三月の雨は冷たい
2014・12・23日 改稿
彼女と同棲生活に入り、半年が過ぎ去った。
三年近く付き合っている彼女との結婚を意識したとき、なぜか、二十三年前の出来事が脳裏に浮かんだのだ。
瞼に映るのは、霞んで、色あせた街並みの情景だった。あの日、つめたい雨が降っていた。
卒園式から数日後の午前中、父の居ない自宅に母の弟の叔父と祖父母が訪れ、部屋にある荷物を慌ただしく運び出した。当時、僕は三階建ての低層マンションの一階に住んでいた。
マンション・・・。
※ 一身上の都合により、大幅に改編しました。今まで感想をいただき、ありがとうございました。