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籠球クインテット♪  作者: 千園参
第3章 The love of two mothers and the last magic.
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第52Q Me and your Ryoji

第3章はまだまだ続きます。第4章は今年中に公開できるかどうかという感じですね。

それでは楽しんでいってください!よろしくお願いします!!

 今日はお盆入り―――

 俺は叔母さんと母さんのお墓参りにやってきていた。迎え早く、送りは遅くということなので、早朝から墓地へ足を運んだ。

 俺と叔母さんは手分けして、お墓の掃除を済ませ、御供物をし、線香を上げ、手を合わせた。


「(母さん!俺、高校でもバスケ部に入ったんだ!入ったというか創った……というかなんだけど、でも、毎日、楽しくやってるよ!!本当は母さんにも見てて欲しかったな……)」


 ゆらゆらと上がる線香の煙が、どこか切なく見えたのはきっと気のせいなのだろう。そこから目線を叔母さんに移すと、叔母さんはまだ母さんと話しているようだった。


「(姫ちゃん………あなたの綾二はドンドン大きくなってるわ……。ただね、高校生になった辺りからかな?姫ちゃんにそっくりになってきたわ。顔立ちもそうだけど、目!そう目よ!目はあなたとおんなじ!!見たらホンっトにビックリするわよ?まぁ血の繋がった家族だから似るのは当然なんだけど。でも、なんだかね、姫ちゃんに近づけば近づくほど、私……怖いの………。だって!あなたみたいにこの子まで失ったら私………そんなの耐えられない………)」


 手を合わせ終えた叔母さんが俺に言う。


「さっ!行こっか!今日の晩御飯は豪華に巻き寿司とかどうかな?」


「食べたーい!!」


「にっしっしっし、期待してまっちょれ」


 叔母さんは笑顔で言った。

 叔母さんはとても強い人だと思う。バスケが強いのもそうだが、今はそういうことではない。ここまで血の繋がらない俺を女で一つで育ててくれた。文句一つも言わずに。本当は好きな人と結婚だってしたかったはずだ。それなに叔母さんは俺を責めたりしない。責めるどころか優しく俺を受け止めてくれている。俺は叔母さんに何を返せばいいのだろうか。


「何ボーッとしてんの??」


 叔母さんが巻き寿司を巻きながら言う。


「叔母さんって結婚とかしないの?」


「今さらできると思う?」


 逆に聞き返されてしまった。


「あ、いや、えっと……」


 俺が言葉を詰まらせていると、叔母さんが続けた。


「完全に消費期限切れよ私?歳もそうだし、子持ちだし」


「やっぱり俺がいる……から?」


 自分から聞いておいて、怖くなった。叔母さんはなんと言うのだろうか。その言葉に俺は耐えられるのか。


「何言ってんのよ。私は綾二がいてくれてよかったって思ってるわ。だって姫ちゃんのいない世界で1人きりなんて寂しすぎて私も死んじゃうわ」


 叔母さんは巻き寿司をお皿に置き、両手を胸の前で重ねて言った。そう言う叔母さんの顔はとても穏やかで気を使って嘘を言っているようには見えなかった。


「どうしてそんな……」


 優しい言葉に俺は返す言葉が見つからなかった。


「そりゃ、最初は鬱陶しかったわよ?仕事は変えなきゃダメだし、自分の時間は削られるし!でも、それ以上に綾二と過ごす時間が私の中で特別なものになった。あなたのこと愛してるわ」


 叔母さんは優しく微笑んだ。


「そんなのずるいよ………」


 目の前が涙で歪む。


「えへへ、ずるくてごめんなさいねっ。ささっ!しんみりした話はここでおしまいよ!食べよ食べよ!!」


 涙を拭い、全力で巻き寿司を頬張った。


 はーい!皆さん元気?羽川詩音です。綾二が寝てるので、今だけ私が語るわね。私は家の庭でお酒を飲みながら、月を眺めてるわけなんだけど、こんなことしてる私、オシャレじゃない?綾二にはあんなこと言ったけど、結婚相手まだまだ募集してますよ!!


 きっと辛いのは私じゃないの。親を失った綾二の方が何倍も何十倍も辛いに決まってるもの。そんな綾二が日々、辛い気持ちに負けないように頑張ってるのに、私が辛いなんて言ったら女神様に怒られちゃう。


「そうでしょ?姫乃」


「そうね。やっぱりあなたに綾二を任せて正解だったわ」


「え?の、飲み過ぎちゃったかな?幻聴が聞こえてきたような……。なんか怖いしもう寝よっと」


 私は片付けを済ませ、怖いので家中の扉の鍵をかけて寝ることにした。



 目が覚めると語り手を取られた跡があった。嘘です。そんなものはありません。俺と叔母さんは朝食を済ませて、練習するため、体育館に向かった。


「さて、ジャンプシュートはだいぶまとまってきたし、いよいよストップ&ジャンプシュートに移るわよ!」


 叔母さんと特訓を始めてから早4日目、ジャンプシュートを連続60本まで決めることができるようになった俺はシューターにとって大事な技と言える技の会得に取り掛かることになった。

 ストップ前のドライブはフルドライブのようにスピードが出ていることが前提であり、緩いスピードでストップしても、緩急の意味はなく、追いつかれてしまう。そのため俺の持ち味でもあるスピードを殺さずに侵入して、シュートタイミングでのみスピードを殺さなければならない。しかし、それが難しすぎるのだった。


「ダメダメー!体流れてるよ!!」


 完全にスピードが殺さないと、指摘のようにスピード感に体が乗せられて、シュートフォームが崩れたり、体が流されて斜めにジャンプしてしまう。こうなると決められるシュートも決まらなくなる。


「叔母さんやってみてよ」


 俺は叔母さんにボールを渡す。


「えー仕方ないわね。こうよ」


 スパッ。キレのあるストップ&ジャンプシュートは決まったが、どういうことなのか、さっぱりである。


「センスないわねー」


「そんなことはないだろ!」


 母さん、俺たちは今日も平和だよ。


「ふふ、そうみたいね」


「え?」

ハロウィンってどういうイベントなのか、いまいち理解してはないのですが、そういうシーンを入れてみました。

今回も読んでいただきありがとうございました!次回をお楽しみに!!

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