表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
籠球クインテット♪  作者: 千園参
第3章 The love of two mothers and the last magic.
57/58

第57Q Versus Jyosen Part 3

大変長らくお待たせして申し訳ございません。

「籠球クインテット♪」を今流行ってる風のタイトルにしたら、どんなのになるかなと考えてたら、執筆が遅くなってしまいました。

それでは「バスケ好きの俺がバスケ部のない学校で、一から部を作って成り上がり……と思ったら変な奴ばっかり集まって、地区大会も突破できない件!!!」をお楽しみください。よろしくお願いします!!

 タイムアウトが終わり、上仙ボールで試合が再開された。田中さんが伊沢さんにボールを出す。ペースを作る暇を与えないように、相田がすぐさまディフェンスにつき、プレッシャーを放つ。しかし、そこはさすが地区大会優勝校というべきであり、プレッシャーを与えるだけでミスを誘発することはできない。それでもディフェンスの効果が全くないわけではなく、上仙は攻め手を欠いているようだ。


「(どこにもパスを出せない。俺についてるこの4番だけじゃない。他の4人もしっかり動けている。どうやら、数ヶ月で一皮剥けたということか……)」


 伊沢さんが俺たちのディフェンスを見て思うのだった。だが、敵に感心している場合ではないだろう。伊沢さんのボールを相田が下から叩いた。


「油断しすぎっスよ!」


「(しまった!)くそ!」


 ボールがバウンドしながら、後ろに下がっていく。それに合わせて俺はボールを拾い、そのまま攻めに転じた。ドライブで駆け上がると、徳田さんが戻っていた。しかし、俺はあえて抜きには行かず、その場で止まりスリーを放った。徳田さんも抜きに来ると踏んでいたようで反応がワンテンポ遅れ気味にブロックに跳んだ。徳田さんが跳んだ時には既に、その頭上を通り越し、ゴールへと一直線に向かっており、そのままゴールに収まった。そして第1Q終了のブザーが鳴った。


「出た!賀晴12番のスリー!!しかも、ブザービーター!!前よりも上手くなってねぇかー!!?」


 俺のスリーに会場が沸き上がる。


「これは本当に、ここの地区代表は賀晴で決まりか?」


 仲本さんが退屈そうに、あくびをしながら若林さんに言う。すると、若林さんは―――


「まだ第1Qだ。決めつけるのは早い……と言いたいところだが、こればかりは何とも言えんな。21-10と既にこの点差。4つに区切られた試合の中で、最低でも流れは4度変わるタイミングがある。だが、今の上仙では第2Qに入ったとしても、切り替えて闘えるだけの力はないのだろう。それは選手たちの顔を見ればすぐにわかる」


 真剣な表情を崩すことなく、試合を見守る。


「じゃあ、上仙は一回戦落ちか」


 若林さんの話を聞いた上で、仲本さんが確信したように言い放った。

 若林さんと仲本さんの言うように、インターバルが終了し、第2Qに入っても、俺たちの優勢は変わらなかった。


 大滝がリバウンドをしっかりと掴み、築村にボールをまわす。築村がドライブで一気に攻め込み、ダンクを決めた。その後も俺たちは好機を逃すことはせず、俺から大滝へとボールをまわし、大滝はフックシュートで追加点を入れた。だが、上仙もこれ以上は離されまいと、食らい付いてきていた。

 徳田さんが築村を沼津さんのスクリーンで抜き、強烈なダンクを決めた。


「よっしゃー!!」


 そして今日一日のガッツポーズを見せた。


「ドンマイドンマイ!すぐ取り返すわよ!」


 木山さんが声をかけながら、すぐにボールを入れてリスタートした。ボールは木山さんから俺、俺から相田とパスを繋いで、運んでいく。そしてもう一度、俺に戻ってきた。


「(スリーか?それともドライブ?どっちでくる?)」


 ディフェンスの田中さんが俺の動きを読もうと思考を続ける。俺がドリブルをつき、ドライブで田中さんを抜きにかかる。その時、田中さんの後ろに大滝の姿が見えた。その姿が見えた時、俺は迷わずドライブにいった。抜かれまいとついてくる田中さんを大滝がスクリーンで止めてくれた。だが、今回のスクリーンは読まれており、沼津さんもすぐに詰めてきた。作戦を変更して、俺は沼津さんと後から追いかけてきた田中さんを十分に引きつけたところで、大滝にパスを出した。そして大滝は再びフックシュートでゴールを決めてくれた。


「ナイッシュー!」


 俺は大滝とハイタッチした。

 今のはスクリーンのもう一つの使い方であり、スクリーンは基本的に狙った選手をフリーにするためのものであり、ドライブする人間の動きに合わせて、ディフェンスにスクリーンをかけることで、そのままドライブを止められることなく、インサイドに侵入できる。なおかつ、1人を抑えているので、残りのディフェンスが4人になるというメリットもある。しかし、スクリーンの使い道はそれだけではなく、コート上で最も存在感を放つのはボールを持っている人間つまりボールマンである。そのため、ディフェンスが基本的に止めたいのはボールマンの動きであるため、スクリーンをかけられたディフェンスも後から、スクリーンを外して追いかけてくる。だが、そのことでスクリーンをかけた選手が手薄になることがある。今回の場合は大滝がそれであった。俺にディフェンスが集中したところで、手薄になった大滝にパスを出すことで出し抜けるという作戦だ。


「(点を取ってもすぐに取り返してきやがる!これじゃ点差が縮まらねぇ!!)」


 徳田さんは焦り始めていた。伊沢さんはなんとか冷静を保とうとしていたが、他の4人は第2Qで37-22という状態に、気持ちが完全に乱れてしまっていた。


「(こいつら本当に数ヶ月前にうちとやった賀晴なのか!?動きが別人のようだ……)」


 安藤さんはユニフォームで汗を拭きながら、そんなことを思っていた。

 俺たちを強くするもの。それは想いである。ウィンターカップでは必ず県大会に出場してみせるという強い想い。それが俺たちをここまで強くしてくれたのだ。ここを突破して、必ず成旬と天ノ星にリベンジするんだ。


「ディフェンス!」


 俺は声を張り上げた。

さて、タイトルを今流行ってる風にしただけで、アクセス数増えたというツイートをよく見ますが、私は今作を「籠球クインテット♪」で貫きたいと思っています。

タイトルセンスが皆無な私ですが、「籠球クインテット♪」は、なかなか語呂の良いタイトルなんじゃないかと、自画自賛しています。それにタイトルで全部話してしまってはつまらないでしょう?私はタイトルで完結させたりはしません。

それでは今回も読んでいただきありがとうございました!ブックマーク登録、感想などなどいつでもお待ちしております!次回をお楽しみに!!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ