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志麻場 総司(しまば そうし)

「やはり、あの時見えた子だったか」


 スッ、メガネの中央を押してズレを治す。クラスのみんなは転校生が来ることまでは、どこかしらで知ったのだろう。しかし、容姿までは知らないようだ、証拠に性別まで分かっている人がいない。


 俺は、朝早く学校に来る。なぜか、簡単だ登校途中に知り合いに会って、学校まで何も話すことがないのに、行き先が同じという理由だけで一緒に歩くという、プチ地獄を味合いたくないからだ。それに朝の学校は静かで、時折雑音がする、読書にうってつけの空間に仕上がっている。

 よって、夏休み明け最初の登校日はいつも通り、朝早く登校し、先生も数人しかいない学校を静かに教室へ向かい歩いていた。


 どこからか扉の開く音がする。おそらく、まだ生徒は来ていないので、早く来た先生が教師室を開けたのだろう。廊下の突き当たりを曲がった先に幾つか部屋があり、その先の階段を使って教室のある上の階へ行く。

 その突き当たりを曲がる瞬間目線の先に、部屋に入る銀色の髪の毛の女生徒が見えた。「だれだ」そんな生徒はこの学校にいない。気になる、しかし、部屋に入ってしまった、通り過ぎる時に扉の隙間から見えないだろうか。そんな邪推をしながらペースは変えずに歩く。


 近づくにつれ、少しばかり話し声が聞こえる。

「親御さんには、この書類とこの書類に目を通して、サインとハンコお願いします。で、エリさんは、、、」

通り過ぎる瞬間、閉まりきらなかった扉の隙間から長い銀色の髪が見えた、それに名前がエリ、という情報は手に入れた。さっき目の端で捉えた女生徒の姿は見間違いではなかったようだ。


 おそらく、転校生だろうどのクラスに来るのかはわからないが、あの見た目だすぐに学校中の話題になるだろう。それにこんな地方に銀髪というのも目立つだろうに、意外にも知らないものだな。


 いつの間にか、教室にたどり着いていた、扉を開けるといつもの様に誰もいない。落ち着いて読書して待つことにした。


 

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