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神創図書館の不思議な一冊  作者: かずぞー
一章 一部 海の神殿

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29話 白銀の斬撃

「レノヴァさん、あれは…」

「本人です、確実に」


目の前で話すカルマは間違いなく本人だ、その目も、話し方も、最近気に入っているらしい立ち方も、その本人ということを示している


「安心してよ、本物本物、朝レノヴァと別れたばっかのカルマさんだよ」


カルマはそう言ってこちらに歩いてくる


「でも、同じ存在でも、今レノヴァたちの前にいる私と、オリヴィアで一緒にいる私の役割は違う」


次の瞬間、目の前から彼女の姿が消える


「具体的にどう違うかっているのは仲間かどうかってところかな?」


後ろから急に聞こえた声に振り返って剣を抜く


「うんうん、いい反応だよレノヴァ。今の私は海の鍵の守護者、これが欲しければ私に実力を示してくれないと渡してあげられないんだ、」


本当は今にでもあげたいんだけどねと言った彼女の顔はとても悲しそうで、それでいて普段は見ない立場に縛られているが故の覚悟を決めた表情だった


「そうは言ってもさ、久しぶりに真剣な勝負ができそうなんだ、楽しんでいこ?」

「レノヴァさん、折角ですし、お二人で楽しんでください、私はこの戦いをこれからの参考にしますので端っこで見させていただきますね」


どういう気を使ったのかアリアが離れて見守る中私とカルマは正面から相手を見据える


「本当に、やらなきゃいけないんだよね?」

「そりゃあもちろん、あ、加減はなしで行こ?すぐ決着がついちゃったらつまらないもん」


そう言った彼女が右手に力を籠めるとそこに白銀の剣が現れる

私も覚悟を決めて青色の剣を手に持ち少し距離を取りように歩く


「そうそう、それでいいんだよ、なにもこの戦いでどっちかが死ぬなんてことないしさ

段々と神の威厳を醸し出してきた彼女はでも、そんなに離れられると寂しいからさ、と権能を開放する


「っ!?」


目の前に現れた彼女の斬撃を防ぎきれず後ろに吹っ飛ばされる


「決まりだからってことで今回は時の権能を存分に使わせてもらうよ!神たる私にどこまであらがえるのかな!」


四方八方から襲い来る彼女の斬撃は情人に防ぎきれるものではなく腕や足に小さな切り傷を刻み込む、流石に権能の差は大きくカルマはつまらなさそうに言う


「まぁ、流石に権能で一方的に終わらせたくはないからねぇ」


正面から美しほど水平に剣を滑らせる彼女の件を受け止め弾く


「あはっやっぱレノヴァとの戦いはこうでなくっちゃね!」


やはり権能という偉大な力の差は大きいようでそれを使わなくなったカルマとの勝負ではカルマに傷を刻める

だがそうしてくると少しだけ心に隙ができてしまう


「やばっ」


上段から切りかかった私の剣を受け止めたカルマはそのまま剣を体ごと上に弾き飛ばしてくる重力に従って落ちる私の腹にカルマの膝蹴りが突き刺さる


「かはっ」

「油断したねっ」


壁に激突し地面にずり落ちるが剣を支えに何とか立ち上がる

はぁはぁと肩で息をする私にカルマがゆっくりと近づいてくる


「やっぱり力の有無は大きいね、こんなに簡単に勝てちゃうんだもん、でもまぁ楽しめたし、そろそろ終わりにしても…」


そう言う彼女より前、私の眼前に白玉のように真っ白な石が落ちてくるそれは私の手の前で止まりまるでつかめと言っているかのようだった


「これ、は?」


カルマも話を止めその石に警戒したのか少し下がる


「わからない、そんなの見たことないんだ」


触らない方がいいとカルマは言うがひどく懐かしく感じるその石に、気づけば手を伸ばしていた

触れた途端自分の中に膨大な情報と力が流れ込んでくる


「うっ」

「レノヴァ!」


思わず膝をついた私にカルマと見ていたアリアが駆け寄ってくる


「レノヴァ!大丈夫!?」「レノヴァさん!」


意識を手放す直前その最後に目に移ったのは満足したように消える半透明の少女だった

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