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籠球クインテット♪  作者: 千園参
第1章 Gahare and the beginning of everything.
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第6Q Friends to gather

やはり必要な説明が少なくなると物語の進みが早くなりますね。しかし、バスケものを書いている以上、試合をしないわけにはいかないので、というか試合しなかったら見所ゼロなので当然書くしかないので、そこで怒涛の説明ラッシュがありそうですが、お付き合いよろしくお願いします。

それでは楽しんでいってください!よろしくお願いします!!

 4人目の部員である木山さんが入部した次の日―――俺は昨日の夜からワクワクが治らずにいた。


「いってきます!」


 昨日の築村の練習姿を見るからに、そのレベルの高さを感じた。あんな凄い選手と一緒にプレーできるなんて、想像しただけでテンションが高まるというものである。

 校門をくぐり、下駄箱で上履きに履き替えていると、昨日の昼休みに体育館に現れた女子生徒の姿を発見した。


「君は」


「あ、おはよっ」


「おはよう。君は昨日の」


「そういえば、自己紹介まだだったね。私は川端真央。よろしくね」


 そう名乗る彼女は俺に優しく微笑んだ。とても可愛らしい子だと思った。


「あ、うん。俺は藤崎綾二。こちらこそよろしく」


「今日も練習?」


「そうだけど、川端さんは何か部活はやってるの?」


 質問を質問で返すような感じになってしまった。


「私?私はダンス部だよ」


「そうなんだ」


 こんな可愛らしい女の子と会話している時にとても失礼なことを思いついてしまった。何故バスケ部はないのにダンス部はあるのだろうかと。全国のダンス部の皆様申し訳ございません。ちょっと思っただけなんです。すいません。


「お互い頑張ろうね!」


 そう言って、彼女はまたしても天使のような微笑みを向けてくれる。


「そうだな。頑張ろう!」


 こうして川端さんと分かれ、1日が幕を開けた。

 そしてその日の放課後―――今日はバレー部もバドミントン部も外で基礎練習をするらしいため、バスケ同好会が早い時間から体育館で練習をすることができた。更衣室で着替えを済ませ、コートに入ると、そこには既に築村が練習着に着替えて待っていた。


「おせぇぞ」


「来てくれたんだな」


「言っとくがこの部が真面目にやってないと、俺が思った時点で抜けるからな」


「まぁまだ部じゃないんだけどな」


「そんなこと言わなくていいだろうが!」


 俺と築村がそんな話をしていると、相田、大滝、木山さんとメンバーが揃ったので練習がスタートした。


「ようぅ!ようやく5人揃ったなぁ!バスケット同好会いよいよ本格始動だぁ!気合い入れていくぞぉ!」


 玉置先生もいつもより心なしか気合いが入っている。

 今日の練習では、いつもなら外でランニングをして、筋トレ、階段ダッシュと基礎練をした状態で体育館の中に入っているので、すぐにシュート練習などに取りかかっているのだが、今回は同好会始まって以来、初の最初から体育館での練習なので、体育館のバスケットオールコートをランニングし、そこからフットワークトレーニングに入る。

 フットワークトレーニングとはバスケにおいて、足腰の力はとても重要なものである。そこでそれらを重点的に鍛えるために行う。足をメインで使うトレーニングのことである。主な種目としてサイドステップ(カニのような横歩き)、進行方向とは逆の足を先に出して足をクロスさせて横に進むクロスステップ、腿上げ、四足歩行ダッシュなどなど、そのレパートリーはチームによって異なる。

 フットワークで足を温めたら、次はレイアップシュートの練習である。1人や2人で練習していた時は連続10本といったところであったが、5人になったことで連続20本に数が増えた。その他にもスリーメンなども全て連続で決めなければならない本数が増え、練習は以前よりも過酷になった。


「はぁ…はぁ…キツイっスね……」


「疲れた………」


 木山さんもぐったりしていた。木山さんを入部させて失敗したと思ったことが一つだけあるとしたら、それは木山さんの練習中の仕草が本人は無意識なのだろうけれど、思春期の男子には刺激が強いということだ。


「じゃあぁ、次は1on1だぁ!」


 玉置先生がそう言うと、築村が俺を見た。


「ようやくお前とやれるな」


 そう言う築村の目はまるで獲物を狙う狼のようであった。


「結構です」


「なんでだよ!今回は絶対やる流れだっただろ!」


「いや、断る流れでもあっただろ?」


「アンタたち何やってんのよ……」


 木山さんがため息混じりに言う。

 結局、今回は1on1をすることになった。オフェンスが築村で俺がディフェンスで始める。築村の前に立った時、以前仲本さんと1on1をした時と同じような感覚がした。築村も既に俺たちとは別の次元にいるのかもしれない。


「ディフェンスの構えはそこそこ出来てるようだが、構えれるだけじゃ、俺は止められねぇぞ」


 築村のフェイクはとても自然で俺たちがするような不自然で悟られやすいフェイクとは比べ物にならない程であった。右で抜いてくるものだ俺が右にサイドステップでよると、左にできたスペースを狙って、ターンを入れた。その時点で俺は既に抜かれていた。追いつこうとするも、築村のフルドライブは速く、そのまま距離を離されたまま、ダンクシュートを決められてしまった。


「ダンクシュート、初めて見たっス………」


「レベルが桁違いね」


「俺を止められないようじゃ全国なんて夢のまた夢だ」


 築村はそう言った。


「ビックリするぐらい凄いな築村は。でも、俺も負けっぱなしじゃ終わらないからさ、次は俺がオフェンスだ」


「ふん、かかってこい」


 攻守を交代して再開する。


「(低身長のプレーヤーが持っている武器はドライブであることが多い。なら、その高低差を活かしたドライブで抜きにくるか)」


 築村はそう読み、俺が絶妙に抜きにかかるには難しい位置取りをする。オフェンスだけじゃなく、ディフェンスも上手い。言葉だけじゃなく、築村は実力も備わっているんだ。だけど―――

 俺は右手でドリブルを始め、どう抜きにかかるかを瞬時に考える。考えていると築村の手がボールへと伸びてくる。スティールである。


「うおっ!ヤバいけど、お前の言う通りここで躓いてる場合じゃないよな!」


 ドリブルしている手を後ろに持っていき、背面で右手から左手にドリブルの手を替える。そしてなんとかスティールを躱す。築村の一瞬の隙を逃さず、ジャンピングシュートでスリーを狙う。俺が放ったシュートはアーチを描き、ゴールリングをくぐった。


「まさかドライブじゃなく、スリーを狙ってくるとは思わなかった。なかなか面白いじゃねぇか」


「だろ?俺は全国に行きたい。そうなったら強い奴らと闘うことになるのはわかりきってることだ。だから、俺と一緒に闘ってほしいんだ」


「まだまだお前の技術は全国で通用するようなもんじゃない。今のスリーだってまぐれに近いしな。仕方ねぇから付き合ってやるよ」


「よろしく頼むよ」


 こうして築村溱が正式にバスケット同好会に入部した。

これでようやく部員集め編が一旦幕閉じとなります。次回からはいよいよいよいよという回ですので、お楽しみに!!

それでは今回も読んでいただきありがとうございました!!

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