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第八話 その名の行く先
第八話 その名の行く先
時代は流れ続ける。
明治、大正、昭和、そして――現代。
町並みは変わり、人々の暮らしも大きく姿を変えた。
刀を差す者はなく、武士という存在も、遠い過去のものとなった。
それでも――
新撰組という名は、消えることはなかった。
書物に記され、語り継がれ、
やがて物語として、多くの人の心に触れていく。
ある者は、その強さに憧れ。
ある者は、その儚さに涙し。
ある者は、その生き様に、自らを重ねる。
近藤勇。
土方歳三。
沖田総司。
彼らの名は、ただの歴史上の人物ではない。
生き方そのものとして、受け継がれている。
正しさとは何か。
信じるとは何か。
貫くとは何か。
その答えを求めるたびに、
人は彼らの姿を思い出す。
勝った者だけが、歴史に残るのではない。
強く生きた者が、心に残るのだ。
風が吹く。
それは、遠い壬生の屯所を抜けた風かもしれない。
あるいは、函館の戦場を駆け抜けた風かもしれない。
だが、その風は確かに、今ここにも吹いている。
新撰組は終わった。
だが――
その名の行く先は、まだ終わっていない。
人がいる限り、
迷い、悩み、それでも前に進もうとする限り、
その名は、何度でも蘇る。
静かに、だが確かに。
心の中で――。




