あいらぶゆー。のーせんきゅー
元々、好きに理由はない。
一目惚れで彼女に付きまとわってもそれもそれでいいだろう。
というわけで、俺は今彼女が好きで好きで堪らない。
世界の中心で彼女の名と愛を叫びたい。
でも世界の中心が何処か分からないから、俺は文化祭のステージで彼女の名を叫んで好きだー! って告白がしたい。
でも俺の学生時代は終わってしまっていた。
そんな些細な事すら言えずに終わっていただなんてな……、ふっ。俺の人生どうなってんだ。
しかし、本当にどうすれば、彼女に愛を伝えられるだろう。
観覧車が眺められるロマンチックな景色と共一カラットのにダイヤのリング……って、どこのドラマだよ!
俺もそこまで現実味のない事はしたくはない。
そしたら逆に現実味をあふれさせるために……、マクドで結婚してくださいと…?
う、っわ………、引く、逆に引くぞ、これ。
店員動揺するわ、マクドにいる中学生共が騒ぐわ、で大参事じゃないか…。
そしたら、遊園地で結婚してくださいとか…んー、ないか。
………うーん、やっぱり止めだ。またあとで考えよう。
そうだな、あと……2日したら告白しよう。
あなたの事がずっと好きでしたー! 結婚を前提にお付き合いしてくださいー!
って言う感じか…?
「その答えはノーだ、なぁ」
俺は眉を顰めながらストローを歯で噛む。
「…………うーん」
何かも古典的だ。ものすっごくダサくて、惨め。
………いや、俺の度胸がないのが一番悪いんだけども。