表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
199/338

二章 第八十一回

『本当は、こういう私的なことに使っちゃいけないのですが、今は仕事の打ち合わせ、…まあ仕事というとなんなんですが、活動中ですので、特別サービスです』

 幽霊平林は陰気にニヤリと笑った。

 注がれた茶を妙な気分で上山は半分ほど飲んだ。現実に起きている事実ながら、どうも上山には絵空事か夢を見ているとしか思えないのだ。確かに、急須が宙を漂って茶をれる、などということは現代科学では否定される事象なのだし、もしそれを世間で語れば、気がふれた、狂ったと揶揄やゆされるのは必定なのだ。しかし、現実にこうして淹れられた茶を啜っていると、やはり信じない訳にはいかない上山なのである。

「私には分からんが、君がその筆で念じれば、すべて思いどおりになるのか?」

『えっ? いや、それは分からないです。ただ、今までの経緯いきさつで云えば、ほとんど思いどおりになっています。失敗といいますか、念じて成らなかった試しはないです』

「そうなのか。そりゃ、大いに期待が持てるぞ。規模や人数、事の大きさは関係なくなるからな」

『はあ。それは、まあ、そうです…』

 幽霊平林はプカリプカリと漂いながらうなずいた。上山は茶を飲み終えて椅子を立つと、ツカツカと歩いて、ふたたび掲示板の前に立った。そして、自分の書いたマジックの箇条書を見ながら腕組みをした。

「現地では、すぺて君に念じてもらうしかないんだが、出来るだけ念じる内容をコンパクトにまとめる必要があるな。何が起こるか分からんソマリアだから、手短みじかに念じて如意の筆を、ということだ」

『そうですね。アレもコレもでは、僕も困りますし、忘れてしまいます。だいいち、時間が、いりますし…』

「そういうことだ。この箇条書きにした文章を、もっと短くまとを得て纏めよう」

『はい!』

「君も、私が纏める文章に気づくことがあったら云ってくれよ」

『分かりました』

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ