ご対面
山賊たちは皆牢の中に捕まり、
現在私は目の前に見えるお城へと移動中の
金色の狼さんのぴこぴこ耳の間に
おすわり状態で鎮座している。
ふははは〜…。
それにしても、この街の人たちは何故…
私たちに土下座状態なのか…。
後ろから付いてくる聖騎士サマ方は
凄いピシッと整列しながら付いてくる…。
あっ!一番前の赤髪の人!
凄いイケメーン!!!!!!
イケメンをもっとガン見する為に、
前から後ろへ方向転換すると金狼さんが
不機嫌そうにぐるるぅお!!と唸った。
『さっきから…リリィ…ッ!!!
そんな畜生より、我を見ろ!
そして前を見なさい!
今日のオヤツを抜かすぞ!』
『えぇ〜!!!そ、そんなぁ!!
ラルフさんのヤキモチ焼き!!』
『ハンッ!!なんとでも言え!!』
『キィィィィッ!!!』
そんなこんなで、出会って早々、
お互い自己紹介した所から
ラルフさんと私の言い合いは
止まらないのだ。
皆さん、お判りだろうか?
さっきからグルルルとうるさい畜生は、
金狼=ラルフさんである。
おいこら!!そこのイケメン軍団
言い合う私たちを後ろで慈愛の微笑みで
見守る聖騎士の方々にラルフさんの
立派な耳を甘噛みしながら
『みーみー』と
一生懸命訴える。
すると、イケメン聖騎士サマ軍団は
慈愛の微笑みを一瞬で崩して、
顔を蒼白にして膝を付いた。
そして、冷気漂わせるラルフさんが
いきなり頭を下げ、
私は地面にコロコロと転がった。
『もぅ!ラルフさん!!
か弱いレディを地面に落とすなんて!』
全くもーっとぷんすことラルフさんのお脚を小さな子犬並の脚でペシペシ叩くが、
全く攻撃として効いてない。
それだけでも、『ふみぃぃ!』と
キレる子狼に、
大人の狼はふんっと鼻を鳴らす。
そして、私の前におすわりして
『レディだと…?
いいか!リコ!!!淑女が
色んな輩に尻尾を振るな!!
尻尾を振るのは我だけにしろ!!』
何度目かの同じ説教が始まる。
だがしかし、内容を確認すると、
まるでヤキモチ焼いた彼氏の様だ。
うううううっ!!!
きゃぁぁぁぁぁ!!♡
ラルフさーーーーん!!!
さっきから心臓がバクバクキュンッ状態!
マジな顔をして毎回告げてくるが、
この金狼無自覚なんだろうか…。
それとも狙ってるのぉぉぉ!!!
だがしかし!
イケメンは鑑賞したいので
『ふぇっ(キュンッ)!?!?
ゔう〜っ……、、
横暴なぁぁぁ!!』
一応反論ぽい事は告げておこうかな(*´꒳`*)
そんなこんなで、城の門の前で
1時間は言い争っていた。
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「お母さーん!
聖獣さま達がけんかしてるよー!」
「しぃーっ!よく見なさい。
お母さんとお父さんみたいに
らぶらぶしてるだけよ!」
主人公曰くファンタジーな世界
→うんファンタジー!!
この国は獣人の国ですねハイ^^
聖獣はざっくりいうと神様的存在。
主人公の母親は山賊達によって
殺されました。
普通は聖獣同士の交流は無いが、
番ならば別…ぐふふっ