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三章 第七十二回

『いやあ~、そんなつもりじゃないんです。どうも済みません。それに僕だって、この先、どうなっていくのか、不安はありませんが、不安定な身の上なんですから』

「ああ、そりゃそうだな」

 上山も幽霊平林も、しばし沈黙した。

『二人のコンビも、ついに終焉しゅうえんですかね』

「ははは…、コンビというほどのこともなかったが、君が死んだあとの付き合いは、上司と部下という仲でもなかったなあ…」

『はい。生前のように叱責されることは一度もありませんでした』

「今、思えば、富士山の青木ヶ原樹海だのアフリカだのと、文明の力を使わずに行けたのは、人類史上、恐らくこの私だけだろうし、感慨深いよ」

『異変が起こらなかったら、僕と課長は、僕が事故死した段階で別れてたんですからねえ』

「いや、それはまさに、そうだな」

 二人(一人と一霊)は、別れる前の想い出話をするように語りだした。オレンジ色の空はすっかり暗くなり、すでに夜のとばりが辺りを覆おうとしていた。

『少し加速度がついたTHE ENDエンドだな。で、私のことなんだが、君が見えてない状態へ戻るってことだったけど、それって、君の記憶は私の中に残るのか?』

『いや~、そこまではおたずねしてないんですよ。なんでしてら、いておきますが…』

「ああ、よろしく頼むよ。…って、どちらでもいいんだけどね。メリット、デメリットはいずれにしろ、あるだろうから…」

『えっ?! …って、どういうことですか?』

「だって、君の記憶が残りゃ、いろいろ懐かしんで哀れになるしさ。残らなければ残らないで、社長と滑川なめかわつくだ教授にさあ…」

『ああ…そうですよね。特に社長に訊かれたときとか、話題になったときとが大変ですよね』

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