約束
このお話しは小さい頃、親戚が亡くなった時のお話しです。その頃の私の事を聞いて書きました。
快晴だった。
4月13日のお昼ごろだった。
2人の赤ちゃんが生まれた。
その子達は、双子だった。
お母さんが、
「尊敬からとって・・・・。敬!!!!」
お父さんらしい人が、
「若い葉のように生き生きとしながら生きてほしいから、若葉がいいなあ」
近くには若葉達より、先にこの世に命を受けて生まれてきた子。
つまりお姉ちゃん。12歳の直子が嬉しそうにすわっていた。
そして、
「敬、若葉」
と妹の名前をつぶやく。
どれだけ一緒にいられるか分からない。生まれつきの心臓病のせいで・・・・・。
そして、1年たったある日。敬と若葉は喋れるようになった。
初めて喋った言葉は「ネーチャ」だった。
それを見て、直子はにこやかに息をひきとった。
直子のお葬式の日、よく分からず2人はポカーンと口をあけていた。
ネーチャは?と思いキョロキョロしていた。
これはいったいなんなんだろう?なんでお母さんもお父さんも泣いているのだろう?
2歳半になって、お喋りも歩くのも上手になって、しょっちゅう近くの公園に連れて行ってもらった。
ある時2人は、
「姉ちゃんは?」
お母さんは、
「もう帰って来ないのよ」
「なんで?」
何も分からない2人は普通に返事を返した。
お母さんは答えなかった。悲しそうに顔をおおうだけだった。
それから、2年後。若葉達が4歳の時。
お父さん達は、事故にあってお姉ちゃんの所に行ってしまった。
いくら2人が幼くても、もう2人だけだという事は分かっていた。
心配だった。だけど、どうにかなる。
ある時突然、城内さんって人と、高田さんって人が
引き取ります。
って言った。
それで、敬は大富豪」の城内さんの家へ、若葉は普通の高田さんの家へ。
「必ず、また会おうね」
約束した。
大きくなった、今。
お姉ちゃんが死んでしまった年齢の13歳になった。
「優しくしてくれたのかな?」
「お姉ちゃんってどんな人だったんだろう」
「会いたいね」
私達は大切だった事を忘れて生きてきた。これからは、一歩一歩、大切な事を忘れないで生きていきたい。