ラルフさんとは?
そんなこんなで、言い合いながらもラルフさんと聖騎士サマ達と共にお城の中に連れられたが、私はというと、背中の柔らかい部分をラルフさんに甘噛み加減で噛まれながら何処かへゆっさゆっさ運ばれる途中である。
私が大人しくラルフさんに
されるがまま状態の為か知らないが、
ラルフさんは心なしか嬉しそうだ。
ふぁぁあ。
ラルフさん私の柔らかな背中の肉を
食い千切らないでくださいよー…。
待て待て待て…!!!
莉子!流され体質もいい加減にしろぉ!
…いい加減現状把握しよう…!
〝キモ男〟からの逃亡中→絶対絶命⁉︎→ファンタジーな世界→いや待てここでも絶対絶命→イケメン→ラルフ狼…→聖獣サマと呼ばれる→…ラルフさん…ラルフさん…。
アッ…だめだこりゃあ。
思考がラルフさんに邪魔される。
『みゅゔゔゔゔ(こん畜生めぇ)』
『ふがふが。リコ。何か言ったか?』
アッいけない。
ついつぃ、心の声が出てしまった様だ。
『いぇいぇ!お気になさらずぅ〜^^』
ふっ。ラルフさんのご機嫌取りは
疲れるぜぃ…!
…というか、どうして私はラルフさんに
こんなに親近感感じてるのだろうか?
出会って少ししか経っていないが、
ラルフさんは、
私がキモ男に出会った時みたいな
激しい拒絶感は全然起こらないし、
家族愛とはまた違う…
というか…私が3歳の時に
家族皆、交通事故で亡くなってしまったから家族愛というものを私は知らない。
ずっと施設で、過ごしてきて、
学校でも友達も作らずに
今まで生きてきたのに…。
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バッグの中が開かれ、恐る恐る外に出て
一番に確認したのは太陽の下で
光輝く綺麗な金色の狼さんだった。
『我はラルフ。我と共にいこう。』
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うぁぁぁぁあー!!!
思い出すと顔から火が出そう!!
良い口説き文句ッスっ!!
ラルフさん…!!!
イケメンだったぁぁぁぁ!!!!
さっきからみーみー騒ぎだした私に
周りの侍女さんや聖騎士さん達は
隠しきれないデレデレした表情である。
ラルフさんはというと、
『グルルル…怒』
ちょっぴり怒りだしている笑
うむむむぅ!
よし!悩んでいても仕方がないっ!!
本人に私たちの関係について聞こう!!
そうと決まれば、しっかりラルフさんと
向き合って話し合わなければ!
とりあえず、
手足をジタバタしながら訴えてみる。
『ラルフさーん!!
おろしてくださーい!!』
バタバタする私にため息の様なモノを
ついた金色の狼さんというと…
『ならぬ。』
キィ〜ッ!!こやつぅ!!
可愛い子狼のお願い♡を拒否だとぅ!!
だがしかし!
今ここでしっかり聞いておかないと
私の運命が決まってしまう!!
負けるな私っ!
『ラルフさんとお話ししたいのです!』
継続する私の訴えにラルフさんが
諦めのため息を吐いた。
『まったく…仕方のない子だ。
少しだけだぞ。』
やれやれという様な動作で私を
柔らかなマットレスの上に降ろし、
私の前にラルフさんが移動して肢体を
下ろして、私と視線と高さを
同じにしてくれた。
私を慈愛に満ち溢れ…いや、、、満ち溢れ過ぎているくらいに優しい瞳でラルフさんが私のことを見つめている。
ラルフさん、、かっこいいなぁ〜。
『それで?なんの話だ?』
『うっ!ラ、…ッラルフしゃん!!
どうして私は貴方の事で
こんなにも悩むのでしょうかー!』
ラルフしゃーん!
…ラルフしゃーん!
……ラルフしゃーん!
ぎ、ぎゃぁぁぁぁあああっ!!!!
か、噛んでしまったぁぁーー!!!!
内容もやばいいいっ!
大事なところでぇぇぇ!!!
穴があったら入りたいい!!!
噛んでしまった事含め…うんむんが
恥ずかし過ぎて
ラルフさんのフサフサ毛並みの中に入り、
隠れる…いざ!忍々!
ラルフさんは私が発言した内容に
ピシィッと固まって動かない。
ウゥ〜…だって!だって…
本当にラルフさんの事でいっぱいだもん!
侍女さんや聖騎士さん達は、
鼻から大量出血で死にかけている。
「死ぬなーっ!死ぬんじゃないっ!!
萌えはこれからダァァァ!!」
「も、もうダメ…可愛い過ぎて…
グハッッ!!」
…うん。何も聞こえない。
しかし、ラルフさんのお耳には届いた様で
やっと意識がこちらへ戻ってきた様だ。
そして、私は今いる場所はラルフさんの
腕と腕の間だが、ラルフさんが自分の鼻を近づけ、私にチョンチョンと触れる。
そして、ため息と共に
聞こえてきた声は掠れていて甘かった。
『リコが我の番だからだろうな』
じれじれ?
いや!!私はすぐに恋愛を始めて
(萌えが)欲しいです(^^)
聖騎士さんや侍女さんのお気持ちはほぼ作者の気持ちと同じですね笑笑