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三章 第六回

『僕だって同じですよ、課長。念じてはいますが、今度は事が事だけに…』

「だよな。君と私が地球上で走る車やら工場の煙突から出る煙、原油の噴き出しで昇る油井炎なんかすべてを止めるんだからな!」

 上山は興奮ぎみに云った。幽霊平林はそれには答えず、無言でうなずいた。

『事がなったとして、果してそれで僕と課長は正義の味方になったんでしょうか?』

「いや、それは…」

 上山は口籠った。確かに地球温暖化を促進する温室効果ガスの発生は消滅するだろう。だが、それだけで、人類が、いや地球上のすべての生物が絶滅することなく幸せになれるんだろうか…と、上山には思えたのである。

『まあ、そんなシビアに考えず、とにかくやってみますか?』

「いや、待て! 確かに君が云うとおり、事がなったとして、それイコール人類が救われる、とは限らんな。当然、世界の産業生産は衰退するし、世界の経済や金融が極端に疲弊するのは必然だ。結果、人々の暮らしは貧困を余儀なくされるだろう」

『発想がネガティブになりますけど、確かにそうですよね。その策とか手立てを考えないと、僕と課長は正義の味方どころか、人類の敵になってしまいます』

「ああ…。すでに軍事産業に壊滅的打撃を与えたからなあ…。そのことも、この先、どうなるのか私達には分かっていない」

『ええ…。影響を与えた以上、マイナス効果が生じるようなら、その対応をせねばなりません』

 いつになくトーンを下げ、学者のような口調で幽霊平林は云った。

「私には分からんよ…」

『どうします?』

「どうしますって、それが分からんから弱ってんじゃないか」

「課長と僕が世界を悪くした、ってなりゃ困りますしねえ」

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