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114.魔法師団演習場 7

ブクマ登録&評価ありがとうございます!

お待たせ致しました!

 



「これは凄いな……」

「ええ。とんでもない精度です。扱いには重々気を付けなければ危険ですな」

「然り」


 陛下と宰相閣下が渋い面持ちで頷き合っている。まあ確かにな。要人の所在特定や護衛の数を把握されたら一溜まりもない。索敵や探査は要人警護最大の穴となる、謂わば警護の天敵だ。いつかは他国に漏洩する可能性もあるし、国内でも派閥争いや、最悪犯罪に利用されるかもしれない。便利なものには必ず危険も伴う。ハイリスクハイリターンを出来得る限り少なくするためにも、情報看破を阻害する魔道具とか、何かしらの対策が必要だろう。

 まあそこは俺の役目じゃないから、あとは陛下やお歴々に丸投げだな。たぶんその辺の担当は王宮直属機関(フォークス)最高責任者でもある師団長だろう。


 お父様方を見やれば、魔法師団面々も早速各々試し始めたようだ。俺が森でやったように視界を拡張することは無理だろうけど、可視化した索敵領域さえ見えていれば問題ない。


「リリー」

「はい、シリル殿下」

「さっき神眼を使った?」

「ええ。それが?」

「それは人前で使わない方がいい」


 使うな? どういうことだ?

 小首を傾げると、イルが自身のスフェーンの瞳を指差した。


「君が神眼を使用する時、両目に金色が混じる」

「え?」

「バミューダブルーに金色が混じって、淡く光るんだ。ナーガの眸が金色に輝くようにね」


 なんだって?

 瞠目する俺に、イルとイクスが首肯する。

 青に金色が混ざる……? それって、トラヴィス殿下の寝台の魔法陣改変で顕現した色彩そのままじゃ――。


 軋む首を巡らせてナーガを見れば、こくりと事も無げに頷いた。


「知ってた……?」

『知ってた』

「じゃあ魔法陣を書き換えた時に顕れたのは」

『リリーの魔力の色だね』

「でも、虹色だって」

『それもリリーの魔力色。より聖霊や神寄りになると、虹色から青と金が突出するだけ』

「初耳なんだけど……」

『聞かれてないから』


 俺は一気に脱力した。そりゃそうだけども!

 何度も言うが、ナーガたち聖霊は、俺が気づかなければ先駆けて教えてくれるような真似はしない。たまに例外もあるが、基本的には放置される。それはわかっていたことだけど!


「ねぇ。……わたくしって人の括りに在るのよね?」

『そうだよ』

「そう……だったらいいの」


 聖霊や神寄りになると、という言い方が妙に気になった。まるでその時は人ではないような……考えすぎだろうか。

 いや、今は止めておこう。考えなきゃならないこと、確かめるべきことばかり増えていくけれど、検証の場である今は、私事は後回しだ。


「ご忠告感謝致します、シリル殿下」

「うん。元メイド長の物言いを根に持っているからね、僕は」


 うん? ……ああ、〝妖術〟に〝気味が悪い〟だったか? 俺は気にしてないけどな。

 顔に出ていたのか、イルの形の良い眉が僅かに中央に寄った。


「僕は、君のことに関しては狭量だと自覚してる。君を貶める言葉は決して許さない。たとえリリーが許していたとしてもね」

「殿下……」


 たぶんイルは、例え国中が俺の敵に回ったとしても、最後までずっと信じて傍にいてくれる気がする。どんな状況だろうと味方でいてくれる。そんな揺るぎない強さを感じる。

 以前お爺様が仰っていた。イルにここまで想われている俺は果報者だと。そうなのかもしれない。いや、実際そうなのだろう。

 本当に、俺なんかのどこにそれほどの価値を見出だしたのやら。困ったやつだ。

 苛烈とも取れるその性情は、第一王子としては落第点だ。場合によっては非情になるべき時もある。いつかは見捨てる選択と覚悟が必要になる。為政者とは取捨選択の繰り返しで、そこに私情を挟んではならない。まだ八歳のイルにそれを強要するのは不憫だが、第一王子殿下で、順当にいけば王太子に冊立されるだろうと嘱望される身であるからには、八歳であろうと国のために取捨選択を学び、そして選ばなくてはならない。


 俺の考えが透けて見えていたのか、不意にイルが思わずといった体で苦笑した。


「わかってるよ、リリー。それじゃいけないことは、ちゃんとわかってる」


 驚いた――。陛下が教育し直すと仰っていたけど、三年前より着実に成長している、ということか。わあ、ちょっと感動……。

 イルはにこりと天使のような微笑みを浮かべると、可愛らしく小首を傾げながら「でも」と続けた。


「正当なやり方で、正当な理由で君に害を為す不届き者を排除する分には問題ないよね? そのためなら知識も力も貪欲に取り込んでいくつもりだよ、これからもね」


 わあ……腹黒さは健在だった。美しい天使の見た目に反して腹の中は真っ黒だな。やっぱりイルはどう成長しようともイルのままだった。それを嬉しいと感じてしまっている俺も相当末期か。


「にやけてるぞ」

「にやけてません」


 イクスの突っ込みに秒で返す。

 心がじんわりと温かくなったけど、脂下がってなどいるものか。ふん。


「さて、トラヴィス殿下。ご自身の魔力の流れは掴めましたか?」

「うん、大体はね。微調整はこれから覚えなきゃいけないけど」

「魔力操作のコツを掴むには、ひたすら地道に数をこなしていくしかありません」

「やっぱりそうだよね」

「近道はないので取得には努力と根性が要りますが、積み重ねた経験は裏切りませんので、頑張ってください」

「公爵令嬢が王子殿下相手に根性論を説くとかどうなんだ」


 喧しい。突き詰めれば結局は根性あるのみ!だろうが。

 イクスと暫し互いにジト目を向け合っていたが、不毛なことは止めて本題に戻らなければ。


「では殿下。ご自身の魔力の流れを感知できるようになられたご様子なので、いよいよ無属性の神変(ラグ・エテレイン)を行使してみましょうか」

「緊張する……」

「大丈夫ですよ。コツを掴むまではわたくしがきちんと魔力の流れを見ておりますので、過剰だった場合は強制的にディスコネクト致します」

「ちょっと待て。発動される寸前の魔法に干渉出来るだって?」

「出来ますよ? わたくしの創造魔法には、あらゆる事象を否定する万物流転がありますから」

「滅茶苦茶だな……」


 イクスが思い切り頬を引き攣らせた。

 言いたいことは分かる。本当に滅茶苦茶な力業だからな。創造魔法の中でも群を抜いてチート過ぎる能力だと我ながら思う。


「ではアレックス様。試してみますか?」

「は?」

「わたくしに闇魔法を向けてください」

「は?」

「そうですね、視覚的にわかりやすく麻痺で」

「は!?」

「どうぞ、ご遠慮なく」

「出来るか!」

「百聞は一見にしかずと言うではありませんか」

「人に向けるなど、例え訓練でもやりたくない!」

「それじゃ上達しませんよ。わたくしなら大丈夫ですから、ちゃちゃっと麻痺をかけちゃってくださいな」

「気軽に近場に買い出しに行くみたいなノリで言うな!」

「ついでに闇属性の魔素の動きを確認できるのですから、一石二鳥では?」


 一挙両得だろ? お前もそろそろ闇魔法に慣れとけ。

 再びの無言の攻防戦が繰り広げられたが、イクスは頑なに首を縦に振ろうとしない。頑迷固陋な奴め。


「絶対大丈夫だからやってみろって」

「リリー」


 イルがにこりと微笑んで遮った。なんだよ?

 ぎょっとした様子のトラヴィス殿下と、少し離れた位置に立つ陛下とアドラム宰相閣下の突き刺さる視線を見渡して、もう一度イルに視線を戻す。


 ……あれ? 俺、今なに口調で言った?


 トントン、とイルが自身の下唇を示す。もしかしなくても、俺、口走ってた?

 イルにこくりと首肯され、恐る恐る陛下と宰相に視線をずらす。


「……………っっ」


 途端、陛下がめちゃくちゃいい笑顔を刷いた。ああ、これは完全に聴かれてた。ヤバい、本気でヤバい。

 ハッ! お、お父様も、まさか!?

 慌てて視線を巡らせれば、魔法師団面々は索敵に集中していてこちらには関心を寄せていなかった。あああああ良かった!! セーフ!!


「姫」


 ぎくりと首を竦め、おずおずと近寄ってきた陛下を見上げた。イルを盾にすることも忘れない。


「そう身構えずとも良い。男であった前世の人格を継いでいると聞いていたのだ。今さら驚くことでもない」

「えっ? 父上、レインリリー嬢の前世は男だったのですか?」

「そうだと聞いている」


 トラヴィス殿下がびっくり仰天とばかりに俺を見た。は、恥ずかしいのであまり見ないでいただきたい。

 なんだこれ。下着姿で寛いでいる様子を目撃されたみたいに恥ずかしいぞ!


「父上。あまりリリーをからかわないでやってください。ラビもじろじろ見ない。そうは見えないかもしれませんが、リリーは恥ずかしがり屋なんですから」

「それは悪いことをしたな。して、シリル? お前やアレックスは動じていないが、もしかしてお前たちの前では先程の姫が常か?」

「ええ。リリーは気の置けない同世代の前だと前世寄りの口調になってしまうようです。可愛いでしょう?」

「可愛いは余計です……」


 一応抗議はしておく。控え目に。ずっとイルの背中に隠れているから格好つかないけど。


「ははっ! シリルには随分と気を許しているようだな。今日は姫の色んな表情が見れて嬉しいぞ」


 ううぅ……絶対愉しんでる。


「リリー、大丈夫だよ。グレンヴィル公爵には内緒にしておくから」

「本当?」

「本当。ですよね、父上?」

「そうだな。ふふん。ユリシーズの知らないことを私が知っているというのは大変愉快だ」

「父上。ボロを出さないでくださいね。リリー、怒られるようなことはないから心配しないで。それから、もう少し警戒心を持とうね」

「うう……ごめんなさい」


 よしよし、とイルに髪を撫でられながら、首の皮一枚繋がったということで本当にいいのかと、ぐるぐるとまとまらない思考に翻弄されていた。


「ほほほ。仲睦まじくて大変よろしいですな、陛下」

「まったくだ。シリル。これかも励めよ」

「ええ。お任せください。リリーは誰にも渡しません」


 そんな会話さえ、プチパニックに陥っている俺の耳には届いていなかった。






 ◇◇◇


「コホン。ええと、大変失礼致しました。気を取り直しまして。アレックス様」

「お前に麻痺はかけないぞ」

「チッ」

「おいこら公爵令嬢。舌打ち止めろ。ちゃんと取り繕え。バレたからっていろいろと台無しにしてるぞ、お前」


 いいんだよ、もう。一番警戒すべきお父様は俺から意識を離しているし、陛下はニヤニヤしているし、トラヴィス殿下も平然としてる。王族の順応性半端ねえな。


「ではそんなチキン野郎のアレックス様のために、ダミーを用意して差し上げましょう」

「誰がチキン野郎だ。お前ホントいい性格してるよな」

「お褒めに与り光栄にございますわ」

「一欠片も褒めてないけどな」

「まあまあ。リリー、それで? ダミーって?」


 いがみ合う俺とイクスを取り成すイルという構図を、陛下はずっと面白そうに眺めていらっしゃる。何かすみません。いつものことなので気にしないでください。


「擬似的な魔物を生成して、アレックス様に討伐していただこうかと」

「「「は?」」」


 名指しされた当人だけでなく、陛下と宰相閣下も同じ素っ頓狂な声を出した。


「ええと、リリー? それは人工の魔物を生み出せる、という解釈で合ってる?」

「はい。合っています」

「……どうやって?」

「三年前の魂振祭(たまふりさい)でアレックス様から頂いた魔石を媒体に、創造魔法で作れると思います」

「思います……。因みに今まで作ったことは?」

「ありません」

「つまり、ぶっつけ本番?」

「そうなりますね」


 一様に口を噤む。無謀だって言いたいんだろ?


「だって、そうでもしないとアレックス様がひよるから」

「べ、別に怖じ気づいたわけじゃ」

「ならわたくし相手に闇魔法、出来ますわよね?」

「うぐっ」


 はっはーん。ほれほれ。まだチキるか?


「リリー、許してあげて。僕も君相手に闇魔法は止めてほしい」

「ええぇ~……じゃあダミー」

「ダミーも駄目。安全性の確認も取れていないでしょ」


 ごもっとも。正論過ぎて面白くない。むうっとむくれていれば、こちらの騒動に気づいたらしいお父様からコツンと優しい拳骨を頂いた。


「殿下のご指摘通りだ。人工魔物など危険な真似は許可できない」

「あう……ごめんなさい」

「だが、うちに帰ってから、私の監修の下であればいいけどな?」


 マジで!?

 パアッと喜色満面で見上げると、お父様が柔和な視線で小突いた頭を撫でてくれた。


「おいおい、ユリシーズ。そりゃ卑怯だぞ! 俺も参加させろ!」

「そうですよ! 実父だからって、副師団長ばっかり狡いです! 横暴です!」

「喧しい。これは父親の権利だ。娘の安全は私が守る」

「ならばこの場でやっても良いだろう。独り占めはいかんなぁ、ユリシーズ?」


 陛下も人工魔物を見たいのですね。とても良いお顔をされています。

 仮に人工魔物が暴走したとしても防護魔法を予め張っておくつもりだし、もしもの時は万物流転で消してしまえばいい。まあ創れるかどうかも分からないしね。

 そう算段していると、ナーガが涼しい顔でど忘れしていたことを指摘した。


『瘴気がなければ魔物は生まれないよ』


 ああ、と全員が異口同音だった。

 そうだった。瘴気溜まりは山にあって、人里には存在していないのだったな。すっかり失念していた。


『魔物は無理だけど、リリーが持ってるあのクラスの魔石なら、リリーの魔力で精獣(せいじゅう)は生み出せるよ?』

「「「「「は?」」」」」

『さすがにドラゴンやラスロールは無理だけどね』

「「「「「は?」」」」」


 先程から全員の反応が同じだ。

 ちょっとナーガの言っている意味がわからない。


「ええと、……ナーガ? ひとつ確認させてほしいのだけど」

『どうぞ』

「魔石と魔力で、精獣が生み出せるの?」

『普通はできないね』

「そうよね? 有機体創造なんて、人の範疇超えているわよね?」

『そうだね』

「それなのに、わたくしには可能だと禁忌を唆すの?」

『精獣の体組成に似せてナーガを受肉させたのはリリーでしょ? 何を今更。しかも魔物を生み出そうとしていたのは誰?』


 そうでした。すでにナーガでやらかしてました。そもそも生命創造は死者蘇生並みのタブーだろう。ダミーのくだりも耳が痛い。というか、その体、精獣だったの? 初耳なんですけど……。


「で、でも、他の要因も絡んでるって。結局なにが干渉していたのか分からないままじゃない?」

『ん~。今ならあれかなぁ、と推測は出来てるんだけど』

「なに」

『リリーの、金の混ざった青い魔法陣』

「……………」


 つまり。どう転んでもやらかしたのは俺だったと。

 しかも無意識に発動させたらしい聖霊や神寄りの魔力。いや寧ろ、それはなんちゃって神力と呼ぶべきじゃないのか。


「……………。じゃあ先に残っている闇属性と無属性の検証を続けましょうか!」

「逃げた」

「うん。逃げたね」

「リリー。何度も何度も注意喚起してきたことだが、行動を起こす前によく吟味しなさい」

「面目次第もございません」


 俺はどうやってもやらかさずにはいられない質らしい。学習能力の欠如とか、本気で凹む……。


「姫様。闇魔法なら僕が試してもいいですか?」


 ああ、そっか。ディックも闇属性持ちだって言ってたもんな。


「はい。アレックス様ではチキっててまったく検証が進みませんもの」

「お前な」

「お任せください。ああでも、姫様に闇魔法行使は僕も勘弁願いたいです。第一王子殿下に恨まれちゃいますし、何より副師団長に殺されます」

「ほらな。俺だけじゃなかっただろ。もうひよったとかチキってるとか言うなよ。チキン野郎も止めろ」


 イクスのドヤ顔にイラッとするも、大丈夫だと言い張って嫌がる相手に強要するのは間違っていたなと反省した。

 しかしイクスの闇魔法忌避は相変わらず根深いなぁ。何事も使い方次第なのだから、せっかく持って生まれた才能を潰すのは勿体ない。


「では時間もあまり残っていないので、そろそろ試してみますね」


 そう宣言したディックが魔力の塊をドーム型の天井へ放つと、地面に魔法陣が現れ土人形が顕現した。


「地魔法の魔法陣……?」


 ダミーあったね。俺がタブー犯す必要全くなかった。


「すげえだろ!? 実践訓練用に最近俺が開発したんだぜ!」


 師団長が得意気に胸を張る。確かに実用的で凄い物を作り出したものだと感嘆したが、でもこれって……。

 ちらりとナーガを見れば、眇めた金の双眸で土人形を一瞥して、ふん!とばかりに目を逸らした。

 ああ、うん、気に入らないよね、聖霊としては。周囲の魔素たちもけしからーん!と騒いでいる。その様子に有頂天だった師団長もさすがに慌て出した。


「えっ……まさかこれも駄目!?」

『理に触れるわけじゃないけど、軍事利用できるそれは好きじゃない。戦争に投入できるようになれば、相手側ばかり死傷者が増える』

「人と人の戦争はいいの?」

『それは人間同士の問題。互いに大きな損失があれば争いも減る。魔術のような一方的な殺戮は許容しない。()()も訓練だけなら見逃すけど、大規模戦闘に使用した時点で聖霊は力を貸さない』


 それは実質魔法が一切使えなくなるということだ。

 さっと青ざめたのは師団長だけではなかった。魔法ありきの国はバンフィールド王国だけではない。それが国防の消失を意味するのだと子供でもわかる。


「陛下。フォークスの扱っている魔法陣の種類を、一度拝見されていただきたいのですが」

「ああ、手配しておこう。聖霊様にそっぽを向かれては、我が国の存続も危ぶまれる。いいな、コーニーリアス」

「御意!」

「ありがとう存じます。では土人形は訓練用のみ許容するということでいいかしら、ナーガ?」

『約定を違えなければ構わない。気に入らないけど』

『気に入らな~い』

『鳥頭め~』


 どうやら魔素たちは鳥頭呼びがお気に入りらしい。きゃらきゃらと声をあげながら、師団長の周りをからかうように舞う。


「それでは聖霊様にもご許可頂けましたので、土人形に石化魔法をかけたいと思います。よろしいですか?」

「はい。お願いします」

「―――迫る敵の自由を奪え。ジェイド」




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