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三章 第七十四回

『ひょっとすると、これは霊界のご意志なのかも知れませんよ。いや、恐らくそうでしょう。ちょっと戻って、霊界番人様に事情をたずねてきます。またすぐ戻りますので、ひとまず…』

 幽霊平林は格好よく、いつものように消えたが、生憎あいにく、その姿は上山には見えなかった。

 霊界へ戻った幽霊平林は、すぐさま如意の筆を手にすると、いつものように念じたあと、二、三度、振った。すると、当然のように光が射し、その放射光に導かれるように光の輪が幽霊平林の近くへと降下した。

『なんじゃ! …また、お前か。世話のかかる奴じゃ。今度は、いったい何用ぞ!』

「はい、申し訳ございません、霊界番人様。実は人間界へ現れましたところ、僕の…いえ、私の上司が私の姿が見えないと申しまして…。それでお訊ねしたいと、お呼び致した次第でございます」

『おお、そのことか…。この前、確か云っておったろうが』

『いえ、左様なことは、お聞き致しておりませぬが…』

『そうじゃったか? まあ、わしも、いろいろと忙しいゆえのう…。おお! そうじゃ、云ったが詳しくは申さなかったようじゃのう。二段階は昇れる旨の話は、したであろうが』

『はい、それは確かに…』

『じゃろうて…。で、じゃ。そなたの姿が人間界で見えぬようになっておるのは、すでに、そなたの身が第一段階の御霊みたまへ変化しようとしているきざしなのじゃ』

『えっ! すると、この僕、いえ私は御霊になるので?』

『そういうことじゃ。さらに、もう一段階、昇れるによって、そなたの霊は誰ぞの身に宿ることとなる。…誰とまでは云えぬがのう…。かなりの行いをなしたによって、そなたの知る身近なところへ落ちつくであろう。これ以上は、霊界の決めによって、云えぬが。まあ、儂から、そなたに伝えられるのは、それくらいかのう。安心したか?』

『はい、霊界番人様。有難うございました』

『もうよいか? …では、行くぞ。ああ、忙しい、忙しい!』

 霊界番人の声は次第に小さくなり、光の輪は上方へと昇りながら消えていった。

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