表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
331/338

三章 第九十八回

『フフッ…。でも、もうその心配もなくなると思いますよ。そろそろ消えることになりそうですから』

「えっ?! って…、次の昇華をするってことだよな?」

『はい、そうです。課長のいる人間界へ生まれ変わるんですよ』

「…そうだった、そうだった。ということは、最後のお別れに現れた、ってことか?」

『はい。まあ、そうです。消えてからでは会えませんから…』

「ああ…、そりゃまあ、そうだわな。理にかなってる」

 上山は上手く丸められた格好で、うなずかされた。

『そんなことより、国連に地球語の管理流通組織が出来たようですね』

「ああ、☆⇔☆だろ? これだな…」

 上山はテーブル上の新聞を指さした。

『そうです、これこれ…。☆⇔☆…』

 霊魂平林は、ユラユラと揺れながら静かに降下し、新聞の一面見出しを凝視した。

「その記事によれば、☆⇔☆マークは分かるが組織名は地球語標記だな」

『ええ、そのようです…。僕の知らない字体です』

「それは私も同じだ。小学生と同じで、一から習わんと、さっぱり分からんわ、ははは…」

『その点はフツーの人と、ちっとも変わらないんですね』

「そうだとも。だいたい、フツーでいいんだよ、私は。すべてが、フツーで…」

 上山は、やや興奮して、幽霊平林が浮遊する見えない空間を見つめて、云った。

『まあ、そう云われず…。すぐ、覚えられますよ。小学生が習うんですから…』

「そうだといいが…。君は人ごとだからいいな」

『いや~、僕だって昇華して生まれ変わりゃ、いずれは覚えねばならなくなるんですから…』

「おお! そりゃ、まあそうだな」

 その言葉で、上山は溜飲を下げた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ