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第七十八回
「ほう…それは何かね?」
「教授のところへ納入された霊動感知機という機械の出どころが、実はその佃教授の研究所だったんですよ」
「霊動感知機だって? 何だね、それは?」
「佃教授は霊動学の権威者なんですがね。その霊動学を実証するために作られた機械なんですよ。ゴーステンという物質を使って…」
「ゴーステン? 益々、分からん」
「まあ、分からないのが相場です。おいおい、お話します」
上山は田丸を宥めた。
「結局のところ、平林君が君には見えるということだな」
「はい、それはもう…。現に、今もここにおります」
上山はプカリプカリと宙で漂う幽霊平林を指さした。
「なんだ…今日も出とるのか」
『出るとは失礼な! 日や月が昇るんじゃないんですから』
「出るとは失礼な、と申しております」
「えっ? ああ…。いや、これは失言だ。申し訳ない」
田丸は上山が指さした空間を眺めて、そう云った。
『課長! いちいち伝えないで下さいよ。僕が居づらいじゃないですか』
「いや、すまん、すまん」
「なんだ! どうした? 上山君」
「いえ、こっちのことです」
「それで、佃教授は、どう云ってられたんだ?」
「はい。今の霊動学では、まだ詳しいことは分からないとか…」
「何が分からないのかね?」




