流星少女
2作目です。
よろしくお願いします。
※ご指摘いただいた箇所を修正しました。
「おい、お前。なにしてんだよ」
一軒家の裏側に、制服姿のままの少女が一人、壁を背にして座っていた。
「おばさんから、お前が帰ってこないから、俺んとこに来てないかって電話あったぞ」
少女は黙って少年を見上げている。
「ここ、俺の部屋の窓から見えてんだよ」
少年は、少女の隣に座った。
「ねえ、知ってる?」
「……なに」
「流れ星って隕石なんだって。あんなに綺麗に光ってるのに」
話しを聞きながら、少年は、この家の裏側は、華やかな表側とは違い、雑草がたくさん生えた荒涼とした場所であることに気がついた。
「隕石ってことは、どこかに落ちるのかな?」
「……そうだろうな」
「ねぇ、もし私が空から降ってきたら、」
「お前すげえな」
「もし私が流れ星になったら、どこかに落ちる前に、受け止めてくれる?」
「……ああ」
「でも、お前重いから俺潰れそうでやだな」
少年は立ち上がり、ズボンの砂を払った。
「だからお前は流れ星にならないように、家に帰って飯でも食っとけ」
少年は座ったままの少女に手を差し伸べた。
「……ほら」
「うん」
少女は、少年の手を握り、立ち上がった。
読んでいただきありがとうございました!
流れ星は、本来は隕石ではなく一部が隕石になるようですが、
少女は隕石だと思っています。