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二章 第六十七回

 朝刊にも掲載された紛争の勃発は、世界平和を揺るがせかねないものだった。それゆえ、上山が社会悪として撲滅の対象に考えたのも当然といえる。

 二人が行動を開始したのは、日曜の朝である。集合場所を上山の家近くの公園とし、朝の十時半、二人はベンチ前に集合した。もちろん、上山がグルリと左手首を回すことで幽霊平林が現われるというパターンの集合である。辺りは夏の熱気がようやく去り、秋の気配が漂う九月下旬であった。

「おう! 来たか」

『おう、来たかって、近所からやって来た訳じゃないんですから…』

「ああ、遠い遠いあの世だったな、ご苦労さん」

『なんか今一、気持ちが入ってませんよねぇ~。まあ、いいんですけど…』

「それよか、今は余り時間がない。歩きながら話そうや」

 上山は出勤の時間が迫っていたので、椅子を立ちながら、ややあわて気味に玄関へ向かった。

『はい…』

 幽霊平林は黙って上山の後方をスゥ~っと従うように流れた。

「勤務時間中に、君は如意の筆の効果を今一度、試してくれ」

『どうやるんです?』

「方法は君に任せる。効果がなけりゃ、世界紛争など私らにどうも出来んだろうが」

『はあ、それはまあ、そうです。なんとか試してみます』

「効果があれば、その規模というか、そんなのもな」

『偉く注文がつくんですね。そこまでは調べられないかも、ですよ』

「まあ、いいさ。ともかく、やってくれ!」

 玄関を出て早足で舗道を歩きながら、上山は隣でスゥ~っと流れる幽霊平林にそう告げた。

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