泣きたい
泣けたらどんなに楽だろうか
泣きわめけたらどんなに楽だろうか
楽になると分かっているのに
いざ泣きそうになると
泣くのを堪える私は愚かだ
傍に人がいたら
泣けるわけない
心配されるから
目を真っ赤に腫らした顔ほど
見苦しく、醜くなるのだから
そんな顔、誰に見せられるというのか
誰もいない、帰って来ない
さあ存分に泣けばいいと
己に言い聞かせた時こそ
泣けないのは何故だろう
安心しきってしまうと
体も別のことをしたくなるのだろう
ぼんやりして、ごろごろして
誰かの帰宅した音が鳴る
ああまだ泣いてないと
やっと泣きそうになって
泣くのを堪えるのだ
全く
飼い主に似て、怠け者なのだ
ほらな
誰もいない時こそ。絶好の機会の時こそ
泣きたい時こそ
泣けないのだ
End