表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
251/338

三章 第十八回

「それじゃ、頑張ってくれ! としか、私には云えんな」

 田丸は鼻下の髭を自慢げに片手の指で撫でつけながら云った。

「もう、いいでしょうか?」

「偉く、つれないじゃないか、上山君」

「いや、そんなこともないんですが…。今日、彼と、また会いますので…。次の新たな展開が始まる可能性もありますから、結果はいずれ社長にお話ししますよ」

「うん! それなら、いい。ご苦労さん。仕事を邪魔して申し訳ない」

「いえ、それはいいんですが…。係長の出水君もおりますから」

 本当にいい迷惑だよ…と上山は内心、思えていたが、口では、そう云っていた。

 上山が課へ戻り、その日は事もなげに時が流れていった。

 その頃、霊界の幽霊平林は、そろそろか…と、動きかけていた。動きかけるとは、人間界で云う、起きようとしている状態である。その幽霊平林が最初に気になったのは当然、現在時間である。もちろん、霊界には時の流れがないから、霊水瓶がめに流れ込んだ水量増加で経過した時間を加えて知る他はなかった。スゥ~っと動いて瓶に近づくと、上山と別れてから大よそ七時間が流れたことを水量目盛により確認出来た。少し早いか…とは思えたが、幽霊平林は人間界へと移動した。むろん、会社はまずいと直感で閃いたから、現れたのは上山の家である。部屋の時計を見ると四時過ぎで、まだ一、二時間は、あったか…と、適当に漂うことにした。一方の上山は会社で社長に解放されたあと、いつもと変わらず業務計画書や企画書などに目を通し、決裁を済ませていった。

「あの課長、よろしいでしょうか?」

 突然、岬が課長席に接近して、そう云った。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ