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籠球クインテット♪  作者: 千園参
第3章 The love of two mothers and the last magic.
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第51Q Each training camp Part 2

今回も合宿回です。

それでは楽しんでいってください!よろしくお願いします!!

 これも後から聞いた話なのだが、合宿にはどうやら築村も参加しなかったらしい。普段の練習から参加していない築村だから当然と言えば当然と言える行動であった。俺は叔母さんとトレーニングしているわけだが、築村は一体何をしているのだろうか。そもそも築村は普段どこでどんな練習をしているのだろうか。玉置先生もそのことに関しては有耶無耶にしていてよくわからない。しかし、吉満戦や天ノ星戦など試合のたびに力をつけていることは見てわかる。


「「いただきます!」」


 俺が叔母さんと晩御飯を食べている現在、築村はどこで何をしているんだろうか。


「あ、冷やし中華うまー!!」


「でしょー?私の自信作!!」


 まぁそんな考えも腹ペコの前ではどうでもいいことだ。


「くそっ!」


 築村は膝に手をつく。


「お前に足りないものがなんだかわかるか?」


 柳さんが切り出す。


「急になんだよ」


「いいから言ってみろ」


「力………」


 築村が汗を拭いながら答える。すると、柳さんは吹き出した。


「ぶはっ!そんなわけないだろ。力はもう結構付いてると思うぜ。俺と毎日練習してるんだからな。うーん、そうだな。確かお前の学校いま合宿行ってるんだったよな?」


「ああ」


「んじゃ、これは合宿が終わるまでの宿題だ」


 そう言って柳さんは人差し指を立てた。


「しゅ、宿題!?」


 柳さんは築村の嫌そうな反応を見て、ニヤニヤと笑う。


「そう宿題!これは冗談で言ってるわけじゃないよ。自分に何が足りないのか、俺が教えてあげることは簡単だが、それじゃあ意味がない。この1週間悩みに悩んで答えを出してみろ。合宿最終日に答え合わせだ」


 柳さんは体育館の時計を見て、ギョッとした。


「やば!?こんな時間かよ!!彼女とのディナーに遅れる!!!後片付けよろしくな!!」


 柳さんは急いで身支度を済ませて、体育館を出ていった。築村は何も言う暇がなかった。


「俺に足りないもの………」


 静まり返る体育館で築村は立ち尽くしていた。


 次の日―――俺と叔母さんの特訓は続いていた。


「毎日筋トレしててよかったわホント。まだまだ若造には負けないわよ!!」


 俺は叔母さんと1on1をしているのだが、互角どころか負けている。


「何で勝てないのさ!」


「鍛え方が甘いのだよ少年!」


 叔母さんはキリッと顔で俺に言ってのける。昨日のシュートもそうだが、歳を食っているとは言え、その実力は全国2連覇を成し遂げている。強くて当然なのだ。


「まだまだ!」


「かかってきなさい!」


 はい。というわけで皆さんこんにちは!羽川詩音です!!今、綾二は語りもできないほどへばっているので、代わりに私が語りをするわね。


「やめろ!やめろー!!」


「なによ?」


「なによ?じゃないよ!昨日に続いて今日も語り手取らないでよ!!」


 俺は地団駄を踏んだ。


「悔しかったら私を倒してみなさいな」


 叔母さんは嫌味たらしい顔をしながら言う。


「くそー、勝負!!」


 その後、何度戦っても全く勝利することはできなかった。


「じゃあ、綾二はこれから連続シュートの時間でしょ?私は先に帰って晩御飯作るから」


 そう言って叔母さんは先に帰った。叔母さんが帰った後、俺は20本連続でゴールできるまでジャンプシュートを打ち続けた。


「これで20本目!!」


 ガン!シュートは見事に外れる。


「また最初からかよ………」


 気の遠くなるような練習に、俺はその場に座り込んだ。


「こんなんで本当にウィンターカップ、大丈夫か俺……」


 シュートが失敗する度に不安がよぎる。きっと皆、この合宿で強くなって帰ってくるに違いない。俺は―――


「負けてたまるかー!!!!」


 そんな俺の背中をたまたま通りかかった川端さんが見ていたことなんて俺は知る由もなかった。


「ふふっ、頑張ってるね藤崎くん……。私も負けてらんないね!」


 川端さんは鼻歌を歌いながら、スキップして帰っていった。

 なんとか連続シュート20本を済まし、俺は家に帰った。


「ただいま」


「お、なんとかクリアしたみたいね。じゃあ、まずは風呂はいってらっしゃい」


「はーい」


 湯船に浸かりながらジャンプシュートの感覚がなくならないようにイメージしていた。イメージトレーニングは大事である。それに明日は練習は休みだから、尚のこと忘れないようにしないとならない。なぜ休みかって?それは明日からお盆。だから、母さんの墓参りをしないとなんだ。


「さて!」


 俺はお風呂から出て、着替えを済ませてリビングに向かった。


「来たね、青少年!!今日はこれ!!」


 叔母さんが張り切って白い布を剥ぎ取ると、そこから現れたのはホットプレートだった。


「?」


「今日の夕飯はお好み焼き!さっ!ボーッとしてないで焼くよ!!」


「お、おう!」


 俺と叔母さんはお好み焼きを焼いて食べた。


「うまー!!」


「結構いけるわね!ほら、じゃんじゃん焼け!!」


「いや、そんなに食えないよ!」


「食わないと大きくなれないよー!!」


 俺たちの家は今日も平和でした。

 明日は母さんの墓参り。母さんに話したいことがいっぱいあるんだ。明日が待ち遠しいよ。

予告


その男は太陽のように明るく、燃えたぎる男だった……。


第4章 Burn the immortal soul


公開予定!!


それでは今回も読んでいただきありがとうございました!!次回をお楽しみに!!

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