表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
246/338

三章 第十三回

『はい。じゃあ一端、戻って出直します。次はリストのメモを持ってきます』

「ああ、そうしてくれ。君ばかり活動させて申し訳ないが…」

『いえ、僕は幽霊ですから、その特性を大いに活用して下さって結構です』

 そう云うと、幽霊平林はニヤリと陰気な笑みを浮かべた。上山も思わず、「特性か…」と、ニヤけた。

 幽霊平林は一端、霊界へ戻り、上山が出社して時は流れた。霊界の幽霊平林は、霊界万よろず集で調べた独裁国家と、その首脳リストを見返していた。

『ヨーロッパでは、ベラルーシのルカシェンコ大統領、南米ではベネズエラのチャベス大統領、アフリカは、ジンバブエのムガベ大統領、スーダンのバシール大統領など、アジアでは、シリアのアサド大統領、イエメンのハーディー大統領、ミャンマーのセイン大統領、北コリアの金正恩氏など…か。北コリアは金正日総書記が死去したしなあ。いろいろ、世界はややこしい…』

 幽霊平林はブツクサと独り言を吐いていた。そして、メモ書きした霊紙れいしのリストと霊界万集の記載内容を突合とつごうした。

『まあ、間違いないようだな…。これから八時間ほどすれば、この霊紙を持って課長の家へ行けばいいんだな。どれ、それまで、ひと止まりするか』

 幽霊平林は、そう独りごちるとスゥ~っと住処すみかの端上へ移動した。ひと止まりとは、云うまでもなく、人間界で云うひと休みである。とはいえ、心を安息させるだけで、人間のように眠る訳ではないから、睡眠とは一線を画すのだ。むろん、止まる前に瓶に流れる霊水のセッティングは抜かりがない。この霊水の水時計システムを忘れれば、八時間待つという感覚は、さすがに把握出来ないのだ。そんなことで、幽霊平林は、安心して止まると、両眼を閉じて安息状態へ移行した。

 一方、人間界の上山は、のんびりと仕事をこなしていた。そこへ突然、社長の田丸が入ってきた。田丸がみずから業務第二課へ顔を見せるなどということは、めったになかったから、課内は緊張感に包まれた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ