
ドラゴンに触れ唱えると、巨体がその場から瞬く間に消え失せた。ざわりとどよめく中、素材と魔石だけになったドラゴンの成れの果てへ歩み寄り、再び時の狭間に収納する。
一瞬の出来事に理解が追いつかない様子で、周囲は動揺と混乱にざわついた。
「レインリリー、今のは何だ」
「収納魔法です。時の縛りがない異空間なので、収納したものが劣化することも腐ることもありません」
「収納魔法だと? そんな魔法は聞いたこともない」
「はい。この世界に存在していない魔法だそうですので、ご存知なくても仕方ありません」
「待って。存在していないなら、どうしてそれをリリーが知っていて、しかも扱えるの」
イルの言葉に一様に同じ視線が向けられる。五百人超えの視線が一点集中する威圧感に、思わず頬が引き攣った。
「お前は以前、光属性にだけ適性があると言っていたな。今回いくつの属性魔法を行使した? そもそもお前の扱う光魔法は規模も効果も既存のものとは大きく違う。欠損部位を再生させるなど、光属性の最高位魔法でも不可能だ。どうなっている」
更なるイクスの追求に近衛騎士がずいっと前に出る。弾かれたように臨戦態勢に入ったのはノエル、アレン、ザカリーの三人だ。ケイシーは俺を背後に庇い、警戒心を露にする。
「やめろ。リリーに何をする気だ!」
「しかし、殿下!」
「思い違いをするなよ。お前たちは僕の護衛であって、それ以上の権限はない!」
「レインリリー様は得体が知れません!」
お爺様の眸が剣呑に細められ、騎士団がぞろりと動く。
柄に指をかけ、皆が俺を護るように近衛騎士を取り囲んだ。
「なるほどなぁ。死闘を経て我らを救った我が孫娘を害するという訳か。それがお主らの、いや、王家の見解であると認識するが、構わぬな?」
「グレンヴィル翁! それは違います! 父上は決してそのような判断はなさいません! 僕だってそうです!」
「たとえ殿下がそうであっても、殿下の飼い犬はそうではありますまい。私は王家に忠誠を誓ってきた身ではあるが、最愛の孫娘が謂われなき咎で害されるならば話は別。相応の覚悟をもって挑むがいい、犬共!」
「グレンヴィル翁!」
お爺様の怒りに応え、あちらこちらでスパークが発生する。俺の配下たちも騎士団の面々も、一触即発とばかりに怒りを露にする。
「絶対に剣を抜くなよ! これは命令だ!」
「殿下、ですが!」
「お前たちが招いた結果だ! おとなしく斬られろ!」
「そんな……!」
柄に手を掛けたまま周囲を見渡し歯噛みする。
険悪な雰囲気の中、俺は場違いなほど穏やかにイルへ声をかけた。
「殿下。ですからわたくしは初めてお会いしたその日に申し上げたのです。お受けできないと」
「リリー! そんな! 待ってくれ!」
「お爺様。こうなった以上、わたくしは仮の婚約をお断り致したいと思います。陛下にも殿下にも、お父様にもお話ししていたことです。わたくしに、王家へ嫁ぐ意思は全くありません」
「リリー!」
「結婚するつもりもないのです。どうしても婚姻が必要であれば、わたくしはエイベルを選びます」
真っ青な顔でイルが絶句した。それは誰だと凍りつく眸が雄弁に物語っている。
「なに? エイベルだと?」
「はい。エイベルが承諾してくれれば、ですが」
「ふむ、なるほどな……エイベルか。それも悪くはない」
「待ってくれ!!」
今後を天秤にかけた様子でお爺様が納得していると、憔悴しきったイルが懇願するように叫声をあげた。
「待って、リリー。違う。僕は君を危険視していない! 僕の婚約者は君だけだ! これからもずっとそうだ!」
「いいえ、殿下。幸いにも陛下より、破棄に関する決定権を賜っております。ここまでですわ。得体の知れないわたくしなどではなく、真っ当なご令嬢と正式にご婚約されますよう、心より願っております」
「そんな……っ!」
カーテシーで礼を取ると、お爺様を見上げた。致し方なしとばかりに嘆息し、首肯する。
よかった。理解してもらえた。
「殿下。王都へお戻りを。ヴァルツァトラウムは未だ危機を脱しておりません。グレンヴィル領から直ちに撤退なさってください」
「グレンヴィル翁! 僕はっ」
「お戻りを」
歯噛みするしかないイルは、イクスと共に後ろ髪を引かれる様子を見せながら去っていった。
これでいい。これ以上イルを危険に晒せない。
俺と関わることで今後もその身を危ぶめるかもしれない。何より俺を優先してしまう、その危うさが今回よく分かった。
彼はきっとこの国を支える立派な柱になる。俺のせいでその芽を摘み取るわけにはいかない。
「あれで良かったのか、レインリリー?」
「はい。これ以上は殿下の為になりません」
「まったく。お前は少しくらい我が儘を言え。祖父冥利に尽きる壮大なおねだりくらいせぬか」
「では早速。森へ参ります」
「それはならん」
むむむ。おねだりしろって言ったくせに。
「お爺様や騎士団が向かっても、魔法は一切使えませんよ?」
「そう言っていたな。どういう意味だ?」
「現在森の中に魔素がまったく存在していないのです」
「なんだと?」
お爺様の眉根がぐぐっと寄った。そんなことはあり得ないと考えている様がありありと伝わる険しさだ。
「森の最奥に何かがあるのは確かです。嫌な感じがして閉め出されたのだと魔素が言っています」
騎士団がざわっとざわめいた。
近衛騎士が俺を得体が知れないと断じた理由は至極真っ当な判断だ。全ての属性を扱い、彼らにとって見たことも聞いたこともないような未知の魔法も使った。王子を守る義務のある近衛騎士が、知る者のない力を行使した俺を警戒しないのは逆におかしい。
俺やイクスの護衛に対する横柄さはともかく、彼らはあれで間違っていない。
そんな中、騎士団の面々は不透明な事情を抱える俺を無条件で守ろうとしてくれた。王家に楯突けばどうなるかわかっているだろうに。
そんな愛に溢れた彼らの信頼に応える義務が俺にはあるだろう。抱いた疑問をぶつける権利が彼らにはある。
「お爺様」
「お前の判断でよい」
「はい。ありがとうございます」
俺は騎士団の皆を見渡せるように、イライアスへと乗せてもらった。軍馬はサラブレッド並みに大きい馬なので、幼女のなりではちょこんと乗っかっているだけで鐙にすら届かない。背後に跨がったアレンに支えてもらわなければ不安定で心許ない。
格段に視線が高くなった馬上からは、騎士団のそれぞれの顔がよく見えた。
「わたくしは神の使徒です。特別に賜った神眼で魔素を視認し、魔素と心を通わせることができます。このナーガも、基は魔素で神の一部です」
一層どよめきが増した。驚愕の視線が首元のナーガに集中する。
先ほどまで死闘を繰り広げていた未知の巨大生物だと認識しているからか、俺の発言を疑う者はいなかった。
「わたくしに七属性の適性はありません。授かったのは創造魔法と聖属性魔法。この二属性のおかげで、本来ならば適性を持たない七属性を間接的に行使できています。ゆえに、扱えない属性はありません」
「ああ、やはり天姫様は天が遣わした天女であられた」
「神の使徒……伝説でしかないと思っていたのに……」
「そんな尊き御方を、あの近衛騎士共は……っっ」
再びの怒りのさざ波が立ち始める。これはいかんな。矛先を変えないと、王家への不審に繋がりかねない。
ややあって、一人の年若い騎士が遠慮がちに挙手した。
「あの、天姫様。創造魔法と聖属性魔法とは、どのような属性なのでしょうか」
天姫との呼称に口角がひくつきそうになる。本当に定着してやがる……っ。
「創造魔法とは、その名のとおり万物を創造する力です。森羅万象に通じ、生み出せないものは恐らくありません。またその逆も然りで、すべてを朽ちさせる力でもあります。ドラゴンが形を崩し消え去ったのも、創造魔法の一端です」
おお、とまたもやどよめきが起こる。
「ナーガが仕留めたドラゴンを収容した収納魔法も、ドラゴンを捕らえた結界魔法も、皆様を守り抜いた防護魔法も、すべて創造魔法の一部です。正にも負にも変化をもたらす力、それが創造魔法であると認識してください」
「なんという……」
「まさに神の力……」
ああ、いや、崇めてほしくて話した訳じゃないから、祈るように跪くのは止めなさい!
「聖属性とは、読んで字の如く聖なる力を行使するためのもの。光属性では肉体の欠損部位を再生させることはできませんが、聖属性であれば叶います」
「おお、神よ!」
「天姫様!」
待て! いいから黙って聞け!
「ただこの力は、魔素が扱う天属性、神が扱う神属性と同義であり、聖属性は本来人が扱えるはずのないものです。創造魔法も同じく、人が扱えるものではありません。この事が露見すれば、わたくしは異端者として咎を受けるでしょう。得体が知れないと、近衛騎士が言っていたように。七属性以外の属性に適性を持ち、その恩恵から適性がないはずの七属性さえ扱える規格外な存在であれば、神の使徒というものは確かに異端なのですから」
「そんなことはありません!」
「そうです! 天姫様がお救いくださったこの命に懸けて断言できます!」
「総数五百を超える命を救って下さった、それほどの偉業を一体他の誰が成し得るとお思いですか!」
「我らがついております! 例え国が咎めようとも! 我らは天姫様を守り抜きましょうぞ! それが神の恩恵のおこぼれを頂戴した我らの総意であり、使命であると心得ます!」
割れんばかりの歓声が上がり、俺は言葉に詰まった。
望んでいない。咎を受けるならば俺一人でいい。道連れなど望んでいないのだ。
ただヴァルツァトラウムを守りたかった。お爺様と騎士団を救いたかった。今後ではなく今を選んだ結果守れた命たちだが、グレンヴィル家を窮地に立たせただけかもしれない。
力は持ちすぎると脅威になる。俺の存在はまさにそれだろう。どの視点から攻撃を受けるかわからない。お父様やお兄様に多大なる迷惑をかける事態が今後引き起こされるのかもしれない。
どうすれば良かったのか、何が最善だったのか、自問自答を繰り返すが答えは出ない。
お爺様と五百を超える命を取るか、見殺しにして安寧を取るか。どちらを選んでも後悔する。同じ後悔なら、より救える確率を選んだ。それが正しかったのかはわからない。でも眼下に見る騎士たちの一人一人の顔を見ていると、間違ってはいなかったと思える。
例え新たな問題を呼び起こしたのだとしても、命の重さには変えられないはずだ。
「早まるな、騎士たちよ。陛下は分別のない方ではない。殿下とてそうであろう。あれは近衛騎士の独り相撲だ。その心意気だけ有り難く頂戴しよう」
お爺様の諌める言葉に、騎士たちは不承不承ながらも応えていく。
王家に楯突く真似はさせたくない。お爺様が抑えてくれてよかった。
「話を戻そう。森に魔素が存在しないと言ったな?」
「はい。閉め出されたのだそうです。本来ならば最奥にまで魔素が広がっているので、同一であるナーガにも見渡せるのですが……」
「今は最奥で何が起きているかわからないということだな」
「はい」
お爺様はしばし黙考し、ややあって俺へ視線を戻した。
「お前だけは魔法が使えると?」
「ナーガがおりますから。水属性と創造魔法、聖属性は使えるそうです」
「なるほど、充分な戦力だな」
「わたくしと専属護衛だけで向かわせて下さい。守護する対象が少ないほどわたくしの負担も減りますので」
「だがなぁ………少数精鋭と言えど、その身で最奥まで向かわせるのは不安でならん。何が待ち受けているやも知れぬのに」
なるほど、見た目の問題か。確かに幼女を少数で最奥へ送り出すのは不安だろう。俯瞰して見れば至極最もな意見だ。
『姿を変えればいいんじゃないの?』
『闇属性で幻視を掛けるってこと?』
『あれは見せかけ。ナーガが言ってるのは姿そのものを変化させること』
『うん? つまり??』
『小鳥遊浩介の姿になればいい』
「は?」
思わず口をついて出た声に、一様に訝る視線を向けられた。
「なんだ? どうした」
「あ、いえ………その、ナーガが言うには、姿を変化させればいいのでは、と」
「なんだと? どういう意味だ?」
「男であった前世の姿を取れと、ナーガが言うのです」
「なに?」
全員が奇妙な面持ちをする。恐らく俺も同じ顔をしているに違いない。
『ナーガ、どういうこと? 浩介は死んだ存在だろ?』
『創造魔法なら、思い描けば構築できる。変身と言った方がリリーには理解しやすいかも』
「へ、変身」
どの特撮やアニメ番組だよ。そんな痛い真似やりたくない!
『でもこのままだと森へは行けないよ?』
全くもってそのとおり。ぐうの音も出ない。
受け入れたくない拒絶心から、胃がキリキリと痛む。しかしナーガの指摘は正論すぎた。
「やる………詠唱は?」
『使う魔素はラングとエスクルジュ。詠唱はジオグラント』
「わかった。お爺様、姿が変わりますが、驚かないでください。アレン、下ろして」
下馬した俺に何だ何だと視線が集中する。こんな大勢の前で「変身!」とかやるのか。何の拷問だ。
鬱々とした気分を払拭すべく深呼吸する。よし。
「―――――ラング エスクルジュ カスティーリア ジオグラント」
銀と紫の魔素がどっと押し寄せ、視界が渦巻く魔素で遮られる。お爺様たちには何の変化も起きていないように見えているだろう。魔素の洪水は俺とナーガにしか見えていない。
身体に熱を感じ、急速に変化していく妙な感覚に襲われた。
骨格が太く長く変わり、地を踏みしめる足に感じる体重が増す。背に流れる黒髪が短くなっていく感覚と、力が漲る筋肉の存在。
『完了したよ』
ナーガの声に目を開けた。視線が高い。目の前に掌をかざせば、令嬢然とした小さな手指ではなく、男特有の太く長いものだった。襟足に手をやると、感じたとおり短髪になっている。
「どうなってる?」
おおっ、声が低い! まさしく懐かしい浩介の声じゃないか!
『水鏡を作ってあげる。自分の目で確認するといいよ』
ナーガが眼前に姿見のような水鏡を生成してくれた。
そこに映る姿は、見間違えるはずもない生前の小鳥遊浩介だった。それも体力全盛期だった大学生時代の浩介だ。
「お~スゲー! 浩介じゃん! 目線の高さも懐かしい!」
『これならジークンドーも使えるんじゃない?』
「そうだな。これなら実戦向きだ」
ふと無手であることに不安を覚えた。武器が欲しいところだが、西洋式の剣は扱ったことがない。浩介時代も竹刀か木刀しか握ったことがなかったので、同じ未経験なら元日本男児として是非とも刀を振るいたいものだ。
決断は早かった。浩介の身体であれば日本刀も振るえる。
ここは久々にウィンドウの出番だな。日本刀を検索し、画像を見ながら創造魔法を発動する。
柄は金茶の蛇腹糸で、鍔はシンプルに木瓜形。刀身は直刃の走る太刀を選ぶ。鞘も簡素に黒漆塗りでいいだろう。派手にする必要は一切ないからな。
刃こぼれや錆びが起こらないよう破損と腐食の耐性を付与し、血で切れ味が鈍っては困るので撥水性も付与する。
黄金の魔法陣から生成された太刀を手に取り、抜刀してみる。重さは苦にならない。刃渡りも申し分ない。五年のブランクがあっても、やはり浩介の身体は馴染みがいいな。
納刀してご機嫌に振り返ると、お爺様や護衛たち、騎士団の面々がぽかんと大口を開け呆けていた。どうした。
「レ、レインリリー、なのか?」
「ええ、この姿でそう名乗るのは違和感ありまくりですが」
「その青年の姿はいったい……」
「これは俺の……ああ、いえ、私の前世の姿です」
「ずいぶんと立派な………やけに端整だな」
「そうですか?」
確かに生前モテなかったとは言わないが、こちらの世界の人間ほど端麗ではないと思うが。お父様などどこの貴公子かという美貌の持ち主なのだ。それに比べれば普通だろう。
「この姿であれば問題ないかと。一応それなりに戦えると思いますし」
「それはそうかもしれんが……」
ふむ。まだ不安か。基が溺愛する孫娘だと認識しているせいで踏ん切りがつかないんだな。
「では騎士団から十名ほどお借りします。それであればご納得頂けますか」
「むむぅ……あと五十ほどは連れていけと言いたいところだが、お前の支援負担を考えればそれが妥当か」
「ええ。大丈夫ですよ。ナーガもいるんですから」
「まあいいだろう。それで納得しよう。くれぐれも気をつけて行け」
「はい。お爺様もお気をつけて」
「そのなりでお爺様と言われると妙な感じだな」
そりゃそうだ。五歳の幼女が百八十センチの男に変わったのだから、違和感だらけだろう。思わずはははと笑ってしまう。
「ノエル、アレン、ザカリー、お前たちはついて来い」
「「「は、はっ!」」」
今の今まで抱き抱えられる程度の小さな存在だったものが急にでかくなったからな。野太い声で命令されても困るよな。なんかすまん。
次いでケイシーを見る。
「ケイシー。お前は残れ。さすがに森は危険だ」
魔素が森に入れたとしても、森で火魔法は使えない。
しばらく待ったが、一向に返事がない。どうした?
凍りついた様子で俺を凝視しているケイシーを覗き込む。
「ケイシー? 聞いてるか?」
「は! はい!」
弾かれたように後退り、顔を真っ赤に染めてこくこくと頷いている。首がもげるから止めなさい、ケイシー。
「あ、あのっ、何とお呼びすればっ」
「あ~……確かにこの姿でお嬢様はないな。前世の名は浩介と言うんだ。この姿の間はそう呼んでくれ」
「コウスケ、様」
俺は口を噤んだ。この様子に覚えがある。前世で何度も目にしたものだ。
ケイシー、よもやまさか。
(浩介に惚れたとか言わないでくれよ?)
当然俺は、ノエルの顔を見ることができなかった。
最後まで読んでくださって、
ありがとうございました。:+((*´艸`))+:。