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籠球クインテット♪  作者: 千園参
第1章 Gahare and the beginning of everything.
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第7Q Versus Seisyun

今回からいよいよいよいよかという回になります。楽しんでいただけると幸いです。それではよろしくお願いします!!

 築村が入部してから1週間程度が経った頃、5人での練習もだいぶ板にハマってきた。そんなある日、玉置先生が練習前に俺たちを集めてある報告をした。


「まぁ1人女の子が混じってはいるがぁ、お前らもようやく5人揃って試合ができるってわけだぁ。ってことで練習試合の予定が決まったぞぉ」


「これまた急っスね。一体どことやるんスか?」


 相田が玉置先生に尋ねる。


「今回は俺の知り合いが監督をやってるチームでなぁ、成旬せいしゅん高校だぁ」


 成旬高校と聞いた俺たちはそれぞれの反応を見せていた。多分大体の人はどこだろうと思ったはずだ。しかし、築村だけは知っているような反応であった。


「成旬高校って言ったら、県大会の常連校だな」


「県大会常連って超強いじゃないっスか!?」


「俺たちでそんなチームと闘えるのか……」


 大滝や相田が不安を募らせる。


「なんだよぉ、お前らビビってんのかよぉ。藤崎ぃ、お前はどう思うぅ?」


「うーん、県大会常連か………」


「なんだぁ、お前もビビってんのかぁ?」


「うーん、全国に行くなら、いずれは闘う相手ってことだろ?だったらここで倒しておいて損はないよな」


「痺れるなぁ」


 玉置先生は痺れていた。


「じゃあぁ、試合は再来週の土曜日だぁ!それまでに県大会常連校と渡り合えるようになるには今からでも必死に練習だぁ!気合い入れていけぇ!」


 こうして今日からいつにも増して厳しい練習がスタートした。

 成旬との練習試合を来週に控えた金曜日―――


「痛って、身体中筋肉痛だな……」


 俺が登校途中、筋肉痛に悲鳴を上げながら角を曲がると、誰かとぶつかってしまった。


「ご、ごめん!大丈夫!?」


 とっさに謝ると、そこにいたのは川端さんだった。なんという偶然。というより朝から刺激が強い。


「あ、藤崎くん、おはよう。私は大丈夫だよ。へへ」


 か、可愛い。


「それよりも藤崎くん、身体痛そうだね。そっちこそ大丈夫?」


 逆に心配してくれるなんて、なんていい人なんだろうか。


「ここのところ練習がキツくて。でも、大丈夫!これぐらいで音を上げてられないから!」


「そっか。藤崎くんは頑張り屋さんだねっ。でも、無理はダメだよ?無理したっていいことはないんだからっ」


「うん!わかった!気をつけるよ!」


 そんな話をしていると、あっという間に学校に到着した。


「それじゃあねっ!」


 そう言って川端さんは俺に手を振って教室に向かっていった。なんと可愛らしい子なんだろうか。ヒロインなのか。まさか俺の物語のヒロインなのではないだろうか。そうに違いない。


 こんなことがありながらもいよいよ、練習試合を明日に控えた金曜日―――いつもの練習にも自然と気合いが入る。練習試合が決まってから実戦を想定した2on1の練習を取り入れていた。

 2on1とは1on1に似ていると思った通り、2対1のシチュエーションを想定したものである。そんな場面がありますかというと、これは意外とよくあるシチュエーションだったりする。これはオフェンスからボールを奪い、攻守が逆転した時に、速攻という5人で考えて攻めるというスタイルとは違い、とにかくスピード重視でディフェンスがオフェンスからボールを取られたことで切り替わるまでの隙を狙って点を取りに行くというものである。しかし、ディフェンスの全員が全員を出し抜くことはできないので、必ず1人ぐらいは自陣に戻っていることがある。そこで2人でその1人のディフェンスを崩すという練習になる。


「ダメだ!そんなパス回しじゃ取られちまうぞ」


 築村が言う。


「ごめん!もう一回頼む!」


 そしてその日の練習が終了した。


「今日はここまでだぁ!」


「今日は上がり早いっスね」


「明日は試合だからなぁ、今から付け焼き刃をしても仕方ねぇしぃ、怪我のリスクが増えるだけだぁ。だからぁ、今日は撤収ぅ!!」


「「「「「はい!」」」」」


 しかし、俺は先生が帰った後にシュート練を隠れてやっていた。

 初めてレギュラーとして出る試合が全国常連校の成旬高校というのは、驚きのデビュー戦であるが、いつかは超えるしかない壁の一つである以上、避けることのできない試合である。ならば、今のうちにどんなチームなのか知っておいて損はないだろう。

 そうは思っていても不安は消えないものである。その不安要素を一つでも減らしたいと思うのは普通のことではないだろうか。


「藤崎ぃ!まだ残ってたのかぁ!」


 玉置先生の叫び声が聞こえてきた。


「げっ」


「げっ、じゃねぇよぉ!さっさと帰れオラァ!」


 俺の様子を見て玉置先生が続けた。


「明日が不安なのかぁ」


「はい」


「俺も実は練習試合をこんなに早い段階で組んでいいものか迷ったんだよなぁ。でも、組むことにしたんだぁ」


「どうしてですか?」


「結局、試合をするしかないからなぁ。遅かれ早かれ、部活として活動している以上、お前たちはインターハイ予選である地区大会に出場することになるだろうぅ。お前たちの実力は練習の中でよくわかっているがぁ、それがどの程度、通用するものなのかは実戦で試す他ないぃ。だったらぁ」


「やるしかない……ですか」


「そうだぁ。だから、俺に見せてくれお前らの力を。練習試合ではあるがぁ、俺は負ける気はねぇぞぉ!勝つために今日は帰れぇ」


「はい」


 俺はバッシュを脱ぎ、体育館を後にした。バッシュとはバスケットシューズのことである。


「よし!明日は頑張るぞ!」


次回はいよいよ練習試合が始まります。文章でちゃんと試合を成立させることができるのか、とても不安ですが、皆様を楽しませることができるように頑張りますので、よろしくお願いします!!

それでは今回も読んでいただきありがとうございました!次回をお楽しみに!!

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